居酒屋に行くようにキャンプをする

キャンプと同じくらいに競馬も好きだから週末はキャンプには出かけず、家のTVで競馬観戦することが多い。
普段行ってるキャンプ場が過疎ってるところが多いので、引きで写真を撮ったときに他のテントや車が写り込んだり、車のドアの開閉音やグループの話し声が聴こえたり、テントの中の灯りを消してもテントを透かして明るいキャンプ場に行くくらいなら、誰もいない平日に行ったほうがずっと快適だから祝祭日の前日キャンプはほとんどしないことにしている。

だけど昨日はちょっと違った。いつも当たらない競馬が当たってしまったのだ。
京都のメインレース葵ステークスGⅢ、三連複58860円。ろくに深い予想もせず、お父ちゃんの距離適性だけで選んだ馬券が的中してしまった。
思いもかけない泡銭、これはお祝いしなくては。

久しぶりに呑みにでも行くか。16時30分に家を出た時はマジで呑みに行くつもりだった。
徒歩1分の場所に停めておく自分の車を見て気が変わった。
装備は酒も含めて全部積みっぱだし、餌さえ積めばキャンプにも行けるなー。先週使った麻婆豆腐の素も一食分積んだままだし...。
向かいのスーパーで豚小間肉と豆腐を一丁、いい天気だから冷えた缶チューハイを2本買ってキャンプ場に向かって走り出していた。

これも5.5kmの距離に無料キャンプ場があるおかげ。
どんなに混んでいたとしても100m歩くだけで誰もいない秘密の隠しサイトがあるおかげ。GWど真ん中でさえも完ソロができる秘密サイトがあるのはありがたい。

17時にはキャンプ場に到着。
土曜日ともあって芝生広場には10張りくらいのテントが建っていてソコソコ混んでいる。トイレ棟と炊事棟の新築効果はテキメンで、他県ナンバーの車も混じっていてすっかり人気キャンプ場に昇格したみたいだ。

駐車場でリュックに装備を積み替えて、にぎわう芝生広場には目もくれず隠しサイトへ向かう。やっぱり誰もいない。広場の喧騒も聞こえない完ソロサイトが佇んでいた。
一週間ぶりの隠しサイトだが草の伸びようは凄まじく、このまま放置したらテントも張れなくなりそうなのが心配だ。

使う人がいないから草が伸び放題

今回はサイトの入口近くの松の木下に設営。テントはもちろんゼロポール。リビングはBBQ用のカマドとベンチを使うことにした。だから椅子もテーブルも持ち込まない。

松ぼっくりをどけるのが面倒だった。
全部燃やしたけど。

テントを建てる前に専用水場の水を出しっぱなしにして缶チューハイを冷却する。今回の水場は中の葉っぱを取り払っても水抜けが悪い。水場の下の地面は濡れることになるが、テント場よりは低い位置だし誰もいないので構わず流しっぱにさせてもらう。川俣町さん、ありがとう。

クーラーバッグいらず

今回は初投入のギアが2つ。激安サイトのtemuから恐る恐る買ってみた1996円の夏用寝袋（メーカー不明）と2167円のエアーマット（メーカー不明）だ。
夏用寝袋は何の問題もなくファスナーが壊れたBundok寝袋に取って変わることが決まった。
エアーマットは微妙。銀マットよりもコンパクトだし、リュックの中に楽に収まるので軽装備用のセットのときには活躍してしまうつもりだったけど、寝心地は銀マットのほうがいいし、一緒に膨らむ枕の高さが合わない。いちばん心配していた使った後の収納は苦労せず付属の袋に収まった。下に銀マットを敷けば使えるけれど、それじゃあ本末転倒。眠れないほど大きな不快感はないんだけど、松ぼっくりや小枝が下にあると形状をそのまま拾ってしまう。
寝心地に柔らかさは求めない自分としては、銀マットの替わりに使うのはちょっと厳しいかも。

エアーマットは期待外れだった。

ゼロポールテントは相変わらず快適だし、今回は朝方からは過去一の風が吹いたけど、ペグとガイロープをしっかり張っておきさえすれば意外と耐風性は高いのかも知れない。
今までゼロポールを使っていて不満だったのがランタンの置き場だった。ポールがないから従来のようにポールに引っ掛けるわけにもいかず、地面やテーブル直置きでは光源が低すぎてテント内が暗い。昔買ってほとんど使うことがなくなっているランタンスタンドをポール2本だけの長さで地面に直挿ししてみたらちょうどいい。これは採用決定。

ランタンポールは採用決定。

後はいつもと同じ。麻婆豆腐をアテに酒を呑んで、テントに移動してからもラジオを聴きながら呑んで、ランタンもラジオを点けっぱなしのままいつの間にか眠って、目覚めた時はすっかり明るくなっていた。

麻婆豆腐鍋
ニラかネギを買い忘れていた。

晴れてれば定番の美日没。

おらが町の夜景が光りだす。

満月が明るすぎて星空撮影はNG。

米を固形燃料で炊いて、炊きあがるまでに昨夜の焚き火の後片付けをして、焚ききれなかった現地調達の薪を括って車に乗せて、アルストで昨夜の残りの麻婆豆腐を再沸騰させて白米にぶっかけて朝食。
インスタントコーヒーを家に忘れてしまい白湯しか飲めなかったのが残念だった。こんな時のためにスティックコーヒーを2-3本リュックに入れておこう。

風が強いので朝食はテント内調理。

テントを降ろしてリュックに詰めてロープを回収すれば撤収完了。
エイヤッとリュックを背負って寝袋とゴミ袋を片手にぶらさげながら尾根を登れば終了。

ペグを抜くと風にゆらゆら。

忘れ物なし。

家に着いてTVを点けたら「ワイドナショー」が始まったばかりの10時。
居酒屋で祝杯を上げつもりが、森の中で呑むことになり、呑んでしまったから泊まる。
「キャンプはイベントではなく散歩の延長」でありたいという理想的なキャンプだった。

さて、日本ダービー。的中した暁には、今夜も森で祝杯を上げるつもりだ。