情報モラル 再考 #5 ~モラルも安全も安心もない情報社会で
1 情報社会?
2 誤解
3 本来の姿
4 ルールを知る
5 歴史から学ぶ
6 情報を守る
7 情報を読む力をつける
8 サイバー社会のクセを知る
9 未来に
#5 歴史から学ぶ
私たちは生きるうえで困難な場面に遭遇した時、適切な判断ができるように過去の教訓から学ぶ。
そのために昔から、歴史の教育は欠かせない。
過去の出来事から
技術の進歩は著しい一方で10年、20年前のサイバー犯罪や社会問題の記事を見ると今とさほど変わらないことに驚く。
人はそんなに変わっていない。
■子どもと一緒に考えて話し合いたい出来事とテーマの例
① トイレットペーパー売り切れ騒動(2019)
デマやフェイクニュースへの対応の難しさ
② パスモ悪用事件(2011)
意識せず提供している個人データの悪用
③ ケンブリッジ・アナリティカ事件(英米、2016)
SNSで個人の趣味嗜好が類推され誘導される危険性
④ キュレーションメディア炎上騒動(2016)
情報の作られ方、情報提供企業の体質や姿勢
⑤ ハードディスク転売事件(2019)
情報の後始末
⑥ 検事による証拠改ざん事件(2010)
証拠(特にデジタルデータ)の改ざん、デジタル・フォレンジック
⑦ 遠隔操作ウイルス事件(2013)、無限アラート事件(2019)
刑事司法に関する知識の必要性
出来事のあらましは検索すればすぐ分かる。
大事なのは何が起きて、どんな影響があり、法的に、社会的に、技術的にどんな問題があったのかを考えること。
そして人々はどう反応してどう変わっていったか、変わらなかったかを考える。自分ならどうしたか、すべきだったのか。
キーワードから
情報社会で起こった現象や流行から生まれてくる用語について、自分たちとの関わりや教訓を考える。
■子どもと一緒に考えて話し合いたいキーワードとテーマの例
①フィルターバブル
自分好みの情報だけに接してしまう
②エコーチェンバー
自分と同じ意見や嗜好に囲まれてしまう
③ ファクトチェックのファクトチェック
ファクトチェックの結果をも疑う?
④ モザイクアプローチ
SNSから個人が特定されてしまう
⑤ つながらない権利
必要以上にSNSやスマホでつながらない
⑥ 忘れられる権利
ネット上の個人データの削除を要求する
⑦ FOMO(Fear Of Missing Out、見逃すことへの恐怖)
自分だけが知らない状況を恐れて情報取得中毒になる
⑧ ポスト真実(Post Truth)
客観的事実よりも感情的な意見が大勢となってしまう
⑨ デジタルタトゥー
ネット上の情報はなかなか消えない
(つづく)