自然災害と家とお金:3-5 えっ?地震でも土砂災害って起きるの!?
この記事で分かること
・地震後に土砂災害は発生する!
・土砂災害の被害って!?建物は?人命は?
・地震による土砂災害は保険に注意!
こんにちは、あじさいです。
今日、北日本は大雨の恐れ、西・東日本では猛暑、そして強い台風9号(メイサーク)が沖縄に近づいているそうです。もはや天気のデパートです。
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さて、本日のテーマは地震の被害、「土砂災害」です。
えっ、土砂災害って大雨の後に起きるんじゃないの!?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、昨年の台風19号、今年の7月に発生した熊本の豪雨でも土砂災害の被害が発生しましたね。
実は、私自身も地震で土砂災害が発生するって数年前まで、頭に「?」がよぎっていました。地震が原因で家が倒壊する、津波に襲われる、液状化で家が傾く、ここまではわかっていました。
勝手に土砂災害は大雨で起きるって思いこんでいたんですよね💦
自然災害と家とお金シリーズ、前回の記事「液状化」はこちらからご覧いただけます。
地震の被害に土砂災害!?
がけ崩れ、土石流、地すべり……、大雨も地震もどちらも原因になります。
大雨の場合は、地面の中に雨が浸透して土砂が滑りやすくなります。
地震の場合は、大きなゆれが山に対して加わります。
揺れが大きいほど、山に加わる力は大きくなりますので、一般に土砂災害の発生規模や頻度は高くなると言われています(もちろん、土砂の崩れやすさにも依存します。)
大雨であれば、雨が強くなる前にその場から逃げることで身の安全を確保することが出来ます。
一方で、地震はいつ発生するか分かりませんし、発生してしまったらすぐに土砂が崩れるということもあります。
場合によっては、地震後に雨が降ることにより土砂災害が発生する可能性もあります。例えば、熊本地震の12日後に大分県日田市では土砂災害が発生しました。土砂災害が発生する前日と1週間前に現地では雨が降っていました(出典:国交省より)
地震による土砂災害を再現するとしたらこんな感じでしょうか。
台車の上に砂山を作ってカチカチに固めてみる。
そして、台車を思いっきり前後に揺らす。
そうすると砂がぽろぽろ崩れる。
土砂災害、家への被害は?
下の図は2018年9月に発生した北海道胆振東部地震における土砂災害被害の写真です。左は地震発生前、右側は地震発生後の写真です。
左の写真を見ますと、道路沿いに家が並んでいるのが分かります。
地震発生後、家の背後に広がる山が土砂崩れを起こし、民家が土砂の下敷きになっている様子が確認できます。
戸建て住宅が土砂災害に巻き込まれた場合、住宅は全壊となり、人命が非常に危険であることが分かります。
マンションやRC造の建物について被害事例を探したものの見つかりませんでした。土砂災害が発生した箇所の近くにマンションがなかっただけかもしれません。
ちょっとだけ想像してみると、低層階の住居に土砂が流れ込んでくる、外壁への損傷が考えられます。戸建て住宅ほどではないにせよ、被害があるのだと想像できます。
出典:どちらも国土地理院より(北海道勇払郡厚真町)
住む場所と補償を考える
土砂災害による被害は山やがけなど土砂がある場所の近くで発生します。
住宅の背後に山や斜面、崩れそうな土砂がある場合、大雨や地震による土砂災害被害が発生する可能性がありますので、これから家を買おう!借りようと考えている方にはお勧めできません。
同じ土砂災害とは言っても
「土砂災害って、火災保険の水災補償の対象だよね!じゃあ地震でも大丈夫だよね!」
地震の場合、補償の対象外!
水災の中の土砂災害って、「水災=水に関するもの、大雨などによって引き起こされた災い」に対しての補償なので、地震が原因の場合は補償されません。この場合は、地震保険がないと損害が補償されません。
「えー、知らないし!わからないし!」
言いたくもなりますよね。拝み倒しても交渉しても無理なものは無理。
知っておくこと、その上で判断すること。これが、一番の安全策ですね。
まとめ
・地震後に土砂災害は発生する!
・土砂災害の場合、住宅や人命への影響が大きい。(戸建て要注意)
・地震による土砂災害は火災保険の水災補償の対象外、地震保険が必要!
最後までご覧くださいましてありがとうございました!
あじさい