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心拍ゾーンについて理解を深める

今回も海外記事のご紹介です。スマートウォッチや心拍計などが普及し、多くの方が活用しているであろう心拍データ。

今回は心拍数と運動強度について分かりやすく説明をしてくれている記事をご紹介します。

REIというキャンプやフィットネスに関連した記事を載せているホームページより引用させてもらいました。

是非、読み進めてみてくださいね。




ご紹介する記事

https://www.rei.com/learn/expert-advice/how-to-train-with-a-heart-rate-monitor.html


心拍数を測れるデバイスを持っていれば、記録されていくデータをどのように活用すればよいかと考えたことがあるかもしれません。心拍数はトレーニングの強度を効率的に把握でき、持久力を高めるための計画的なプラン作りに役立ちます。

心拍データから得られる情報についてこの記事で知識を深めていきましょう。


安静時心拍(Resting Heart Rate)


安静時心拍は言葉のとおり、まさに何もしていないときの心拍数のことです。人によってさまざまですが、おおよそ60-100bpmほどでしょう(bpm:一分間の心拍数)。

日頃からトレーニングを行っている方は60bpm以下、持久系アスリートであれば50bpmを下ることもあります。

もし安静時心拍数を自動で計測してくれる機能がない場合は、長時間安静にしているタイミングで心拍数をチェックしてみてください。それがあなたの安静時心拍です。理想的なのは目覚めた直後に測定することです。

安静時心拍は年齢や性別、何かの疾患のため薬物を摂取していることなどが影響しています。ですので先ほど数値を出して説明をしましたが、それにはあまり固執しないようにしてくださいね。

あなたのフィットネスが向上すれば、今よりも少し安静時心拍が下がるでしょう。ですので心拍数を計測できるデバイスを手に入れたらまず安静時心拍を計測し、あなたご自身の安静時心拍の現在値を知ってください。

そして定期的に安静時心拍の推移をチェックしていきましょう。


リカバリー心拍(Recovery Heart Rate)


リカバリー心拍とはトレーニング実施後、安静時心拍に戻るまでにどれくらい時間を要したかを示す言葉です。フィットネスが向上すると安静時心拍に戻るまでに必要な時間は短縮されます。

リカバリー心拍についても、日頃からチェックをしてみることをおススメします。


最大心拍(Maximum Heart Rate)


最大心拍はあなたの心臓の鼓動が最も早いときの心拍数です。最大心拍はパーソナルなトレーニングプランを立てるときに重要なものです。

最大心拍数が分かるとトレーニングプログラムをよりあなたにマッチしたものに仕立てることができます。

デバイスの中には最大心拍を記録してくれるものもありますが、そうでないものも多くあります。もし最大心拍が記録されなければ、以下のような方法によって計測することができます。

・年齢を基準にした計算式
昔から使われている「220 – 年齢」は特に高齢の方にとって不正確であることが分かってきました。そこで「208 – 0.7×年齢」という修正式があり、こちらの方が妥当だとされています。

しかし修正式も統計的な数値です。遺伝や体質などの影響は考慮されていないので、あなたにマッチしないことがおおいにあり得ることも頭に入れておいてください。

・テストを実施する
もし最大心拍数に近い運動を行ったことがなければ、非常に強い負荷をかけますので医学的に問題がないことを確認した上で実施してください。

1.3分間全力を出す(走るorバイク)
2.3分休息をとる
3.再び3分間全力を出す(走るorバイク)

最も高い心拍数(おそらく2回目の全力時)があなたの最大心拍数です。

今ご紹介したものはほんの一例です。インターネットで様々な方法が紹介されているので、あなたに合ったものを探すのもよいでしょう。

どのような方法でも精度を高くするためには、①精神的に活力があるときに②ウォームアップをしっかりと行って、③あなたの全身全霊の努力をテスト中に発揮することです。


最大心拍(HRmax)について分かっておいて欲しいこと

3点のアドバイスをしておきます。

1.運動方法に合わましょう
最大心拍数の値はバイクなのかランなのか、運動によって異なってきます。おそらくバイクのときの方が低いでしょう。それは循環器系への負荷が変わってくるからです。

2.定期的に最大心拍数をチェックしましょう
最大心拍数は年齢とともに低下していきます。逆にトレーニングを重ねることでメンタルタフネスが上がって、より強く追い込めるようになれば最大心拍数が少し上がることもあり得ます。

3.最大心拍数の向上をトレーニング効果の目安にしない
持久力の向上をモニターするのに適したものは安静時心拍とリカバリー心拍です。


心拍トレーニングゾーン

効果的なトレーニングプランを組み立てるために、最大心拍数をもとに心拍ゾーンの設定を行ってみましょう。心拍ゾーンを設定するとトレーニング中の心拍数の少しの変化を都度気にする必要がなくなって、より快適にトレーニングが行えます。

ゾーンの設定方法はいくつか種類がありますので、まずはシンプルなものからご紹介します。

アメリカ心臓学会が推奨している2ゾーンの方法は、今からトレーニングを始める方にとってはシンプルで良い方法でしょう。

・適度ゾーン:50-70%HRmax(最大心拍数の50-70%)
・活発ゾーン:70-85%Hrmax

今まで普段運動をあまり行わずに座りがちな生活を送っていて、これから運動を行おうと考えている方はまず適度ゾーンから運動を始めましょう。適度ゾーンに慣れてきたら、活発ゾーンを取り入れるようにしてみてください。

ハートレートモニターの多くは各社が設定したゾーン区分を、あなたの最大心拍に合わせて自動で設定してくれる機能と、ご自身で心拍ゾーンをカスタマイズする機能があります。

心拍ゾーンの設定範囲に独自の名称をつけている会社があったり、コーチによっても運動強度に対する%HRmaxの設定範囲は様々です。どの方法でも根底にあるのは心拍数が運動強度を反映しており、パフォーマンスの向上には様々な強度帯のトレーニングを取り入れると良いという認識です。

以下はゾーン設定の一つの例です。

Zone 1(リカバリー、楽な強度):55-65%HRmax
体にとってミニマルなストレスと努力感で行えるゾーン。強度を弱める日やウォーミングアップ、クールダウンに用いられます。

Zone 2(有酸素、ベース強度):65-75%HRmax
長時間維持し続けるようなベースとなるトレーニングゾーン。トレーニングパートナーと会話をすることができる強度帯です。

Zone 3(テンポ):80-85%HRmax
テンポゾーンはスピードや力強さをビルドする強度帯。会話の単語数は減って1、2単語のみのやりとりになります。

Zone 4(乳酸閾値):85-88%HRmax
乳酸閾値ゾーンは乳酸をエネルギー燃料として最も多く利用しているゾーンです。これ以上のゾーンでは乳酸の蓄積に対してその利用が追い付かず、水素イオン(H+)などの蓄積も相まって筋肉は疲労します。乳酸閾値ゾーンのトレーニングは長時間維持できる最大パワーを向上させます。

Zone 5(無酸素領域):90%HRmax以上
神経系システムに刺激を与えます。このゾーンのトレーニングによって体は一度に動員する筋線維数を高める方法を学習し、神経から筋線維への収縮信号をより効果的なものにします。


主観的運動強度の精度を高めましょう

トレーニングゾーンに習熟すると、各トレーニングゾーンと主観的な運動強度の関係性が一致してきます。

そうするとデバイスで現在の強度を確認する回数を減らすことができます。主観的な運動強度の感覚を高め、より効率的なトレーニングを行いましょう。


トレーニングプランに心拍ゾーンをどう活用していくか

トレーニングを計画する際に、各ゾーンを均等に行う必要はありません。各ゾーンに費やす時間は、低いゾーンほど長くなることが通常です。

以下に示すのはトレーニング計画の一例です。

Zone1:総時間の30-40%
Zone2:総時間の40-50%
Zone3:総時間の10-15%
Zone4:総時間の5-10%
Zone5:総時間の5%以下

最後に、記事の序盤で触れたように心拍数と運動強度の関係は運動の種類によって少しずつ異なります。たとえばトレイルランニングとランニングでは体にかかる負荷(強度)とその際の心拍数の関係も違ってきます。

目的とするアクティビティに合わせてゾーンを調整できると良いでしょう。


安静時心拍などの概念と、心拍ゾーンについて分かりやすく説明をしてくれている記事でした。

最後に書かれていた「目的とするアクティビティに合わせてゾーンを調整する」ためには、そのアクティビティを模した全力テストを実施するのが良いのかなと思います。

ただ、トレイルランでの全力走というのは危険な面も多いと思いますので、十分ご注意ください。

心拍数を目安にトレーニングを行っている最中に気になることは、同じ強度(パワーやスピー)でも疲れてきたときには心拍数が上がっています。

このとき強度を下げて心拍を目的のゾーンに合わせた方がいいのか、それとも強度はそのままに高い心拍で行う方がいいのかに迷うことがあります。

どちらが良いということを、確信を持ってお伝えするほどには私の知識が追い付いていません。ですので今後も論文を紹介しながら私自身の理解も深めて、皆さんにお伝えしていこうと思います。

心拍ゾーン、トレーニングに是非活用してみてください。

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次の記事も読みにきてくださいね。

過去の記事も色々ありますので、そちらにも目を通してもらえると嬉しいです。


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