半夏生の夢の話
今週に入ってから気持ちがそわそわと落ち着かず、心がずしんと落ち込んでいる。でも、それがなに由来なのかがよく分からなかった。焦燥感と不安がみぞおちあたりにずっと居座っていて息苦しさがあった。
昨夜はなかなか眠ることができず、結局3時過ぎに寝付くことができた。ころころとたくさん夢を見た気がするのだけどそれらは全部忘れた。目覚める直前に見た夢だけはっきりと覚えていて、それは地震の夢だった。
遠くから地響きが聞こえたような気がして目が覚め、小さな振動から徐々に大きな揺れに変化していくのを感じ、部屋がみしみしと唸る音を聞いてこれはやばいやつかもしれないと思い、私の横ですやすやと寝ている子どもの上に覆いかぶさるところで本当に目が覚めたのだった。
いやに印象の強い夢を見てしまって、何かが起きてしまうような不安が更に膨らんでしまった。
午前中、今にも降り出しそうな空を見上げてじっとしていられなくなり散歩をすることにした。基本的には用事が無ければ外に出ないようにしているけれど、今日こんな気持ちで家の中に閉じこもっているのは危険な気がしたのだ。今すぐに家を出て近所を一周するくらいなら雨に打たれずに帰ってこれるはずだと決心して外に飛び出した。
家から300mほど歩いたあたりで小雨が降り出した。傘は持ってない。傘を持っていたところでさすほどの雨でもない。霧吹きで植物にたっぷり水をあげるような雨だった。普段なら雨に当たると残念な気分になるけど、今日は雨風に向かっていくのが心地良く、雨雲たちこめた空とは裏腹に私の気分は晴れていくようだった。
歩きながら急に分かったことがある。ここのところの私の精神的な不調は、私の心配事の当事者が私ではないことからくるものだということだ。
私は彼でも彼女でもないから、彼らの代わりにはなれない。替えがきかないことに立ち向かう人たちに対して私に何ができるのだろうか。何も無い。
毎日彼らの無事を願うことしかできない。
パンを焼くために使わせてもらいます