「フォークダンスDE成子坂」。
「ボキャブラ天国」がブームだった頃のお笑いに、すごく興味を持っていた時期がありました。
ブームどんぴしゃの世代ではないので、同い年の子たちはあまり知らないのかも…
一緒に喋る人があまりいないから、普段はあまり話題にしないのですが、当時の芸人さんの活動を辿っていく中で
「フォークダンスDE成子坂」というコンビが特に好きでした。
フォークダンスDE成子坂とは、桶田敬太郎と村田渚で構成されていたお笑いコンビ。
1991年結成。1993年、『GAHAHAキング 爆笑王決定戦』で2代目チャンピオンになり、当時若手としては珍しいほどのスピードで、全国区に名前を売る。
1994年より『ボキャブラ天国』シリーズにレギュラー出演。爆笑問題や海砂利水魚(現:くりぃむしちゅー)、ネプチューンらと共に人気を博したが、1999年に解散。
何かするようで何もしない、わざとハズしにかかるシュールな芸風と桶田の特異な発言、村田の鋭いツッコミが特徴。
(以下Wikipediaより抜粋)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9DE%E6%88%90%E5%AD%90%E5%9D%82
惜しむらくは、現在桶田さんも村田さんも逝去されていること。
成子坂さんが活動していた頃からの熱烈なファンでもなければ、お2人の関係者とかでもない。
そんな自分が、こういうことを引き合いに出して語り出そうとしたり、残念に思う気持ちを書いたりするのは、本当はおこがましいことなのかもしれません。
だけどやっぱり、このお2人が、それこそ今の爆笑問題やくりぃむしちゅー、ネプチューンと同じように、まだ活動を続けてくれていたら、今のお笑い界はもっと違ったものになっていたのかな…
なんていう「タラレバ」を、思わず言ってしまいます。
というのも、自分自身も成子坂さんのコントを観て、その唯一無二さに惹かれたうちの1人であるから。
先述の引用文にもあるように、桶田さんがひょうひょうと放つ奇抜なボケが、村田さんの鋭くて明瞭なツッコミにより分かりやすくなって、我々にも伝わってくる感覚が心地良いです。
その実力はもちろんプロの方にも認められていて、爆笑問題・太田さんはこのお2人のことを「天才過ぎるがゆえに売れなかった」と語っていたそうです。
成子坂さん最後の単独ライブ「自縛」。
10か月で5回、全10公演のライブを「全てのコントが新作 or 過去作のリメイク」という、キツ「過ぎる」条件のもと行われたそうです。
まさに、自らに縛りを設けたライブ。
村田さんの訃報を知ってから1年後の2,007年、地元のレンタルショップでこのライブのVHSを見かけたので、手に取ってみました。
当時は「エンタの神様」や「笑いの金メダル」などのネタ番組により起こった「若手お笑いブーム」がまだ尾を引いていた頃で、成子坂さんのコントはそれより少し前の時代につくられたモノです。
でも、すごく面白かったのを覚えています。
フリップや音声を巧みに使ったコント、ユニットコント、2人の独特の喋りだけで展開されていくコント…
そしてそれは、当時から20年ほど経った今でも色褪せていないなと感じます。
当時の、お2人のセンスに感嘆するばかりです。
これに関しては、もう皆さんも実際に観てみてください!としか言わないでおきます。
YouTubeにはいくつか動画もアップロードされているので、数本ほど紹介させてください。
URLを直接載せるのもどうかと思うので、紹介文だけ。
英語塾
今では主流となっている、フリップや音声を駆使したコント。
だけど、やっぱりそれを当時から駆使できていたところに大きな意味があるのかなと思います。
今観ても古臭さを感じさせないあたり、お2人のセンスが相当先を行っていた所以かなと感じます。
桶田さんの独特なセンスが光るボケと、それを咀嚼するがごとく村田さんの明瞭なツッコミは健在。
「Name chatte」「ヘポステンション」といった独自のフレーズも凄く耳に残ります。
無人島
「自縛」より、桶田さん・村田さん以外の芸人さんも交えて繰り広げられるユニットコント。
その中でも、この「無人島」のメタ的な構成は唯一無二というか、「分かりやすさ」と「独自性」を良い塩梅で両立している感じがします。
このユニットコント形式のネタは公演が進むごとに、どんどんその世界観の独特さを増していくのですが、段階を追って観ていくことで徐々に受け入れられるようになっていく…という伏線を含みつつ展開されていきます。
それにしても、これに出演されていた西田征史さんが「TIGER&BUNNY」などの脚本を手掛ける売れっ子作家さんになり、石館光太郎(現・石ダテコー太郎)さんが後に「gdgd妖精s」や「てさぐれ!部活もの」といった幾つものアニメを手掛ける放送作家になられていたとは…そちらも驚きです。
警備員なんて…
「自縛」のトリもトリ、最終公演の一番最後に披露されたコント。
コントの冒頭に注釈で「今からお見せするのは映像化を前提としたコントであり…」という注釈が。そこから繰り広げられるのは…?
これを、自身の単独ライブの〆に持ってくるなんてチャレンジングすぎる…!と感じざるを得ない内容。
死刑執行
お2人の名を全国区に知らしめたという「GAHAHAキング」で披露されたネタ。
「死刑」という暗い題材で、ひとつ間違えると笑えなくなりそうなところですが…会場も凄くウケています。
自分も改めて観てみて、突然繰り出される想定外のボケに笑わされてしまいました。
霊として…
桶田さんのお葬式帰りの村田さんのもとに、霊として現れた桶田さんとのやり取りから展開されるコント。
今観てみるとちょっと切なさを感じます。
「まだまだやり残したこといっぱいあるなぁ」とこぼす桶田さんの心境を、思わず想像してしまいます。
そして、お2人の死生観もちょこちょこ垣間見れそうなのもまた、面白みがあります。
同年代の人たちにも、かつてこんなにも伝説的なコント師が居たことをお伝えしたく、この記事を書いてみた次第です。
そういえば今日は、村田さんの誕生日とのことで。
今なおご存命であれば、今年で49歳…やっぱりまだまだ現役を張れる年齢だよな、と思えてしまいます。
この記事を書き進める中で、当時のコント動画を何本か観てみました。
やっぱり今もなお色褪せないコントばかりだし、今の時代に、このお2人を観られないことが本当に惜しい。
そういえば、桶田さんが生前配信していたpodcast、まだ聴けていなかったな。
どんなことをお話しされていたのでしょう…?ちょっと聴いてきます。
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