「お笑い第七世代」観ていて楽しい理由。
近頃、TVを席巻している「お笑い第七世代」の皆さん。
自分も、その活躍を楽しく視聴しているうちの1人である。
代表格・霜降り明星は「M-1グランプリ2018」の覇者。
史上最年少での王者であり、いまや改めて語るまでもない実力派。
自分も彼らと同い年であり、観ていて親近感を感じるところが、その楽しさに繋がっているのだと思う。
しかしながら、まだ他にも理由がある気がするので、一度腰を据えて整理してみたく、この記事を書いてみた次第である。
可能な限り、改めて何かを深掘りして調べることはせず、「今の自分が持っている知識」で纏めてみたい。
そして、この記事の内容には、主観や間違いもあるかもなので、「ある1人のお笑い好きの想い」程度に留めて頂けたら…という前置きもさせて頂きたい。
はじめに
①「お笑い第七世代」の定義とは?
諸説飛び交っている気がするが、纏めると、個人的には以下の通りかなと思う。
・「2018年時点」で
・「20代」のメンバーが
・「過半数を占める」 お笑いユニット。
まず、「2018年時点」の部分。
これは、「お笑い第七世代」という定義が、2018年に生まれたことが理由。
また、この時「20代で固まって、新しい笑いの可能性を探る世代」と語られていることから、年代的には、この時点で20代である人たちで括るべきかなと思った。
さらに、EXITみたいに、兼近さんはこの定義に当てはまるけれど、りんたろー。さんは当てはまらない(2018年当時、32歳)…みたいなユニットも居ると思うので、メンバーの過半数(コンビならどちらか1人、トリオなら3人中2人)が上記の定義に当てはまればOK、と解釈することにした。
②「お笑い第七世代」の芸人一覧
(以下URLの記事から抜粋)
https://talent.thetv.jp/person/feature/677/
・霜降り明星
・EXIT
・ハナコ
・ゆりやんレトリィバァ
・3時のヒロイン
・ガンバレルーヤ
・四千頭身
・宮下草薙
・かが屋
・ぺこぱ
(「抜粋」つってんのに、ほとんど丸写ししてしまった…)
(上記の記事には載っていなかったけど、個人的には「納言」も追加しておきたいところ…)
この記事内なりの「お笑い第七世代」の定義付けが終わったところで、「観ていて楽しい」理由を整理していきたいと思う。
理由
①実力派・個性派揃いの面々
賞レースでの実績ベースでの話になってしまうが
霜降り明星:「M-1グランプリ2018」「ABCお笑いグランプリ2017」優勝
ハナコ:「キングオブコント」2018優勝
3時のヒロイン:女芸人No.1決定戦「The W 2019」優勝
という具合に、若くしてちゃんと実績を残している面々が多いのだ。
特に「霜降り明星」は、ツッコミの粗品さんが「R-1ぐらんぷり2019」でも優勝しており、「M-1」「R-1」唯一の2冠を達成している。
このコンビに関しては、(詳細は各自で調べて頂きたいが)10代の頃からの活躍が凄くて、今のお笑い界の主人公のようなオーラすら感じられる。
他にも、四千頭身や宮下草薙は、「お笑い第七世代」ブームが始まる前から、テレ東「にちようチャップリン」等のネタ番組でその実力を垣間見せていたと思うし、かが屋も「キングオブコント2019」決勝進出をきっかけに注目され始めた認識が広くあるが、それ以前からお笑い好きの方々には「実力派」として知られていた。
「周りが持て囃している、一過性のブームでは消えないぞ」という、地に足着いた実力があるから、観ていてどこか安心感を覚える点が、楽しさに繋がっていると思う。
また、「個性派揃い」と書いたのは、各ユニットの性別やコンビ/トリオの形態、漫才師/コント師といったバリエーションが多岐にわたる点を指す。
霜降り明星→男性コンビ、漫才師
ハナコ→男性トリオ、コント師
ゆりあんレトリィバァ→女性ピン芸人、(たぶん)コント師
3時のヒロイン→女性トリオ、コント師
納言→男女コンビ、漫才師
という具合に、色んな形態のユニットが居て、バラエティに富んでいて飽きない。
なかでも、女性の居るユニットが多く活躍しているのが良いなぁ、と個人的には思う。
過去にあった「ボキャブラ世代」のユニットは、大半が男性だった気がするので…。女性ならではのお笑いを開拓していける世代なのでは、と思う。
②芸人さん自身が発端となって生まれた定義である
先述の「ボキャブラ世代」や、2003年頃の「エンタの神様」全盛期にブレイクした「(当時の)若手お笑い世代」は、活躍する芸人さんたちを見て、周りのメディア等がつくった括り、というイメージがある。
だけど、「お笑い第七世代」は、その発端が芸人さんたちにあるという点で、過去のそれらとは一線を画している気がする。
自分たちなりの価値観がちゃんとあって、自分たちでやりたいことをやっている、という感じがしてくるのだ。
その光景はさながら、放課後の部室のような居心地の良ささえ感じさせる。
③「派閥争い」や「メンバーの葛藤」がある
芸人さんの「年齢」を基に括られていることから、第七世代に入れなかった芸人さんたちとの「派閥争い」のようなものも、観ていて楽しいなと個人的には思う。
特に激しく派閥争いしているなと思うのが、ニューヨーク。
テレ朝「爆笑問題のシンパイ賞!」や、フジ「さんまのお笑い向上委員会」等で、たびたび第七世代に入れて欲しいと懇願している。
最近では、第七世代の裏事情に詳しい「専門家」的立ち位置を確立しつつある気もしていて、第七世代に入れていないなりに、昨今のブームに上手く乗っかっているなと感じる。
また、「年齢」で自動的に括られてしまうことから、自分が第七世代であることへの葛藤を感じるメンバーが居ることも特徴的。
特に葛藤しているなと感じるのは、宮下草薙・草薙さん。
トーク番組等で、度々その葛藤する胸の内を吐露しているが、だからこそついつい今後の活躍に目が離せなくなってしまう。
④今の若者世代に共感されやすい芸風である
ここで挙げたいのは「EXIT」と「ぺこぱ」の2組。
EXITは「ネオ渋谷系漫才」という芸風で、パリピ口調のチャラ男キャラが印象的。
だが、そのヴィジュアルやキャラクターだけでなく、その裏に2人の「賢さ」や「真面目さ」が垣間見えるところが、今の若者世代に上手く適合した点が、人気の理由ではないだろうか。
ネタ作成者のりんたろー。さんは、EXITの頭脳的存在だなと思う。
まだピン芸人だった頃に「R-1ぐらんぷり」の予選でネタを観たことがあるのだが、しっかりとした内容の漫談で、面白かったことが未だに印象に残っている。
EXITの漫才も「チャラ男」のキャラ任せで、勢いやあるあるネタ一辺倒で笑かすモノではなく、ちゃんと1本のネタとして成立している。
あと、「note」で綴っている内容からも、その文才が感じられて素敵だなと思う(自分もフォローしています)。
「かねちー」こと兼近さんは、「ワイドナショー」に出演した際に「#検察庁法改正案に抗議します」タグに対する意見を、真面目に、自分の言葉で語っていた姿が印象的。
「マジだりぃっすね」と、チャラ男らしい言葉で〆ていた点からも、言葉選びのできる人、という賢さを感じた。
…あまり言うと、営業妨害になるかもしれないのでこの辺で(笑)
でも、あの「チャラ男」キャラが2人の素だ、と思われてしまったら、ここまでの人気は出なかった気がする。
やっぱり今の若い人たちは、ある程度賢くないとお笑い芸人はできないと認識していると思うし、どこか「根の真面目さ」「賢さ」を感じられるほうが、共感を得られるのではなかろうか。
ぺこぱは、「年齢」という括りでは「第七世代」の定義からファズれる(外れる)が、松陰寺さんの「ノリツッコまない」スタイルが、本当に今の世の中に上手く適合しているなと思っている。
「第七世代」は、生まれながらにしてインターネットが身近にあった「デジタルネイティブ」世代であり、異なる文化に偏見が薄かったり、多様性を重んじたりする世代であると言われる。
そして、それは「第七世代」と同世代のファレわれ(我々)もそう。
ひとつの常識や固定観念に捉われず、「別にそういう考えもアリじゃない?」「そんな人も居るんじゃない?」と思える価値観がある。
松陰寺さんのツッコミは、まさにそんな我々の価値観に合ったモノだと思う。
ボケの人に対して「おかしいだろ!」「そんなワケないだろ!」とツッコんで終わりではなく、「○○とも言い切れない!」とか「○○だって別にいいじゃないか!」と「肯定」することで、その人の多様性を尊重しているのだ。
年始の「爆笑ヒットパレード」で、ぺこぱは「プロポーズ」ネタを披露した。
松陰寺さんが女性、シュウペイさんが男性の設定。
その中で、シュウペイさんも女性だった…というボケに対し、松陰寺さんが「女性同士が結婚したって別にいいじゃないか!」と「肯定ツッコミ」した際に、共感からきたと思しき歓声が沸いたのが印象的である。
「いやお前も女性とかおかしいだろ!」というツッコミが入った際に「本当にそれっておかしいの?」って訝しんでしまう価値観を、既に我々は持っている。
松陰寺さんのツッコミは、これからの時代に当たり前になっていきそうな価値観に、上手く合っているのだ。
勿論、隣に居るシュウペイさんも凄い。
「肯定ツッコミ」された際のリアクションや、松陰寺さんが長く喋っている時の表情が絶妙で、それこそぺこぱの漫才に必要不可欠だと思う。
肯定ツッコミされたら、「いやいや…」と逆に切り返したり、隣で長く喋られたら早く話を次に進めようとあくせくしたり…
観ている側としても、そんなリアクションを待ってしまいそうなところを、シュウペイさんは何も言わずじっと待っている。それによって、松陰寺さんが「ボケ」の立場でツッコんだり、喋ったりしていない印象が生まれ、その喋りが活きるのだ。
きっと、シュウペイさんがあの漫才スタイルを心から受け入れてなければできないリアクションや表情だろう。
…なんだかこの章は、素人のクセにお笑い評論家ぶった内容を多く書いてしまったが、それも「悪くないだろう」の一言で受け流していただけたら幸いである。
おわりに
そんなこんなで書き綴ってきた、「お笑い第七世代」を観ていて楽しい理由!
この括りに対して懐疑的な意見もあったりして、今後この括りが残っていくか消えていくかは分からないけど、今活躍している芸人さんたちのことは素直に応援したい。
自分たちと同世代の人たちというだけで色々共感できるし、これまでの価値観を大きく覆すような活躍をしてくれるのでは?なんて期待もあるし。
10年後も、この世代の人たちが活躍していたら、お笑い界の勢力図はどうなっているか?なんて考えると、今から楽しみ。
その時代を楽しく生きられるよう、自分も「第七世代」に負けないぐらい、自分の人生を頑張らないと。
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