いいこ
幼稚園の時、年長さんになって、絵を描く時に、「幼稚園の子は太陽や雲に顔をつけた絵を描くのがベターだろう」という旨のことを思いつき、太陽と雲に顔を描いた。先生に、「太陽と雲には顔はないでしょ。」と怒られた。
こどもの自由な発想らしきものを認めなかった幼稚園の先生。
こどもらしさを演出しようとした6才。
怒られても何も思わなかった。そもそも私が「太陽と雲が笑っている」といった発想のもとに描いたものではなかった。「もうこんなのではほめられないか」というようなことだけで、それ以上なにも思わなかった。
小学三年生になって、やはり「かわいらしいと思われるに違いない」と設計して、詩の創作で動物に対して「ちょっと尊敬しちゃう」というフレーズを入れた。「素直なこどもの作品という評価がつけばいい」と思っていた。
先生には特になにも言われなかった。「別に同じ点数なら周りの子と同じようにやってればいいや」と思った。
小五〜中一あたりから、だんだん周りと同じようにできなくなった。絵の具がはみ出たレタリングはBマイナス。玉止めが伸びた縫い物はCプラス。
同時に周りのこどもたちが大きくなり、素直なこどもの作品はいらなくなった。
中学二年生の時、創作した詩にモダンテクニックを用いた絵をつける、という製作物があった。
手先の不器用な私にとって、網にのせた絵の具を歯ブラシで弾いたり筆につけた絵の具を散らしたりといった、誰がやっても同じようになるモダンテクニックは貴重だった。
詩の内容は、人間の心の闇。自分の出来の悪さに、「らしさ」を狙う気は失せていた。
そして、白い紙が水分で歪むまで血を模した赤黒い絵の具を叩きつけ、友達に褒められ、市の文化祭に飾られた。美術で良い評価がついたのは、それが最初で最後だった。
akaです。
ただの自慢話なんですけど、中学で一回だけ市の文化祭に飾られたことがあります。しかし内容があまりにも厨二すぎて、地元中に「†闇の深淵の唄†(ポエム)」みたいなノートを晒したのと同じです。当時は「社会にオレの闇を見せてやった」みたいに思っていましたが、めちゃくちゃ恥ずかしいです。しかも俺女でした。
いつまでもこどもでいたかったなあ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。それではみなさん、
グッド・バイ。
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