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フェースパウダー
2018/03/25 13:12 byあじりん
ほんの数滴でも血がつながっていることを自慢したいぐらい美しい、だいぶ年上のはとこ(再従姉妹)がいます。
小ぶりの顔に収まりきらないぐらい華やかな、大きな瞳とエクボ。子供ながらに「可愛らしいなぁ」と、彼女のくるくる変わる表情につい見入ってしまったものでした。
十代の時、湘南のマンションに遊びに行きました。
「朝、バタバタしててお化粧もしてなくて、さっき慌てて粉だけはたいたのよ」
彼女はきっとお化粧など一切しなくても綺麗なのだけど、お化粧をしたことのなかった私には、「粉をはたく」という言葉の響きにグッときました。そのせいか、お化粧をしてみようかしらという年頃になって一番ときめいたのは、口紅でもマスカラでもなくて、フェースパウダーでした。20代も30代も40代も、お化粧に興味がわくことは結局なかったけれども、フェースパウダーだけは欠かさなかったのは、美しい再従姉妹のダリアのような華やかさにあやかれるような気がしていたからかもしれません。
けれどもつい最近、吹き出物が気になってパウダーをはたいてなかった日のこと。ティーンの娘にこう言われました。
「お母さん、あのね、言いにくいんだけど、パウダー使わない方が、ほうれい線が目立たなくていいよ」
私がティーンの時にときめいたフェースパウダー。ティーンの娘にとっては、”お化粧が苦手なお母さんのちょっと残念なアイテム”の象徴なのかもしれないな……。
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