「働き方改革」より「働き方革命」
働き方改革。
多くの人にとって、
働き方改革の目的は、
残業を減らそう、
働く場所を自由にしよう、
働く時間も自由にしよう、
ブラック企業撲滅しよう、
といったものだろう。
実は本当の目的は違う。
働き方改革の本丸は「少子化問題」だ。
生産年齢人口。
1995年:8700万人
2015年:7000万人
2060年:4500万人
国が同じ形を維持できないレベルで減る試算だ。
付け焼き刃的でもいいから、とにかく生産年齢人口を増やすのに、
主婦や高齢者を引っ張り出して「一億総活躍社会」を作る、
そのためには働き方の種類を増やす「働き方改革」を、という触れ込みだ。
あえて、あえて、言い切ると、
本質的には、
働き盛りの男性には、あまり関係はない。
根本的には、20年後を見越して出生率をとにかく上げること、
これが、いや、これこそが、この国の至上命題だ。
ところが巷では、
働き方改革という単語を錦の御旗のように掲げ、
意識高い感じのセミナーの多くは、
30代前後の男性が中心になって開催している。
「好きなことを仕事にしよう」
「好きな場所で好きな人と仕事をしよう」なんて甘い話題は、
集客に貢献するだろうし、否定もしない、
でも、どのセミナーでも「出生率を真剣に考えよう」なんて話は出ない。
企業側もその流れを受けて「残業禁止令」「パソコンの電源落とす」なんてところも少なくない。
これからのこの国を支えていくはずの30代前後の働き盛りなら、
残業しまくる!
経験は金を出してでも買いたい!それには時間がかかる!
先輩方から盗むために、カフェで仕事しているより職場!勉強会!
極論、なるべく悪名高いブラック企業で数年働いたら、
ステップアップ転職も有利!
なんてことを考える人がいて欲しい。
30代後半に差し掛かった僕だけど、サラリーマン時代はそう考えていたし、
今でも、そうしてる。
仕事をする上で、プロになる上で、仕事を自分のものにする上で、
絶対的な時間はどうしても必要なんだ。
でも今はそれを許さない風潮になってきている。
なんて書いたら批判だらけだろうけど、
一理だけはあると思う。
ちなみに、年末に話題になったメイウェザーは、
「お前が休んでる時、俺は練習している。
お前が寝ている時、俺は練習している。
お前が練習している時、もちろん俺も練習している。」
と言ったそうな。
全員がメイウェザーになる必要はない。
でも、十把一絡げに、メイウェザーになりたい奴まで、
残業禁止とかやっていたら、この国の将来はどうなるんだろう。
いろんな人がいる。
だから、労働時間や労働場所が自由な「働き方」の種類を増やすことも大切だ。
でもそのもっと前の、
「働くことの楽しさ」を実感できる様な社会こそが、
必要なのかもしれない。
その動きを「働き方改革」のもっと源流という意味で「働き方革命」と呼んでみよう。
そして、何より、今のこの国は、
「美しい国、日本」より、
「楽しい国、日本」を目指すべきだと思う。
その辺りは、また別の機会に。