古今わざ集
もうそれは一ヶ月も前の事。
ため池の調査でなかなか上手くコアが取れず悩んでいた時、元請けの管理者が自社の専属オペレーターが大ベテランで色々知っているから聞いてみたら?と言うので前に顔は知っていたので電話番号を聞いてその夜にかけてみたのです。
大ベテランに困っている内容を言うと、
「う〜ん、水を通すから駄目なんでしょ?」と言われた。コア取りには2種類あって無水掘りと水を通してダブルで掘る、何掘りって言うのかな?ダイヤ掘り?があって、大ベテランはそもそもダイヤ掘りするべきじゃ無いと教えてくれた。
うん。知ってる。わかってる。わかってるのよ。これを知らずして独立してボーリングするやつなんていないのよ。
無水掘りの利点は早くて確実なので含水が多く、礫っぽくて掘りづらい所は無水掘りするのが良いんだろうけど、大きなデメリットとしてはコアがまぁ汚くなる可能性が凄く高いのです。
この仕事はコア箱に収まるコアの綺麗さ、それが唯一他人に見せれる自分の実力、と言っていい程に地味な仕事なのにそのコア箱の綺麗さを求めない、となるともうモチベーションをどこに持っていったらいいか分からなくなるなるのです。
でもダイヤ掘りをすると時間もかかるしダイヤも摩耗するからコスパも悪く、仕事としてではなく、ただの自己満足になってしまう可能性があるのです。
なので、そうならないためにより早く、よりキレイにより安くダイヤ掘りが出来るように日々鍛錬しているのです。
それからも大ベテランのシングルコアチューブのメタルを加工してコアが落ちないようにするんだよ、と技術指導が続く。
もうスリーブにすらコアを入れない方向で話が進んでいる。メタルを2ミリ位削って〜と。コアはどうするの?と聞くとハンマーで叩いてそのままコア箱にインするらしい。
うん〜。それなら私も出来るのよ。それが嫌やから色々聞きたかったのよ。
まぁ大ベテランなので私の知らない事も沢山沢山もちろん知っているから尊敬はしているんだけれど、狙いが違ったらもうコア取りに関しては聞くこと無いのよ。ゴメンナサイ。
次の日、管理者に無水掘りしていいか聞くと何か違いあるんですか?と聞くのでその日から無水のみでコアを取りました、とさ。
後日管理者が現場でコア整理をしていたのですが、コアを半分位削って写真撮ってるのであぁそのやり方だったらダイヤだろうが関係ないな、と納得したのです。
やはり会社や現場によって求めるものが違うのでそれにあったやり方をしないといけないなぁと改めて思いました。
でもダイヤ掘りでキレイに早く安く掘れたら誰もが良いね!ってなって後にお金になるのも知っている。ので出来る限り技術を磨きながら攻めていきたい。
そう思ったのです。
おしまい。