GW1
昨日からゴールデンウィークである。例年なら実家に行ってバーベキューをしたり4日間ほど車中泊の旅に出たりするのだけど、今年はどちらもかなわない。“いつも通り”を諦めて過ごすんじゃなくて、この状況でできる特別に面白いことを見つけてやっていきたいな。
ゴールデンウィーク1日目の昨日、夫の実家から夏みかんと野菜が届いたのでそれらを使って常備菜を仕込んだ。夏みかんは家になってるものを採ったらしく今年は(も?)豊作で欲しいだけあげると言われたが、こういう場合は欲しい個数を言わないとこちらがびっくりする量を送ってきてくれる。
うちでは分厚い柑橘の皮をむくのは夫の役割だ。私は薄皮はそのまま食べちゃう派なのだけど、彼が「この夏みかんは薄皮をむいた方が美味しいと思うから」と言って丁寧に処理してくれた。こういうところは私にまるで無いところなので、いちいち新鮮に驚きその度に尊敬している。結局朝から普通に食べるのに2つ、キャロットラペに混ぜ込む用に1つむいてくれた。よくやるな〜(ありがたい)と思った。
実は、結婚したばかりの頃こうした義実家の”なんでもお土産にもたせようとしてくれたり、物を送ってくれたりする“文化が超絶苦手だった。それが善意と分かっていても素直に受け取れない。私がこれまで歩んできた人生では、欲しがったものは与えられてきたけれどそうでないものは与えられないのが普通だった。自分が欲しいと思ったものでなくてもありがたくもらわなければならないことに慣れておらず(こうして文章にすると己の幼稚さを感じる)、なぜそのようなことになるのか混乱してしまう。
このことに限らず、私と夫とそのバックグラウンドには様々な文化的相違があることが結婚してから次々に明らかになっていった。「そだってきた環境がちがうから〜好き嫌いはい〜なめない〜」はマジだった。好き嫌いというかあらゆる価値観が根本的に違ったのだ。友人関係が長く、その間は特別な摩擦も無かったから結婚しなければこのギャップには気が付かなかったと思う。
文化や価値観の違いは同じ国の同じ県で育った我々の間にも驚くほどあった。細かく言えば言葉や食文化だって全然違う。これまで築いてきた自分の普通は他人からするとちっとも普通ではないことを身をもって経験して、人と人は分かり合おうとしなければ分かり合えるはずもないんだなということを知った。
分かり合うというのは大層なことに感じられるけど、実際は「私はこうです、あなたはそうなのね」くらいのもんだと思う。それをお互いに釣り合うバランスでできているのかに気を配っておいて、どちらかが過度に我慢したりふんぞりかえることのないように過ごすと大体のことはうまくいくっぽい。
ありがたくいただいた夏みかんと野菜がまあまあの量だったので、作った常備菜もちゃんと”常備菜“になれた。と言うのも、常備菜を常備しておけるほどの量作るのって難しくないですか?大体味見したら食べ過ぎてしまって常備するほど残らないし、何品も作らないと結局それがメインディッシュになってすぐ食べ終えてしまうことになる。だからと言ってどっさり作りすぎるとそれを消費することに追われて食事の楽しみが失われる気がするし。
今回はさっぱりとした味付けで野菜がメインなので作り過ぎて食べ過ぎたとしてもなんてことはないので(と思いたい)、たんまりと作った。人参と夏みかんのラペ、コールスロー、蒸し茄子のナンプラー浸し、焼き芋、蒸し野菜。たくさんの食材から組み合わせを想像して調理する作業は贅沢だなと思う。あと、色とりどりのタッパーで作業台が埋め尽くされるのは気持ちが良い。
ラペはシンプルに塩と白ワインビネガーとオリーブオイルで混ぜ合わせただけにしておいた。食べる時にピンクペッパーを振りかけたら色も味も良さそ〜。想像したら楽しい気分になった。
コールスローは樋口直哉さんのnoteを見ながら作った。普段レシピに忠実に料理することが無い分、こうしてレシピをなぞりながら計量をきちんとして組み立てていくのは実験のようで楽しかった。連休中で時間に余裕があるからこそこういう料理の仕方に夢中になれたのだと思う。日常的な料理って目分量でさっさと作りがちだもんな。
蒸し茄子のナンプラー浸しは、以前適当に作ったら美味しかったので今回も採用した。茄子を丸のまま蒸して手で割く。それをナンプラーと好みの酢とレモン汁に浸す。冷やして食べるのがお気に入りだ。とろりとした冷たい茄子はこれからの季節にぴったりだと思う。上に大葉を散らしたらめちゃめちゃ美味しかった、多分どんな薬味にも合うから色々試してみよう。
焼き芋は、ただ芋を洗ってそのまま天板にのせてオーブンでゆっくり焼くだけ。昨日は170度60分くらい焼いたかな。あまり高温にせずに時間をかけることが甘みを引き出す唯一のコツだと思う。
蒸し野菜は簡単で便利で大好きなので普段からよくする。毎食なんらかの蒸し野菜を食べていると言っても過言ではない。南瓜(これは自分で買ってきたやつ)と人参を蒸した。甘さと柔らかさが引き出された野菜はそのままサラダにのっけたり、後から思いつきで別のおかずを作ることもできる。とは言え、そのままサラダにすることが圧倒的に多いが。
昨日の夕食はこれらの常備菜を盛ってワンプレートにした。
私のTwitterをフォローしてくれている人は知っていると思うけど、鯖缶以外の夕食を食べたのはかなり久しぶりだ。青森サーモンのムニエル、脂のってて美味しかった…そしてムニエルを引き立てる常備菜たち…それぞれの味の個性がお互いを潰し合わない(むしろ相乗効果でより美味しさを感じられる)食事ができたときの喜びよ…!最高〜〜ありがと〜〜〜!!!!って感じ。生活に食事があって良かったなー。
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