お疲れ様でした

先日、私の職場でも定年退職を迎えた方々がいた。花束を受け取って帰る背中は、少し疲れていて、だけど達成感に包まれているように私には見えた。

最後の挨拶で一人の方が「僕は仕事より飲み会が好きだったんだけど、この2年くらいはそれができなくて寂しかった」ということを話した。毎日職場で顔を合わせていたけれど、その時に初めてお酒が好きだということを知った。

コロナ禍で歓送迎会をはじめ、ちょっとした飲み会なども開かれなかった昨今。昼休みは黙食の徹底を命じられ、お互いのプライベートな話をする機会が中々なかった。黙々と仕事をする姿しか見たことがなかった。

でも、挨拶を聞いてその人にも好きなお酒があったり、嫌いな食べ物があったり、よく見るテレビがあったり、と一人の人間の人生があることを感じた。

定年まで働くというのは、今の私には本当に先のことで、想像がつかない。そんな時間を、人生を、色々な苦労も乗り越えながら働いてきて、今日の日を迎えたのかぁ、本当にすごいな、そんなことを思った。

お疲れ様でした。

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