「視覚化」に関するアレコレ

・見える化
・データビジュアライゼーション/BI
・動画コンテンツ
・わかりやすく伝える

はい。よくビジネスやら世間やらでとりだたされることが多いボキャブラリーです。

なんで物事を視覚化したがるんでしょうか。

主要な目的は「視覚情報の処理速度が、他の情報処理よりも早い/早くなりやすいから」じゃないでしょうか。

例えば、
111l111l11l11
のうち、lの数をさがすとします。
左から「えーと、1.2.3...3だな」と数えました。
111l111l11l11
単にテキストを太くするだけで、「あ、3だわ」と処理速度が上がります。

コミュニケーション全般において「シグナルを最大化し、ノイズを最小化する→情報効率を上げる」という手法が成り立つ気がしますが、視覚化もその手法の一つと考えられます。

この手法、抽象/捨象による表現プロセスと似てるなあと。
※伝えたいことを強調することは、伝えたくないことを相対的にぼかすことになるという意味で

「視覚化してわかりやすくしよう」の背景には、
・知りたくないことはめんどいから知らんでええわい
・情報多すぎて全部を処理するのなんて嫌じゃ
・で、結論は?
等々の”かったるいっす”が大いに含まれているのかなあと思うわけです。

これに関連するのが
「お前、省略した文脈のことわかってんのか?」
という表現者(話し手)の受け手に対するリテラシー要求です。

情報効率を上げるには、話し手も受け手もハイコンテクストにあればよいではないかという主張に基づく要求ですが、背景文脈や役職、それらに紐づく専門性が異なるのでコミュニケーションが上手くいかないというシーンは誰しも遭遇していることかと思います。

で、なんなの?という話ですが、
・視覚化したところで解消しない問題が多い
・受け手に一定のリテラシーがないと、特に何かがわかりやすくなるわけではない
・情報処理のプロセスを省略することで、誤解が生じかねない
ので、「見えるようにすればいいってもんじゃないな」とふと思った次第です。
受け手になることが多い方には、
「ん、これの解釈って多義的じゃね?」的なリアクションをするべき場面は結構あるから気をつけましょう(自戒)。

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