
自分にとっての幸せとは(恋愛編)
外が薄明るくなってきた。。ベッドの上でなんラウンド目になるのか…再び愛し合う。
......
仰向けになって他愛もない会話をする。
そろそろベッドから出る時間かぁ...
彼が言う
「君はシャワーを浴びておいで、僕はBreakfast
を作るから」
「うん」
(何かいつもとは逆だ...いつもは私が食事の支度をして、彼にシャワーをどうぞとうながす)
バスルームから、トントントンとキッチンの音が聞こえる。包丁がまな板をうつ音、、
彼の包丁さばきはゆっくりだ。
トン...トン...トン... このゆっくりな感じがまた私の心を落ち着かせる。
なんて幸せな響きだろう
バスルームから出る
「うわぁ〜、いい匂い!」
トマトとガーリックとハーブの香りがしてくる。
もう一つのなべの中ではソーセージがボイルされていて湯気がでている。
(うわぁ、このデカいソーセージ...彼のに似てるなぁ笑。)
「これ、あなたのみたいだね笑」
彼 「ははっ」
とだけ軽く笑う
彼はガーリックの効いたトマトベースのスープの中に、マッシュルーム、3種のハーブ、卵を入れてメインディッシュを作る。
作り方を教えてくれながら作っていた
何ヵ所かにこだわりがあるらしく、ここでこれを入れるんだよ、と教えてくれている。
今まで聞いたことの無いなまえのハーブスパイスもふりかけていた。
私の鼻に近づけてきて、どう?と顔でジェスチャーをする。
うんうんうん。とうなずいて、好みの香りのスパイスである事を伝える。
ただ作るのではなく、色々なことをシェアしてくれながら作っている彼にキュンとする。
あとはフライパンの上でグレープオイルをしいて、両面焼いたトースト、そして豆から挽いて入れたフレッシュなホットコーヒー。
私のコーヒーにミルクを入れてくれようとする。
「自分で入れるよ」
(ミルクを入れる量にこだわりがあり過ぎる、可愛くない私)
さぁ!「いただきます」
「美味しい...」。。。旨みがぎゅ〜っと凝縮されている感じ。
そして、
「温かい...」食べると身体が温かくなるこの感じ。
トーストはサクサク感と噛むと出てくるもっちり感があってとても美味しい。
そしてフレッシュなコーヒー。
幸せだった
家に帰ってからも、彼が作ってくれたBreakfast
の事が頭から離れない。。。
食べ物を食べて、温かい...と感じたのが
人生で初めてだった。
これは私自身、衝撃的な事だった。
今まで私は子供の頃からおばあちゃんや母の美味しい手料理を食べてきた。
学校の給食も美味しかった。
結婚生活の中で、お互いに料理を作りあった経験もある。
お料理を食べて、「美味しい!!」と思った事は沢山ある。
ただ、お料理を食べて、心も身体も「温かい」と感じたのは人生で初めてだった。
とても不思議な感覚だった。
その彼は、私の正式な恋人ではない。
だけど、私に幸せとはどんな事かを教えてくれたのが彼だった。
細かい所に気がついて世話好きな彼。
自分が先にシャワーを浴びるんじゃなくて、私に先に浴びておいで、僕はBreakfastを作るから、と紳士的な彼。
あのときの時間は2度と戻る事は無いし、また同じ事を感じる事は無いかもしれないけれど、この日の事は私の大切な大切な宝物。
大きな”気付き”もあった。
Vasily, なぜあなたは私の恋人ではないのかな...