愛するために働く〜オフィスの中心に愛を描く〜
僕たちのオフィスアートは、ただ会社の壁に絵を描くだけではなくて、社員さん達と「御社の企業理念って・・・」と、とことん話し合って、ヒアリングして、気分を盛り上げたところで、最後に壁画をドーンってお見せする。
実はこれ、やっていることは”一つ”だと思っていて。
それは「一生懸命働く人を肯定する」ということ。
僕自身、無職の時期が20代の時にあって、社会から認められないという事実を目の前に鬱状態になったこともあったんだよね。
けれど、それくらい落ち込んでた僕が人材会社で働き始めた途端に鬱状態から立ち直って。これは全員には当てはまらないかもしれないけれど、僕はそうだった。
少し話は変わるけれど、当時、僕が勤めていた会社のスローガンの広告でひとつ好きなものがあって。それは、オードリーヘップバーンがアップで写っている写真に、「愛するために働く」っていうフレーズが書いてあったもの。
この広告を見た瞬間に、「この言葉、すごいな」って感じて。
なぜかというと、無職で収入がなくて、人の役に立ててなくて、居場所がなかった当時の僕には「人を愛する」ということが上手くできなかったんだよね。
けれど、ちゃんと職に就いて、鬱状態からも回復して、ちゃんと収入を得ることで他者への愛情表現の幅も広がったし、「ああ、これが愛するために働くことなんだ」って、すごく実感して。
働くことは「生きる」ことだし、加えて、誰かを「愛する」ことだと僕は思う。
その思いがあるから、今でもずっと、仕事を一生懸命やる人は全肯定したい。
全肯定する中で、楽しく働ける環境をつくるために社内レクリエーションとかいろんな方法があると思う。
けれど僕は、真っ向から肯定する方法でやりたい。
「あなたたちの仕事は人のためになってるよ」「人を幸せにしてるよ」ということを、アートを通じて伝えたい。
そして、オフィスアートの良いところはもう一つ、誰かに教えられるものではなく、自分たちの価値を自発的に感じることができるもの点なんだよね。
つまるところ、世の中に対してメッセージを発信するだけでなく、「働いている人たちに感じてもらうためのアート」としての役割を担うオフィスアートをやっているから、うちのオフィスアートは普通のとは思いが少し違うと思っているよ。(了)
東京の壁画アートカンパニーOVER ALLsの代表・赤澤(@overalls_aka)が「日本とアートとビジネスとその他諸々」を語る「AKA Channel」シリーズ。
※本文は、動画の音おこしを行い、読みやすく一部編集したものです。
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