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伝統的家族観なんて바보야? 2024年版・韓ドラの家族を推す。

韓ドラで
家族の形が描かれることはよくある。

けれどもこの数年、韓ドラの家族観のアップデートが始まっているように思うのは私だけではないはず。

先日お茶をした友人との会話でこんなワードが出てきて心に残っている
「最近はひまわり学級が10クラスもあるらしいよ。本当の変わり者が誰なのか分からないよね」

そう、これからの時代は「ちょっと違う人」が当たり前であり、「ちょっと違う家族」なんて普通なのだ。


今回のテーマは
「韓ドラが映し出す家族の未来」
筆者はネタバレ万歳派なので注意。

■損するのは嫌だから
 "損嫌い"の主人公の名前は
 ソン・ヘヨン 손해 영(損害ゼロ)という意味になる。
 名前の通りの人間に育った理由は、
 両親が子どもの頃からしょっちゅう養子を迎え入れ
 実の親の愛を独り占めできずに育ち、
 損をしているという意識から。

   けれど大人になり家族を亡くした彼女の周りを囲み
 彼女を無条件に信じ続ける同居人の2人。
 ヒソンも、ジャヨンも
 偽装結婚を手伝ってくれるコンビニ店員ジウクも
 みんな両親が迎えた養子だった。

 本物の家族じゃなくとも愛を注いでくれたヘヨンの
 両親と同じように、ヘヨンに愛を注ぐ、里子たち。

 そしてヘヨンも例に漏れず
 愛を注ぐことのできる人間であった。
 
 このドラマには今、
 誰しもに見てほしいと思うポイントがある。

 まず、女性の性への奔放さを
 まったく当たり前のようにそして明るく描く。
 そして、ポリアモリーも描いた。
 これにはびっくりしたが、
 ただ、描き方にも価値観の押し付けがない。
 観てる方も、画面の中の人も、
 理解はできないけど、知ること。
 そう、これに関しては、これが、現実だとおもう。

 そして損嫌いのソンヘヨンのような
 言葉遊びも気持ちがいい。 
 偽物とはいえ、夫となるジウク。
 夫を韓国語で남편(ナンピョン)といい
 男という意味の남をとって
 편にすると、味方と言う意味になる。
 ヒソンとジャヨンは、
 彼のことを편と呼ぶことにするのだ。
 そしてジウクも、「結婚する」という言葉を使わず
 「家族ができる」と言った。
 家族とは、味方だ。
 そこに血のつながりは関係ない。
 ⦅兄弟を増やすこと、人生の味方(편)を増やすこと⦆
 
 ヘヨンの両親は、素晴らしい편をヘヨンに残した。

 ちなみに、ジウクがソンヘヨンのことを
 お客さんという意味で、
 손님(ソンニム)と呼んでいるのだが
 それも、ヘヨンの名字と重なり、
 自然と名前を呼んでいるようになっているという
 脚本の楽しさも、このドラマの注目ポイント。




■ 組み立て式家族〜僕らの恋の在処〜
   今書いてる時にまだ完結していない作品だが
 リストアップせずにはいられない。

 父と2人で暮らすジュウォンと同じアパートに
 父・母・息子の3人家族が引っ越してきた。
 奔放な性格のジュウォンはお兄ちゃんが欲しかった。
 閉ざしているように見えるその家族にも
 明るく声をかけ
 息子のサナを、オッパ(お兄さん)と慕っていた。
 
 ジュンウォンの明るさが連鎖するように
 明るさを取り戻していくサナを見て、
 ひとり悲しみの果てに取り残されるサナの母親と
 それを宥める父親。
 実はこの家族、元は4人家族で、
 親不在の家で妹が急逝。
 母親はサナが妹を殺した、
 と思い込み責任転嫁をしていた。
 ある日母親は、ジュンウォンに「欲しいならあげる」 
 と捨て台詞を吐き、サナと父親を置いて消えた。

 ジュンウォンの父はそんなサナと父親を
 食卓に招き入れるようになる。

 ジュンウォンの父が経営する
 カルグクス屋さんで働くアジュンマ(おばさん)が、
 父の再婚をすすめるように。
 お見合い相手としてやってきた母子親子
 母と息子のヘジュンの2人。
 新しい母を拒絶するジュンウォン。
 欲しかったのは兄だけで、母は必要なかった。
 父を取られる気がしたから。
 そして最初はヘジュンにも冷たく当たる。

 自分の家に地元に戻った2人だったが
 母は自分の妹にヘジュンを預け、行ってくる。
 と姿を消す。
 そしてジュウォンの父の元に一本の電話が。
 ヘジュンの暮らす妹の家を訪ね、生活ぶりを見兼ね
 ヘジュンを連れて帰ることにするジュンウォン父。

 やがてジュウォン・サナ・ヘジュンという
 3人の子供達と、2人の父親は
 日々を共に過ごし、毎日一緒にご飯を食べる
 「組み立て式家族」として年月を重ねる。

 
 この話の中で一番丁寧に描かれているのは
 食事のシーンだ。
 
 ジュウォンの父は、
 毎日心のこもった家庭料理を作り続ける。
 温かな愛を、料理に込めて、
 ただ、人生の中で偶然出会っただけの少年2人を
 立派に育て上げる。
 なんならサナの父親のことも育てる。笑
 
 ぜひ一度みて、自分がどう感じるのか
 試してみて欲しい。
 おじさん2人が、3人の子を育てる画を。
 

 突然自分の話をし始めるが
 我が家は娘2人父1人の3人家族である。
 ジュウォンと同じで母は幼少期に亡くなっている
 そして父の再婚を勧める人たちに
 母はこの世で1人だけだ!と
 大泣きしながら反対した経験もある。
  (父はその呪いのせいか、今も独身である、ごめん)  

 厨房に居る父、掃除や洗濯をする父、
 働きに出かける父。1人で2役を頑張ってくれた父。
 私にとってはそんな父が普通の景色だが
 見る人によっては特殊な家庭。
 

 だがこのドラマに出てくる人たちは
 ただごく自然に、父が2人いて、
 兄弟全員産まれたお腹が違うだけで、家族なのだ。
 

 大人になってからのストーリーは
 まだ完結していないので言及をさけるが
 
 まだまだいわゆる「普通」に
 縛られている人たちに贈りたい
 大きな愛の話だ。

 「伝統的家族観」なんて馬鹿みたい。

 同じじゃないことが当たり前の世界を
 エンタメから切り開くという意気込みも感じる2作。
 観てください。


 まだまだ作品はありますが
 また記したくなったらpart2を書きます。

 ちなみに 損するのは嫌だからは、アマプラ
 組み立て式家族は、U-NEXTで観られます。
 

 読んでいただきありがとうございました。