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今の仕事と未来の仕事を同時に行った方がいいという話
前はルービックキューブを全部揃えられたのに!ホイットニーです!
仕事には2つの種類があると思います。
今の仕事と未来の仕事。
今の仕事は、今顧客から求められている仕事で、すぐに顧客に貢献することが出来、売上にも跳ね返るので、分かりやすい特徴があります。
未来の仕事は、コントロール圏を自ら作りながら計測と改善を繰り広げて、育てていくイメージ。堅牢なサービスができる一方で、時間がかかります。
AJIMAの今の仕事はどちらかというと、顧客発信のものが多いようです。
「こういう仕事はできますか?」
と相談されるもので、相談を受けて我々は可否判断し、お仕事となります。
この仕事は満足度に直結する一方で、こちらにコントロール圏がありません。
顧客はやってもらって嬉しいのですが、相談ベースで始まることから意のままに運びたいと考えています。
受け手は顧客の意図を十分に汲み取り、適したものを提示しますが、問題はこの価値が分かりづらいことにあります。
顧客の評価と支払われた金額の整合性をどのように測ればいいか分からないのです。
例えば、サンドイッチがあったとします。
A店のサンドイッチは200円で味の評価はB。
B店のサンドイッチは1000円で味の評価はS。
このようにすると「高いから美味い」という価値が導き出されるのですが、サンドイッチという固定の基準(この場合はAのサンドイッチ)があるからです。
顧客のオーダーが、「ハムとレタスとスクラブルエッグをパンで挟んで塩とバターで味付けしたものをください」と言われたら、それの評価は、A店やB店と同じでなくなります。
オーダーはサンドイッチでありながら、別の何かに代わってしまうので、サンドイッチという基準で測れないのです。
やはり顧客の意図を汲み取って、完璧な仕事をする能力が求められます。人材育成の難易度も上がります。
もし、人材育成が上手くできない場合、この種の仕事は、簡単なオーダーしか受けられなくなります。そして他社との差別化が困難になり、コモディティ化してしまいます。
コモディティ化を避けるためには、日々のスキルアップが重要になるというのが、この仕事を請け負う会社の宿命と言えるでしょう。
AJIMAは、これに当てはまっています。現在は。
未来の仕事は、簡単に言うと商品を作って売る事に集約されます。
顧客からのオーダーに応えるのではなく、我々が作った商品を選んでもらうということです。
商品が定型化されるので、業務フローが明快になり人材育成も容易になります。
A社とB社のサンドイッチを比較して、AJIMA社は第三のポジションを取る戦略が打てるので、価値の評価もしやすくなります。
ところがこの手法の難点は、選ばれる事が簡単ではないという事です。
一度決めてしまえば、オペレーションが早い分、選ばれなかった時の損失が大きくなります。顧客のオーダーに応える事に比べて、ギャンブル要素があるのです。
しかしながら、僕はこの領域に切り込んでいかなければならないと考えています。
なぜなら、商品についてコントロールが可能になるからです。
顧客のオーダーは毎回代わってしまうので、事後対応になりがちですが、自ら商品を作るのであれば作るたびに改善が可能ですし、計測もしやすいはず。
ITは在庫を抱えずに済みますから、少し前のビジネスと比べてもかなりやりやすくなっています。
顧客のオーダー(今の仕事)と商品を作る(未来の仕事)は、対立しません。
むしろ両輪として互いを補完し合う関係にあると考えます。
例えば、顧客からのオーダーを分析し、よく見られる傾向(最大公約数)を商品に反映させれば、似たような課題を抱える顧客に選んでもらう確率が上がるといった具合です。
両方をやるのはかなりしんどいのですが、「両利きの経営」という本の中で、知の深化と知の探索はバランスを取りながら、両方やらなければならないと説いています。
この概念と同じでして、今の仕事も大切にしないと未来の種(シーズ)が生まれませんし、未来の仕事を始めないと先細りしてしまうでしょう。
未来の仕事は、頭と手に役割が分かれます。
手を育てることは簡単ですが、頭を育てることは容易ではありません。
頭が弱ければ弱いほど、ギャンブル的判断が増えてしまうので、頭を担う役割の人は日々の勉強が必要です。その点、顧客からのオーダーに応え続けてスキルを上げるのは良いことだと思います。
未来は、待つものではなくなりました。
テクノロジーがこれほど進化していて、AJIMAはそれを使う企業ですから、未来を作る側に回りたいと思います。