ドリームフェスティバル2023×Perfume FES!!感想。
11/5(日)に幕張メッセで開催されました、テレビ朝日ドリームフェスティバル2023×Perfume FES!!に行ってきました。
もとは11/3(金・祝)~5(日)の3日間で「テレビ朝日ドリームフェスティバル2023」が開催されていましたが、最終日だけPerfumeのPerfumeによるPerfumeのための音楽フェスが実現する運びとなりました。
いちアーティストのために、フェスの日程まる1日ぶんを使わせてもらえるのって、本当に凄いことですよね。
出演アーティストのステージは全て観たので、順に感想を書いていきたいと思います。
ピエール中野
この日は、14時開場からの15時開演。
普段なら、開演時間に間に合うよう行動する自分ですが、この時は開場時間である14時到着を目指していました。
なぜなら、オープニングアクトでピエール中野(凛として時雨)のDJタイムが予定されていたから。大のPerfumeファンとしても名高いピエールさんのDJとのことで、Perfumeの曲もたくさん流してくれないかなと期待していました。
その期待に応えるかのように、「おいしいレシピ」や「アキハバラブ」といった、コアだけど名曲をたくさん流してくれました。他にも、アルバム「⊿」の1曲目(インスト)である「Take off」を曲の繋ぎに使ったり、「チョコレイト・ディスコ」の原曲を流したり(最近本家のライブで使われているのはリミックスのほう)していたことにも目がいきました。
Perfume以外の楽曲も盤石の曲選でした。ピエールさんが流すからこそ盛り上がると感じる場面も多く、DJにも人柄が必要だろうなと感じました。
GENERATIONS
トップバッターを飾ったのはGENERATIONS。女性ファンが多く、ひときわ黄色い歓声が目立っていたように思います。
「Make me better」という曲では、Perfumeの3人がコラボで登場。昨年のABEMA TVや、今年の4月に大阪城ホールで開催された「REQUESTAGE」でもコラボしていたことが記憶に新しいです。トップからいきなり豪勢なコラボがあり、この後のアーティストへの期待も高まりました。そうした意味でも、GENERATIONSがトップバッターで良かったと感じました。
時系列が前後しますが、最後に全出演者がステージ上に立ち並んで感想を求められた際に、どなたか(名前を存じておらず申し訳ない…)が言っていた『Perfumeさんにクレームがあります。僕らより上手にダンスを踊らないでください!』が、洒落を効かせつつ相手を褒める良いコメントだなと感じました。
女王蜂
お初にお目にかかりました。今回の出演アーティストの中でもとりわけ「闇」の要素が強くて、ひときわ異彩を放っていたと思います。
序盤で耳を惹かれたのは、ボーカル・アヴちゃんの声色の使い分け。中性的な見た目に加え、地の底から響いてくるような低音と、ギャルよろしくな高音を使い分けて歌うさまに、この人は何者だろう…と引き込まれていくのが自分でもわかりました。
初めて聴く曲が続いていたのですが、流れが変わったと感じたのは「だんだん好きになる」というフレーズが聴こえてきたとき。アヴちゃん自身もリスペクトしてやまないと言うPerfumeの曲で『死』というワードが入っている「edge」の独唱です。
右手を掲げながら歌うところがスクリーンにアップで映し出されたのですが、手の震えが見て取れて、ずっと憧れてきたアーティストの曲を同じステージで歌うことを光栄に思う反面、すごく緊張していることも伝わってきました。思わず固唾を飲んで見守ってしまったのですが、そこで一気に女王蜂のつくり出す世界観に引き込まれました。
後半には「チョコレイト・ディスコ」のフレーズも飛び出しました。自分たちの世界観を前面に出しつつ、Perfumeへのリスペクトも伝わってくるステージでした。同じステージに立ち並んでの共演はありませんでしたが、舞台袖でPerfumeもステージを楽しげに見ていたらしく、リスペクトする想いは本人たちにも十分伝わっていたんだろうなと感じました。
きゃりーぱみゅぱみゅ
個人的には、7月に日比谷野外音楽堂で開催された『Midnight Sun』以来に観るきゃりー。「DEBAYASHI2023」より始まり、そのライブでも観客を盛り上げていた曲を中心に繰り出してきます。
MCでは、『Perfumeがめっちゃ好きで…』と前置きしたうえで、過去の思い出話もありました。中高時代、中田ヤスタカ好きのお父さんから「ポリリズム」を勧められたのがPerfumeとの出逢いのきっかけ。その後も、通学の道中は「plastic smile」をよく聴いていたのだとか。きゃりーと同い年の自分としては、出逢いのきっかけとなった曲と、通学中に聴いていた曲選にいたく共感しました。
あとは、今年の6月にPerfumeと一緒に出演したスペインの音楽フェス「Primavera Sound 2023」での話もあり。バルセロナとマドリード、両方の都市で開催され、いずれにおいてもPerfumeの翌日にきゃりーが出演する日程でした。
バルセロナは無事開催できましたが、マドリードではPerfumeの出演日は悪天で中止、きゃりーの出演日は開催できるようになったそうです。Perfumeのために何かしたいと思ったきゃりーは、自分の出演時間をPerfumeに分けたいと思ったのですが、技術的な課題などもあり結局共演は叶わず…。
「日本に戻ったら共演しよう!」と約束したのだそうです。
そう話し終えた後、この後Perfumeとの共演があるかもね~、と仄めかし、残りの曲を披露していくきゃりー。ただ、GENERATIONのステージみたいにPerfumeが登場しての共演はありませんでした。
ステージに立つ彼女のことが、ずっと憧れていたアーティストとの共演を心待ちにするひとりの女性に見えました。同じ時期にPerfumeと出逢い、同じような思い出を持ちつつここまで生きてきた人として、その夢が叶ってほしいと切に思いました。
マキシマム ザ ホルモン
今回の出演者の中で、どんなステージになるかが最も読めなかったアーティストです。観客が縦横無尽に暴れられるフェスの場で、尊師のような存在感で観る者全てをわきたてて、フィールド一帯をカオスに包み込むパフォーマンスが印象的だったので、全て指定席の今回はどんな手を使ってくるのか…?と思いました。客席の最後列より後ろならそれなりに空きスペースもありましたが、ホルモンのときだけここを特例的に使わせるとは考えにくく…。
結論としては、じっくり聴かせる曲を多く持ってきた印象を受けました。そのおかげか、久しぶりに「鬱くしきOP~月の爆撃機~」からの「鬱くしき人々のうた」を聴けたのが嬉しかったです。鬱になった人の心情を歌ったうえで、「一生懸命」でなくても「0.5生懸命」でいいから勝て、というホルモンなりのエールに満ち溢れた一曲。自分も、大学生なりたての頃に新しい生活に馴染めず、鬱ではないですが元気が無かったときに、この曲を聴いて自分を鼓舞していたことを思い出しました。ホルモンありがとう。
一方で、MCはいつも以上にはっちゃけていた印象でした(笑)
『Perfumeとはアクターズスクールからの友達で…』とか、『我々GENER○TIONS(コンプラ)は…』という具合に、この日の共演者に絡めて自らを偽る発言を繰り返すナヲ。そんな様子についていけないからか客席から人が離れる様子を察すると、『いま、このホールの扉の鍵を全て閉めました!』と助け舟を出すダイスケはん。助け舟に留まらず、その後のMCでは『歌い疲れたので残り時間は全部お喋りします』と、時事ネタも欠かさぬボケをかます。漫才かと思うほど歯切れ良いテンポと自由奔放さでした。
そして、そんな様子を舞台袖から見て笑っているPerfumeの3人がスクリーンに映し出される瞬間もあり、MCの部分でも大いに楽しませてもらいました。
スキマスイッチ
ここまでずっと、立ちあがって飛び跳ねたり、腕を振り上げたりして盛り上がるステージが続いていましたが、スキマスイッチのステージはどこかしっとりとしていて、ゆったり座って寛ぐように観れました。
結構昔から知っていますが、生でライブを観るのは初めてだったかもしれません。「奏(かなで)」の力強くも繊細な歌声はもう20年近く前の楽曲とは思えないほど真新しい印象を受けましたし、「全力少年」は自分が中学時代の運動会のどこかで使われていたような…と、古い記憶をくすぐられる感覚の中聴いていました。あとは、テレ朝→ドラえもんつながりで「ボクノート」も聴けるかなと期待していました。
今回とりわけ驚いたのが、Perfumeの「ナチュラルに恋して」のカバー。このお2人もカバーしていたと初めて知りました。原曲のもつキュートなイメージを男声ならではの艶やかさで置き換えつつも、原曲のらしさも失っておらず、流石でした。改めて、大橋さんの声ってスッと耳に入ってきて良いよな…と感じました。
Perfume
今回の真打ちです。
今年、Perfumeが出演していた夏フェスには何度か行っており、セットリストのベースもある程度知っていたので、今回はどんなステージになるかと待ち構えていました。
場内が暗転してステージが始まりました。これまでの夏フェスなら1曲目は「ポリリズム」でしたが、今回は「Moon」からスタート。この時点で、今回はこれまでのフェスと違うかも…?と感じました。まだワンマンライブでは披露されていませんが、夏フェスで何度か披露されたことで観客のノリも含めて完成されてきた印象を受けます。
間髪入れずに「Spending all my time」を披露し、次曲のフォーメーションに移った際にもう一人加わったのが見えました。3人とお揃いの白を基調とした衣装に加え、頭につけた大きめのリボンが目立つ、マキシマム ザ ホルモンのナヲさん。そのまま4人で「だいじょばない」を披露。この曲ってテンポも早めで、振り付けも複雑で難しいと思うのですが、普段のドラム演奏を彷彿とさせるダイナミックな踊りでやり切った印象を受けました。『全然だいじょばない』で両手をクロスさせ×印をつくる振り付けも、ホルモンがよくやる、両手の人差し指と小指を立てて(『メロイックサイン』と言うらしい)クロスするポーズに置き換えられていて、コラボならではの特別要素を感じました。その後の自己紹介における「Perfumeです」のハンドサインまで、ホルモンのメロイックサインに変わっていました。
その後のMCで、女王蜂のパフォーマンスの話題に。アヴちゃんのPerfumeへのリスペクトは3人にも届いていたようです。アヴちゃんと出会ったきっかけである映画「モテキ」と縁のある曲を披露すると言うと、自分含めにわかに沸き立ち始める客席。
その予感通り「Baby cruising Love」を披露。個人的には、Perfumeを本格的に良いと思ったきっかけがこの楽曲だったので、久しぶりにフルで聴けて嬉しかったです。
その後は、ちょうど1年前の「PLASMA」ツアーの記憶をくすぐられる心地のする「Flow」、さらに「CODE OF PERFUME」での初披露が未だに記憶に新しい「ラヴ・クラウド」へと続きます。やはり、このあたりの曲選もこれまでの夏フェスとはひと味違い、よそ行きじゃなくて『らしさ溢れる』Perfumeを観れている実感がわいてきます。考えてみれば、今年はずっとフェス出演続きで、唯一のワンマンライブもロンドンという異国で開催した『COP』のみ。ファンクラブトゥワーもありましたが、自分はまだ行けていないのでより一層そう感じられました。
その後は「P.T.A.のコーナー」に。フェスでは時折『他人の曲』を歌うこともあるので、今回も何かあるかなと思っていると、最近公開された映画「すみっコぐらし」の主題歌「すみっコディスコ」の振り付けを一緒にやる流れに。ここに居る人はみんな、YouTubeで公開された振り付け動画を見てくれたよねー!と煽るあ~ちゃんに対し、ごめんまだ確認できていないの…と、心の中で謝る自分。Perfumeの3人を真似して振り付けを会得させてもらいました。
その後は「Party Maker」に突入。ライブはいよいよ終盤戦の様相を呈してきています。周囲の熱量もさらに高まりつつある中で、自分は少し気持ちを上げきれずにいました。
ひとつだけ、引っ掛かりを感じていたからです。
きゃりーとのコラボ。
それがまだこの時点では果たされていませんでした。
ステージの終わりも刻一刻と近づく中、一体どうなるのかとステージを見守っていると、曲の終盤でステージ中央のお立ち台に誰かが飛び出してきたのが見えました。
銀のドレスに身を纏い、髪型は黒髪ツインテールで。日頃の衣装や髪色、ヘアスタイルが色鮮やかなだけに、そのシンプルな佇まいがかえって珍しく見えました。
満を持して登場したのは、きゃりーぱみゅぱみゅ。Perfumeと横一列で立ち並び、コラボで披露する曲名を口に出します。
「PONPONポリリズム」
きゃりーとPerfumeの出世作である「PONPONPON」と「ポリリズム」が合体した曲名。歌い出しは「PONPONPON」でしたが、キーが異なる上に裏では「ポリリズム」に似た音色も流れている…。
2曲のマッシュアップでした。歌も振り付けも「PONPONPON」と「ポリリズム」それぞれを行ったり来たりしつつ曲が進んでいきます。ただ、その繋ぎもシームレスで、もともとこんな曲があった心地さえしてきます。
曲後には、この曲ができた経緯が話されました。先述の「Primavera Sound」での約束を受け、中田ヤスタカさんもいるグループチャットで『Perfumeときゃりーで何かしたい』とお願いしたところ、中田さんから返信で「PONPONポリリズム」の音源だけ送られてきたそうです。『土台となる曲は作ったから、あとは好きにしていいよ』と言わんばかりの返答で粋だなと感じました。
その後は4人で振り付けも練習したそうですが、MIKIKO先生も関わっていたのでしょうか。いずれにせよ、ステージ上の4人に加えて、多くの大人のお力添えがあって実現したコラボだったのだと分かりました。きゃりーが長年抱いていた夢である『Perfumeとの共演』を叶えるための最高のギフトだと感じられ、思わず胸が熱くなりました。
その後は「チョコレイト・ディスコ」に突入。ピエールさんのDJと女王蜂とで今回聴くのは3回目。コロナ禍を経て声出しできるようになった喜びを体現するような曲で、これまでの夏フェス同様、有終の美を飾りました。
…と思っていたのですが、その後その日の出演者が登場(女王蜂は不在でしたが、きっと憧れのPerfumeと同じステージに立つことを憚ったのかなと思いました)し、全員で「Puppy love」を歌うことに。この日の出演者も観客の人たちも、Perfumeが長きにわたり築いてきた実力とご縁ゆえだと感じられるラストでした。
おわりに
そんなこんなで終了したPerfume FES!!
「ドリーム」フェスティバルの名を冠している通り、Perfumeがこれまで数多くの夢を叶え続けてきたのだと感じました。共演したいと言っていたアヴちゃん然り、きゃりー然り。
そして、Perfumeに夢を叶えられた人たちがまた、他の誰かの夢や思い出になっているとも感じました。自分自身もきゃりーのステージを観ていて、過去に参加した初の武道館ライブや、「じゃぱみゅ」を引っ提げての出雲大社ライブなどなど、どこかで今の人生を構成する一要素になっている出来事を思い出していました。他のアーティストも同様で、曲やライブステージを観聴きしたことが誰かの思い出になったり、そこから誰かが新しい夢を持つきっかけになったりしているのだと思います。
2023年のPerfume関連のライブ・イベントも、残すところ沖縄でのファンクラブトゥワーと、年末のカウントダウンライブになりました。最近一気に肌寒くなってきて季節の変わり目を感じている今日この頃ですが、年末まで健康に駆け抜けたいものだなと思います。
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