「ほっこりと温かいまち」鈴木勇次・鈴木美美子さんインタビュー記事
テレワークが増えてきた現在、海と山の景色を眺めながら仕事をし、疲れがたまったら外のみかん畑で一休みして、夏場になったら自転車で坂を降りてそのまま海に飛び込むこともでき、夜ご飯はお庭で育てた素材を取って料理する。
このような素敵な生活は夢ではありません。
去年(2022年)、都会と田舎の魅力を併せ持つ、「ほっこりと温かいまち 網代」に引っ越した鈴木勇次・鈴木美美子さんの日常の一例です。
今回は網代の魅力を伝える記事第四弾となり、お二方にインタビューを行い、「なぜ網代に移住されたの?」「網代の暮らしはどんな感じ?」など網代移住について質問をしました。また、「南熱海での小さな子どもを持つ共働き夫婦のための場を創出する」というお二方が行われている事業についても話していただきました!
是非最後までご覧になってください~
楽しいことがぎゅーっと詰まっている
——移住前の暮らしと網代移住のきっかけ
ーー 本日はよろしくお願いします。
美美子 よろしくお願いします!
勇次 よろしくお願いします!
ーー 早速インタビューを始めますが、お二方が網代へ移住される前に日本だけでなく、海外でも生活された経験があると聞きました。移住前の暮らしなどを是非お教えていただきたいです!
勇次 子育て中がシンガポール、定年前8年半が香港でした。どちらも高いビルが立ち並ぶ大都会で美味しい食べ物が楽しめるイメージ。実際に行ってみると香港は、確かに大都会ではありますが、自然も豊かで町中から 30 分ほどで山に行けてハイキングも楽しめる環境がありました。
それが香港の魅力の一つでもあり、網代に住むきっかけとも関連してきます。現在の家は網代駅から徒歩圏で、海の眺めも素晴らしく、周りには山も広がっています。熱海市内の中心部までも電車で15分ほどで、中心街にはおしゃれで美味しいレストランや美術館などもあります。町としての楽しさと、海や山の美味しい食べ物など、様々な楽しいことがぎゅーっと詰まっているところが網代の良さだと思います。
美美子 プラス温泉。
勇次 そうですね。
ーー よく温泉行かれますか?
美美子 月1回は行っていると思います。
勇次 来週は伊東の旅館の日帰り温泉に行こうかなぁと話しています。
ーー 都会と田舎の魅力を両方楽しめるのは網代ですね。続きまして、お二方が網代移住を決めたきっかけを教えてください!
勇次 もともと若い頃から、定年後は海のそばで暮らそうと話していて、ほかの海に近い地域で一週間の移住体験をしてみたんですけど、熱海市内の別荘地もそうですが、車がどうしても必要なんですね。
美美子 私が免許がないので、車でなくても暮らせる場所がいいと思い探していました。 そんな中、何度も通っていた網代の民泊のオーナーさんと話をしてたら、土地を探してもいいんじゃない?とアドバイスをくれました。
その晩ゲストルームで検索して出てきたのが今住んでいる土地で、すぐ翌日に見に行ったら、もう絶景なんですよ。駅にも近くて、車がなくても大丈夫でしたので、条件に合っていて。
勇次 その結果、この土地を買って家を建てようということとなり、香港にいる間に、色々オンラインで打ち合わせをしながら、去年の5月に家が完成し、7月に帰国して入居しました。仕事は8月で定年退職をし、フリーランスとしてオンラインで働き始めることができるようになったことも大きいですね。今は毎日この家で海を見ながら仕事して、仕事の合間に息抜きに外に出ると、みかん畑が広がっていて、いつもそんな環境で作業していますね。
自然を楽しみながら仕事をする
——平日と休日の過ごし方
ーー では平日の過ごし方についてお教えていただければと思います。
勇次 オフィスに通っているわけではないので、平日の朝は比較的ゆったりと起床し、家の周りのみかん畑の道を夫婦でぶらぶら散歩したり、海まで行ったり、戻ってきたら遅めの朝ご飯を食べる、そんな過ごし方をしています。
仕事は1日中びっちり入っているわけではないので、作業して、ちょっと休んで、また仕事して、休んでみたいな感じで1日のんびりしながら働いています。
美美子 そうそう。あなた、夏は仕事の合間に、海にちゃぽんと泳ぎに行ってたじゃない?
勇次 そうだね。自転車で3分ほどでビーチまで行け、無料のシャワーもあるので、泳いでシャワーを浴びて自転車で戻ってくる、そんな爽やかで気持ちの良い時間を過ごしました。
ーー 海沿いでの生活ならではの楽しさですね。ではお二方の休日はどんな感じでしょうか?先ほど平日でも海に行かれるとおっしゃいましたが、マリンスポーツをされたりしますか?
勇次 香港でヨット乗ってたんですけど、今の生活が軌道に乗るまでは結構バタバタしていていたので、来年の夏ぐらいには、ヨット持っている方がいたら乗らしてもらえると嬉しいなと思ったり、ちっちゃいカヌーを自分で買って乗りたいなと思っているところです。
自分はコーチングという仕事をしており、平日は法人向けの仕事、週末は個人の方向けの仕事が入ったりお客様を迎えたりします。そのため、私たちは木曜日を休日にして、その日は仕事を入れないようにしています。
美美子 木曜日の休日を活かして、買い物に行ったり、横浜に出かけたり、伊東で温泉に入ったり、函南でさわやかハンバーグを食べたりもしました。半日ぐらい出かけてっていうのは休日の過ごし方です。
勇次 いくつかのコミュニティに参加しているので、土日はその関係で遊びに来たり、セミナーをしたり。時には、知り合いの企画の会場として使ってもらうこともありますね。
山桃(やまもも)取りとお庭
——網代生活の楽しさ
ーー では、次の質問に行かせていただきたいですが、網代に引っ越して楽しかったことや、心に残っていたことはありますか?
美美子 うちの庭に夏みかんや柿が実るんですけど、みかんでマーマレードを作りました。
散歩していたら赤い実が落ちてたので、よくよく見たらそれが山桃(やまもも)だったんですよ。そこで友達が来たときに、みんなで山桃とりに行こうとなって、とったものを使ってジャムやシロップを作ったのが一番楽しかったですね。
勇次 お隣の土地にビワの木もあって、前に住んでいたお隣さんに採っていいよと言ってくれたので、ビワの実がなったら取りに行ってました。
庭に大葉などを植えようと考えていたのですが、探せば大葉とかがあるよってお隣さんから言われて、探したら本当に大葉が生えていました。
美美子 今日は、インタビューまでに時間がなかったので、大葉で作ったソースと 4 分茹でマカロニでジェノベー ゼパスタをつくってパパッと済ませたんですよ。
勇次 あと、今僕が一番気に入ってるのは柿の木で、実は渋柿なんですけど、それを干し柿にして、ソフトなクリーム系のチーズと合わせて、白ワインと一緒に食べるのはめっちゃ美味しいですよ。
ーー 美味しそうですね!是非一度食べてみたいと思います!
「オンラインで色々買えるからそんなに不便さは感じない」
——網代生活の大変さ
ーー 逆に網代での生活を始めると、何か大変だったことはありましたか?
美美子 買い物かなあ。網代には大型店といわれるものがないんですけど、とは言っても、今の時代オンラインで色々買えるからそんなに不便さは感じないですね。
勇次 少しこじゃれた食べ物を買いたかったら、伊東や函南まで行くのですけど、普段の食べ物は、近くのマックスバリューで買えるので、別に困ることはないですね。本や家具・家電などは、オンラインで買えるので、それも困ってないです。
服とかは手に取って買いたいですが、それは外出した時にまとめて買うので、そういう工夫はいるかなっていう感じです。
美美子 大体月に2回ぐらい、ちょっと遠出して買い物に行っていますね。
人が人を呼ぶ繋がり
——地域コミュニティへの参加
ーー 今までのインタビューでよく「網代の魅力の一つは人の魅力」とおっしゃっていた方がいましたが、お二方はどのように地域のコミュニティに参加したかが気になりました。
美美子 私たちは引っ越す前から地域のコミュニティの人たちと知り合いになりました。
「土地にしたら?」との言葉から購入したのが2019年1月で、3 月から、熱海の復活の立役者である市來さんのmachimori が主催した「 ATAMI2030会議」に参加していたんです。民泊のオーナーさんが 2030 のアドバイザーをされていて、熱海のキーパーソンの方たちに一人一人紹介してくださったんです。
その中の一人に、「Hublic(ハブリック)」というコワーキングスペースをやっている、小林めぐみさんがいて、ハブリックでオンライン交流会もあって、それも地域の人々と知りあうきっかけとなりました。
そして、その民泊のお家には、ピアノがあったこともリピーターになっていた理由だったんですが、弾いていたら「コンサートやってよ」と頼まれて、彼女の還暦のお祝いでコンサートをさせていただきました。
勇次 買った土地のお隣さんも呼ばれていて知り合うことができたので、その後、「造成してました」「昨日棟上げしたよ」とか、家が建つまでの途中経過をずっと写真で送ってくれていました。工務店さんからの報告よりも早かったくらい。
そんなふうに、人が人を呼ぶみたいな感じでたくさんのつながりができましたね。
引っ越して3か月後の昨年11月にお披露目パーティーを開いたのですが、網代だけではなく、熱海で知り合った方もお誘いしたら、16人もの方が集まってくれました。
ーー 2023年10月に開かれた南熱海文化祭での「リラクゼーションコンサート」もそれの繋がりだったりしますか?
美美子 そうですそうです。やはりHublicを通じて知り合った、網代のまちづくり団体「あじろ家守舎」の山﨑さんがつないでくださいました。 マリンホールの指定管理者が machimori に変わったのを機会に家守舎が関わっているイベントが多くて。それで声をかけてくださっています。
ーー なるほどです。きっかけとか交流とか、点と点が繋がるって感じですね。
美美子 本当にそんな感じ。私は前に横浜の大倉山に住んでいたんですけど、大倉山でも地域活動に関わり合って、親しい人たちと一緒に楽しい時間を過ごしました。だからこそまちの活動が盛んで、同じように楽しい時間が過ごせると思ったのも、最終的に熱海に決めた要因だったと思います。
自然豊かさは他の地域にもあるけど、やはり「なんか面白いことできそう」と感じがしたからです。
網代は、いろんな面白い人が集まってきて、外から来た人が差別されなく受け入れてもらえ、そこで繋がり合うことで素敵なことができる地域ですね。
親子の心が響き合う場
ーー では最後に、お二方が今行われている「南熱海で小さな子どもを持つ共働き夫婦のための場の創出する」についてお聞かせてください!
美美子 2017 年の8 月に、シンガポール人でフランス女性と結婚した友人の誘いで、彼らがバカンスを過ごしていたフレンチアルプスの小さな村を訪ねました。そこは奥さんの実家で、滑り台や砂場、ブランコがあるお庭で。甥っ子兄弟が小さな頃に、ほんとうに天使のように無邪気に遊んでいたんだろうなというのが容易に想像でき、親子の心が響き合う場を作ってきた私にとっては、夢のようなお庭でした。
それにインスピレーションを受けて、網代であのようなお庭を作れないかなあと思ったんです。
共働きの人がどんどん増えていって、お母さんたちが結構消耗しているのを見てきました。そのため、土日に1時間のコンサートとかだと疲れて出かけけるのも大変だろうけど、家族ぐるみでレジャーと兼ねた形であれば、都心から近い熱海に来て、1日ゆっくり遊んで過ごしてもらうことができるのではないか、それがここの家で実現できたらいいなと思っています。山﨑さんの地域の方へのインタビューでも、地元の人が、ちいさな子どもと一緒にゆっくり過ごせる居場所があれば…という声も出ていると聞いていて、そんなことができる場を一緒に作りたいね…と話しているところです。
ーー 今後の活動がとても楽しみです!以上で本日のインタビューを終了したいと思います。どうもありがとうございました!
美美子 ありがとうございました!
勇次 ありがとうございました!
次回の予告
網代の地で創業150年の老舗和菓子店 『菓子舗 間瀬』の間瀬社長インタビュー記事です。"伊豆の代表銘菓”『伊豆乃踊子』はこの『間瀬』で作られているものなんです!!
間瀬 社長は現在五代目ですが、代々伝わる間瀬の和菓子を守りつつ、今でもなお新しい和菓子作りに力を入れているこだわりです。今でも変化を起こし続け進化している間瀬社長のインタビュー記事にご期待下さい!!
最後までお読みいただきありがとうございました!
是非次回の記事もお楽しみに~
(*次回の更新は1月5日(金)を予定しています)