幼児向けお話 なかまたち 第五話 「良い嘘」
ドック君は黄色い小鳥を飼っています。
小鳥の餌はドック君が毎日あげています。
朝、いつものように餌をあげようと思って鳥かごを開けると小鳥が外に出てしまいました。
ドック君は「あっ!」と声をあげて、開いている窓を見ました。
小鳥は窓から外に逃げ出しました。
たまたま外を歩いていたラビット君はドック君の家から出てきた小鳥を見つけました。
ラビット君は慌てて小鳥を追いかけました。
ドック君も慌てて外に出ましたが小鳥はもういませんでした。
ラビット君は小鳥が降りてきたので捕まえようとしたそのとき、小鳥は車にはねられました。
ラビット君は小鳥を手のひらにのせましたが、小鳥は死んでいました。
ラビット君はお墓を作ろうと思い、カバンの中に小鳥を入れました。
そこへドック君がやってきました。「小鳥を見なかった?ラビット君」
ラビット君は答えました。
「うん見たよ!君の家の窓から出て行って森の方へ飛んでいったよ」
「今ごろは森の仲間達と仲良く遊んでいるんじゃないかな」
ドック君は「そーか友達と遊びたかったのかな」と小さな声で言いました。
ラビット君は「いっぱい遊んだら帰ってくるよ」と言いました。
ドック君は「うん。そうだね」と小さな声で言いました。
ラビット君はカバンの中の死んだ小鳥に気付かれないように「またね」と言って
ドック君と分かれました。
*どうしてラビット君は嘘をついたのかな?
ラビット君が歩いていると前から大きな本を読みながらぶつぶつ言っている
キャット君が歩いて来ました。
ラビット君がキャット君に声をかけると、キャット君は急に声をかけれたので、
驚いて本を足の上に落とし驚きと痛さでわけのわからない悲鳴をあげました。
ラビット君はキャット君に急に声をかけてごめんとあやまりました。
キャット君も魔法の勉強をしててラビット君に気付かなくてごめんとあやまりました。
するとラビット君のカバンの中で小鳥が鳴きだしました。
偶然にもキャット君の悲鳴は小鳥を生き返らせる魔法の呪文になっていたのです。
カバンをあけると、小鳥はドック君の家の方に飛んでいきました。
二人は小鳥を追いかけてドック君の家に行くと、窓からドック君が顔をだして
「小鳥が帰ってきたよ」と嬉しそうに言ってました。
ラビット君は「君はすごい魔法使いになれるかも」ってキャット君に言いました。
キャット君は、なぜラビット君そんなことを急に言い出したわからないまま
「ありがとう」って言いました。