応援したいビジネスはありますか?
近所に、日系人の姉弟が二人でやっているアイスクリーム屋さんがあります。レシピは全てオリジナル。中に織り込む具材(クッキーやタフィー、ジャム等)から全てハンドメイドです。フレイバーは、定番のバニラ、抹茶、Mr.ユニバーサル(オートミールクッキー&キャラメル)の他に、オリジナリティ溢れるユニークなフレイバーが2つ3つ、数週間おきに入れ替わるので、SNSの告知は常に要チェックです。
私の好きなフレイバーは、黒胡麻とアールグレイですが、他にも、よそでは食べられないようなユニークで美味しいフレイバーがいっぱい。今回は、ピーナッツバター・バナナとアールグレイ・タフィーを買いました。
ピーナッツバター・バナナは初トライ。バナナ風味のアイスクリームにグルテンフリーのピーナッツバタークッキーを砕いたものが程よいバランスで織り込まれています。私は人工的なバナナフレイバーがあまり好きではないのですが、これは生のバナナをマッシュして凍らせたような、リアルバナナの味です。私はサーティワンのストロベリーチーズケーキのようにクッキーやケーキのかけらが入ったものが好きなので、これはかなりの好み。リピ決定です。
アールグレイ・タフィーは、もともと好きなアールグレイアイスにアーモンドチョコを砕いたものが織り込まれています。歯応えがあって飽きが来ず、美味しくないわけがありません。
実は、我が家は1年余りの間、毎週習慣のようにしてここのアイスクリームを買っていた時期がありました。
当時、新型コロナによるロックダウンで、およそ1年半もの間、全米の飲食店がテイクアウトのみの営業を強いられました。真っ先に閉業を発表したうちの一つが、私が大好きだったサラダバーのチェーン店、スープランテーションでした。その件についてはここに書いたので、良かったらお読みください。
スープランテーションの閉店は、自分でも思いの外大きなショックでした。なんなら今だに喪失感を引きずっています。新聞記事によると、もともとコロナ前から赤字続きで、ロックダウンを乗り切るのは困難との判断だったということでした。
私はその時、思いました。
「早く言ってよ」と。
赤字続きで閉店の危機にあると知っていたら、もっと頻繁に行って、業績アップに貢献したかったです。もちろん、我が家だけでは大海の一滴でしかありませんが、スープランテーション閉店に嘆いた人の多さを思うと、救う方法があったのではないか?と思わざるを得ません。現に、復帰を求める声が多く、最近アリゾナとサンディエゴに類似店がオープンし、行列ができる反響だとか。
そこで、なくなったら困るお店は、自分たちで守らないと!と学んだのです。コロナで収入に打撃を受けなかった我が家などは、その分社会に還元しないといけません。Kansha Creameryは美味しいだけでなく、収益の一部を慈善団体に寄付したり、店内に地元のアーティストに絵を飾るスペースを提供したり、地元の農家と提携したりと、若い二人が、コミュニティや地球との共存を考えながら人を笑顔にすることを模索している、志の清いビジネスモデルです。こんなお店を応援できなければ、優しい社会は実現できない気がするのです。
志に感銘を受けているわけではありませんが、私は帰省したらできるだけそごうや高島屋で買い物をします。子供の頃に家族そろって行った、思い出深い百貨店。おもちゃ売り場にウキウキしたのも、洋服や靴を買ってもらったのも、父のゴルフ用品を買うのに付き合わされて死ぬほど退屈だったのも、休憩にプリンアラモードを食べたのも、百貨店でした。もっぱら個人的な感傷ですが、なくなったら寂しすぎて寝込むと思うのです。
どうか、私がこよなく愛するお店がいつまでも続きますように。
そういえば、吉祥寺のジャズ喫茶Funkyも無くなって寂しいなぁ。