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完全ガイド:関係代名詞

こんにちは、悪鬼です。今回は関係代名詞について詳しく解説します。

関係代名詞とは?

関係代名詞とは、2つの文を1つにまとめる際に使われる語です。関係代名詞を使うことで、冗長な表現を避けつつ、説明を加えることができます。主に "who", "whom", "whose", "which", "that" がありますので、それぞれについて詳しく紹介します。


which

"which" の基本的な使い方

"Which" は、物や動物を指す際に使われる関係代名詞です。以下のように、主語や目的語として使われます。

  • 主語としての "which" 例: This is the book which won the award.
    → これは賞を受賞した本です。

    1. "which" は "the book"(その本)を指しており、"won the award" という説明を追加しています。

  • 目的語としての "which" 例: The movie which we watched last night was amazing.
    → 昨夜見た映画は素晴らしかった。

    1. この場合、"which" は "the movie"(その映画)を指し、"we watched last night" という説明を加えています。

制限用法と非制限用法

関係代名詞 "which" には2つの使い方、制限用法(限定的)と非制限用法(非限定的)があります。

  • 制限用法 (Restrictive Clause) 文全体の意味に不可欠な情報を追加する場合に使います。制限用法では、関係節がその前の名詞を限定するため、カンマを使いません。

    1. 例: The house which he bought is very old.
      → 彼が買った家はとても古い。

    2. この文では、"which he bought" という情報がないと、どの家を指しているのか分かりません。

  • 非制限用法 (Non-Restrictive Clause) 前にある名詞に追加の情報を与えますが、文の意味にとっては重要ではありません。非制限用法では、関係節の前にカンマを使います。

    1. 例: The car, which is red, belongs to my friend.
      → 赤い車は私の友人のものです。

    2. ここでは、車の色が「赤」であることは付加的な情報であり、文の主要な意味には関係しません。

"which" と "that" の違い

多くの学習者が混乱するのが、"which" と "that" の使い分けです。この2つは物を指す関係代名詞としてよく使われますが、使い方に少し違いがあります。

  • "which" は、制限用法と非制限用法の両方で使えますが、"that" は制限用法でのみ使います。

    1. 例: This is the car that I want to buy.
      → これは私が買いたい車です。
      This is the car which I want to buy.
      → これは私が買いたい車です。

    2. 両者は制限用法ではほぼ同じ意味ですが、非制限用法では "which" を使います。

    3. 例: My car, which I bought last year, is still in good condition.
      → 私の車は昨年買ったもので、まだ良い状態です。

関係代名詞を使わない省略形

時には、関係代名詞を省略することも可能です。特に目的語となる場合、省略することで簡潔な文にできます。

  • 例: The book (which) I am reading is very interesting.
    → 読んでいる本はとても面白いです。

    1. このように "which" が目的語となるときには省略可能ですが、主語となるときは省略できません。

先行詞が文全体のとき

関係代名詞 "which" は、文全体を指す場合にも使われます。この使い方では、文の最後に置かれ、カンマで区切られます。

  • 例: He missed the train, which made him late for work.
    → 彼は電車に乗り遅れ、それが原因で仕事に遅刻しました。

    1. この場合の "which" は "He missed the train" という事実全体を指しています。

複合関係代名詞 "whichever"

"Whichever" も "which" の一種で、選択肢の中でどれを選んでもよいという意味を表します。

  • 例: Take whichever route you prefer.
    → 好きなルートを選んでください。


who

"who" の基本的な使い方

"Who" は人を指す際に使われます。主に主語として使われる関係代名詞であり、対象の人物について追加の情報を与える役割を果たします。

  • 例: The woman who lives next door is very kind.
    → 隣に住んでいる女性はとても親切です。

この例では、"who" は "The woman" を指し、"lives next door" という情報を加えています。

"who" と "whom" の違い

関係代名詞 "who" と "whom" はどちらも人を指しますが、役割が異なります。"Who" は主語として使われ、"whom" は目的語として使われます。日常会話では "whom" が省略されることが多いですが、フォーマルな文脈では正しく使い分けることが求められます。

  • 例: The teacher who helped me is very experienced.
    → 私を助けてくれた先生は非常に経験豊富です。
    The person whom I met yesterday is a doctor.
    → 昨日会った人は医者です。

フォーマルな文章では "whom" を使いますが、カジュアルな文では "who" に置き換えられることもあります。

制限用法と非制限用法

関係代名詞 "who" は、2つの用法に分かれます。制限用法は対象を特定し、不可欠な情報を提供しますが、非制限用法は追加の説明を与えるだけで、文全体の意味には重要ではありません。

  • 制限用法: The student who got the highest score will receive a prize.
    → 最も高い点を取った学生が賞をもらいます。

この場合、"who got the highest score" という情報は、どの学生が賞を受け取るのかを特定するために重要です。

  • 非制限用法: My brother, who lives in Tokyo, is a writer.
    → 私の兄は東京に住んでいて、作家です。

この文では、兄が「東京に住んでいる」という情報は重要ではなく、追加の説明として提供されています。非制限用法では、"who" の前にカンマを付けます。

関係代名詞を使わない省略形

時には、関係代名詞 "who" を省略することができますが、主に目的語となる場合に限られます。主語として使われる "who" は省略できません。

  • 例: The man (who) I spoke to was very friendly.
    → 私が話しかけた男性はとても親切でした。

このように、"who" が目的語の場合は省略できますが、主語の場合は省略できません。

先行詞が文全体の場合

"Who" は通常、先行する名詞を指しますが、文全体を指す関係代名詞としては使われません。この場合には "which" を使用することが一般的です。

複合関係代名詞"whoever"


関係代名詞 "whoever" は、誰でも、あるいは「~する人は誰でも」という意味で使われるため、不特定の人を指します。"whoever" は主語や目的語として使われることがあり、通常は「選ばれた特定の人ではなく、誰でもよい」といったニュアンスを含みます。

  • 例: Whoever wins the race will receive a prize.
    → レースで勝つ人は誰でも賞をもらえる。


that

"that" の基本的な使い方

"That" は、主語や目的語として使われ、先行する名詞(人物、物、動物)について説明を追加します。"That" は "who" や "which" と同様に使われますが、より幅広い状況で使用されます。

  • 例: The book that I am reading is very interesting.
    → 私が読んでいる本はとても面白いです。

この文では、"that" は "the book" を指しており、"I am reading" という情報を付加しています。

"that" と "which" の違い

"That" と "which" は、どちらも物や動物に対する説明に使われますが、使い方に少し違いがあります。"Which" は制限用法と非制限用法の両方で使えますが、"that" は制限用法でしか使いません。

  • 例: This is the car that I want to buy.
    → これは私が買いたい車です。
    This is the car which I want to buy.
    → これは私が買いたい車です。

この場合、"that" と "which" のどちらも制限用法として使用でき、意味はほぼ同じです。しかし、非制限用法では "that" を使うことはできません。

  • 例: My car, which I bought last year, is still in good condition.
    → 私の車は昨年買ったもので、まだ良い状態です。

この文のように、カンマを伴う非制限用法では "which" を使います。"That" はこのような場合には使えません。

"that" と "who" の違い

"That" と "who" は、どちらも人を指すことができますが、使い分けることが推奨されます。"Who" は通常、人を指す際に使われるのに対して、"that" はよりカジュアルな場面や、特定の制限を表す際に使われます。

  • 例: The man that helped me was very kind.
    → 私を助けてくれた男性はとても親切でした。
    The man who helped me was very kind.
    → 私を助けてくれた男性はとても親切でした。

どちらの文も正しいですが、"who" の方がフォーマルな印象を与えます。

制限用法における "that"

"That" は、特定の対象を限定する場合に使われます。制限用法では、説明が対象を限定し、その対象を区別するために不可欠な情報を提供します。制限用法ではカンマを使いません。

  • 例: The house that he bought is very old.
    → 彼が買った家はとても古い。

この文では、"that he bought" がどの家を指しているかを限定しており、文全体の意味に不可欠です。

関係代名詞を使わない省略形

"That" は、目的語として使われる場合、省略することが可能です。特に口語やカジュアルな文脈で、省略されることが多いです。

  • 例: The book (that) I am reading is very interesting.
    → 私が読んでいる本はとても面白いです。

このように、"that" が目的語の位置にある場合には省略できます。しかし、主語として使われる場合は省略できません。

"that" を使わない場合

非制限用法では "that" を使うことができません。非制限用法とは、文の意味には不可欠でないが、追加の情報を提供する場合です。このような場合には "which" や "who" を使います。

  • 例: My sister, who lives in Paris, is a designer.
    → 私の姉はパリに住んでいて、デザイナーです。

この文では、姉が「パリに住んでいる」という情報は重要ではなく、追加の情報に過ぎないため、"that" を使うことはできません。

"that" の多機能性

"That" は、人、物、動物、場所、時間など、さまざまな先行詞に対して使うことができます。この汎用性が "that" の最大の特徴であり、シンプルな文から複雑な文まで幅広く活用できます。

  • 例: The day that we met was unforgettable.
    → 私たちが出会った日は忘れられない。

この文では "that" は時間を指して使われています。場所やその他の概念に対しても同様に使うことができます。


what

"What" の基本的な使い方

関係代名詞 "what" は、先行詞が存在しない場合に使われる特別な代名詞です。"what" は「~するもの・こと」を指し、前の文脈で明示された名詞や情報に対して用います。具体的には、名詞とそれに関連する説明をまとめて、単一の概念として表現します。

  • 例: I can't believe what I just heard.
    → 私がちょうど聞いたことが信じられない。

この文では、「私が聞いたこと」を指し示しており、具体的な名詞がない状態でその内容を説明しています。

"What" の構造と用法

"what" の文法的な役割には、以下のような使い方があります。

  1. 名詞としての "what"
    "what" は文中で名詞として機能し、「何が」「どんなことが」といった意味を持ちます。この場合、名詞を導く役割を果たします。

    • 例: What you said was very helpful.
      → あなたが言ったことはとても役立ちました。

  2. 説明的な用法
    "what" は、具体的なものや事柄について説明する際に用いられます。この使い方では、何について話しているのかを明示せずに、抽象的に「何か」を指すことができます。

    • 例: I am interested in what you have to offer.
      → あなたが提供するものに興味があります。

"What" と "that" の違い

"that" は、物、動物、人を指す際に使われる関係代名詞ですが、"what" は「~するもの・こと」として機能し、先行詞が存在しない点で異なります。具体的な名詞を前提とする "that" と異なり、"what" は単独で名詞の役割を果たします。

  • 例: I didn’t know what to do.
    → 何をすればいいのかわからなかった。

この文では、"what" が「何をするか」という具体的な内容を示していますが、"that" を使った場合は別の意味や構造になります。

"What" と "which" の違い

"which" は、先行詞が特定の物や事柄である場合に使われる関係代名詞ですが、"what" は特定の先行詞を持たずに、広く「~するもの・こと」を指します。つまり、"which" は具体的な選択肢を示すのに対し、"what" は一般的なものや事柄を指します。

  • 例: I don't know which book to choose.
    → どの本を選べばいいのかわからない。

  • 例: What you decide is up to you.
    → あなたが決めることはあなた次第です。

ここで、"which" は具体的な選択肢(「どの本」)を示しており、"what" は決定する内容全般を指しています。

"What" を使った疑問文と感嘆文

"what" は、疑問文や感嘆文においても使われ、特定の事柄や物についての質問や感嘆を表現します。疑問文では「何が」「どんなことが」という意味で使われ、感嘆文では「驚き」や「感動」を表します。

  • 疑問文の例: What did you say?
    → あなたは何を言いましたか?

  • 感嘆文の例: What a beautiful day it is!
    → なんて美しい日だろう!

ここでは、疑問文では具体的な情報を求め、感嘆文では強調して感情を表現しています。

"What" の省略

"what" は通常、省略されることはありませんが、特定の文脈では省略形が使用されることがあります。特に、文脈から明らかであれば、短縮形として表現することも可能です。

  • 完全な形: Tell me what you need.
    → あなたが何を必要としているのか教えてください。

  • 省略形: Tell me what you need.
    → 省略の余地がないため、省略せずにそのまま使います。

  • 例外的な省略: I’ll give you what’s best.
    → 私は一番良いものをあげる。

この文では、"what’s best" という省略形が使用されており、実際には「何が一番良いか」を指していますが、前後の文脈で明らかであれば、省略が自然に行われます。

最後に

まず、この「完全ガイド:関係代名詞」を一読いただいたことにつきまして感謝申し上げます。
関係代名詞には、詳しく言えば他にもwhose, asなどがあるのですが、記事にするほどのことではありません。
他にもシリーズとして英語に関するページを出しますので、そちらもぜひお読みいただければ幸いです。
「こんな解説をしてほしい」「ここが分かりにくい」などご要望ありましたらコメント、またはX(twitter) @ryosshiiのDMまでお声かけください。
記事にも多少の間違いがあるかもしれません。見つけた場合は先ほどと同じようにお声かけください。


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