ポップモンスター米津玄師
Rockin’on Japan 8月号に米津玄師のインタビューが掲載されています。
新作「Stray Sheep」を待ちわびながら同作について語られたインタビューを読む体験は、強い既視感を覚えるものでした。
音楽漬けだった青春時代、僕が音楽にのめり込んでいたのは1994年からその後の15年ほど
40歳を過ぎた今、1番多感だった頃と同じ心境にしてくれた米津玄師のモンスター性にただ畏怖するばかりです。
語り出せばキリがない彼の音楽の秀逸さの中でひとつだけ取り上げるなら、
軸足がブレず、常に進化の方向を向いている点です。
いろんな方向に手を伸ばし、音楽性の幅をどんなに広げようとも常にロックなポップソングであることは変わらない。
進化により立ち位置が変わっても、軸足は常に前を向いることとロックやポップスの世界で受け継がれてきた伝統への敬意を忘れていない。
コレを僕は音楽への愛と呼んでいます。
逆説的になりますが、
ロックやポップスにおける伝統、
つまり過去の音楽家の偉業は、
新しいことへの挑戦の上に成り立っていて
過去の音楽への愛を持って音楽活動をするということは、
過去を知り、新しい音楽に挑戦するということに他ならないと僕は考えています。
米津玄師の音楽を聴いて、全く新しい音楽と思うことはないですが、
今後彼は全く違う次元に到達してくれるのではないかという期待を抱かせてくれます。
20年ほど前、Radiohead,Björk,Beckなどを聴いて、「この人たちは、音楽的に悟りを開いているのではないか?」と感じていました。
僕の米津玄師に対する印象は上記3組のアーティストに匹敵する日本人です。
新作「Stray Sheep 」が手元に届くのが楽しみで仕方がありません。