見出し画像

2022年真夏の大冒険㉕ 博多最終日 食い倒れの日

あさイチにホテル内のコインランドリーで洗濯。部屋から洗濯室までをさすがに裸バスローブで移動はできないので「持って来てる衣服オール新品化」が出来ないのは残念。ベランダで天然乾燥も出来ないし、那覇のMr.KINJOは連泊者には理想の宿だったな。

今日は何も予定を立ててない完全オフ日だけど、明日以降が何も決まっていない。早急に決めなきゃならんのだけど、昨夜は筑豊での超満腹のまま晩飯も取らずに夜になってしまったので、けっこう空腹。プラン決めの前に、まず朝食だ。

長浜鮮魚市場な気分。でも天神からなら歩くけど、博多からはちょっと無理。
そうだ柳橋に行こう。1km近く歩くけど一本道だし。この辺の土地勘は昨年来ている経験が役立った。
住吉通りを渡辺通りにむかって散歩がてらのんびり歩く。那珂川を渡れば柳橋連合市場、場内2Fの柳橋食堂で「あら炊き定食」と瓶ビール。1Fの吉田鮮魚店で注文して2Fの食堂で食べるシステムだ。
アラ鍋は食べたいけど一人鍋では高価すぎる。でも身を取った後の頭半割ならば懐圏内(1000円)だし、枕崎のビンタ煮の記憶と食べ比べだ。

那覇の昔の農連市場もムードあったけど柳橋もいい感じ

料理が来るまで周りを見てみると海鮮丼が断然の一番人気のようだ。でもねー、海鮮丼って実際食べにくいし、味が混ざっちゃうし、皆さん本気で美味いと思ってるんだろうか?個人的に食べることはまず無い。刺身定食の方がずっと美味しいと思う。海鮮丼にしてしまえば粗も見えないし洗い物も少なくて済む、そんな店側の都合いい発想からできた料理のような気がするからだ。

博多華丸の名言に「1000円超えたらラーメンじゃないばい。鍋ばい。」がある。おっしゃる通り、まったく同意だ。ラーメンやうどんは主食ではない、あくまでも小腹をちょっと満たす主食までのつなぎ的なものだと思っている。豪華なトッピングはいらないし理想はワンコインだ。1000円を超えれば美味くて当前、当たり前のものには期待も楽しみない。不味かったら暴れたくなるだけだ。

なんてことを思ってるうちに実食。
勘違いしていた。アラ=クエだと思いこんでた。とんだ早とちりだ。正体は鯛だった。

あら炊き定食

アラとは身を切り出したあとに残る部分の意味で魚の名前ではなかった。まあ、少し考えればわかりそうなこと。クエの頭じゃ皿に乗り切らない大きさだし、半割頭を1000円で食べられるわけはない。なにより真夏は旬じゃないし、1Fの鮮魚市場でも売ってなかった。
地方によって呼び名が変わる魚の名前で勘違いするってのも旅行ならではのエピソードってことで一人笑い。

「旨い!」としか言えない。枕崎vs博多も引き分け。やっぱり決め手は九州の甘い醤油なんだろうなあ...。帰ったらAmazonで取り寄せよう。九州の醤油はペロペロ舐められる。あったか白飯に醤油を振りまいただけでも2杯はいけるんじゃないかな?
それにしても、あら炊きやビンタ煮をきれいに食べる技があるなら教えて欲しい。この日も結局は指がベトベト、ティッシュも大量消費。そんなお行儀の悪さも含めての美味しさだから改善しようとも思わないけど。

宿に戻って今日の最重要課題、明日からのことを決めよう。
なにしろ明日のことだから割高感は覚悟の上だが、ANA&JALは緊急でもなきゃ使いたくない。LCCの値段に慣れてしまうと恐れ多くて使えない。
家に帰るのならばPeachで関空乗り継ぎだが、関空便がまさかの満席。JALの仙台直行便は?59000円!論外じゃ。

ならば福岡からLCCで飛べるところは...Peachのウェブページで探していたら「新千歳」がキラッと光った。勢いだけで福岡まで来ちゃったんだから、調子に乗って北海道もアリだな。お値段は21000円。いつものLCC感覚じゃ高いけど、なにしろ直前だし、九州から北海道だし、それを考えるとやっぱりかなり安いのかも。
福岡11:25→新千歳13:55の予約完了。

好きで旅行してるとは言え、いつになったら家に帰れるのやら。真夏の大冒険すごろくも、そろそろ素直に上がりを目指す時期かも知れない。もう上がらざるを得ないように札幌3泊後にPeach新千歳13:40→仙台14:50 14000円を予約した。
ついに「完」の文字が近くに見えるようになった。王手を指されて詰む一歩手前な感じ。寂しいなー。

次は札幌の宿決め。8月の観光シーズンでもありビジホもちょっとお高めだ。
札幌には友人もいるし何度も行っているから土地勘は十分ある。そして旅の終わりにすすきのなんかに泊まろうもんなら大暴走もしかねない自分の性格も性癖も知っている。だったらまったく健全な町に泊まるほうが安心かも。
というわけで札幌から2駅離れた琴似駅近くのホテルを3泊予約した。17100円。1泊5000円縛りのルールからは外れるが、他はもっと高いんだからしょうがない。夏の観光シーズンは沖縄・九州よりも北海道の方が人気なんだろうか。
琴似は札幌からは2駅離れる住宅地、地下鉄東西線も通っていて使い勝手がいい町なのだ。

札幌の友人などへの連絡は夜にでもするとして、最後までの道筋が決まった祝いにビールで乾杯。心の中はゴールが決まったことを素直に喜べず、ふてくされ気味。昼寝で現実逃避。

目が覚めたら17時。空腹ってわけじゃないけど博多飯を食べるチャンスはあと一食、頑張れば二食。多少無理してでも二食頑張ろう。やっぱり胃袋との戦いだ。

前々から気になって気になってしょうがなかった店、ホテルからは道を渡って徒歩1分。
「こんなところで裏切り飯」という伊武雅刀主演のドラマが現在放送中だが、タイトルを見た時に、真っ先に思い出したのがこの店での食事だった。
「福岡まで来てなんでこれ食ってるんだろう?」「これって博多飯?」と思って食べていた。
声を大きくして言いましょう。あれは立派な博多飯です。博多のあのお店でしか食べられません。あれを食べるためだけに博多に来るのはいかがなものかと思いますが、博多に来たなら足を運ぶべきです。少なくとも博多の土産話にはなります。
そのお店の名は『アジフライセンターおむこさん』

この看板が気になってしょうがなかった

ブルーメタリックな魚は潜って見るのも食べるのも大好物。中でもガーラ系には目がない。回る寿司屋さんではアジ・サンマ・イワシが大好きな安上がりタイプ。大衆食堂や街道沿いのドライブインでの食事はアジフライを注文することが多い。そんな身近な、日本全国どこででも食べられる料理の専門店。呆れたと言うか大胆不敵と言うか、興味しかなかった。

17時からの夜の部に入店。昼のランチタイムは限定数量を売り切れば終了らしい。人気店で要予約らしいが一人ならば大丈夫、カウンターに座って早速アジフライと生ビール。

アジフライ


アジがでかい。厚みたっぷりでふかふか。今まで見たことがないアジフライ。
サクッと歯を立てるとフワッと口の中に広がる食感は初体験。研究を重ねた結果なんだろうと思う。この揚げ方はすごいと思う。

残念なのは自分のバカ舌。いちばん食べ慣れている近所のスーパーの1枚50円のアジフライよりも大きくて分厚いのは一目瞭然だし、味だって揚げたてで遥かに旨い。だけど対馬産のアジと言われても、肉厚さは違うけど、味そのものの違いはそれほど無いっていうか、わからない。
自称グルメが格付けチェックで目隠しされても、肉質の厚さでしか判断できないんじゃないかな?
口コミサイトでも「衣がサックサク中身はふんわりでホックホク」の評価は多いけど、それって食感だけの感想で味の評価はどーなの?と逆に聞きたい。結局はグルメのフリしてるけど、じつはバカ舌な人のほうが多いのかも。
ごまサバのアジバージョンのゴマアジは旨かった。
次回もまた来るか?昼に行列しても食べるか?と問われたら、、、悩むところだ。

一旦部屋に戻ってシャワーを浴びてストレッチして消化を促進。
もうひと勝負だ。
「海鮮屋はじめの一歩 博多本店」ここもホテルから徒歩1分、そして要予約。予約なしだけど一人だし...ダメだったら戻ってくればいいだけのこと。
すんなりんで入店OKで座敷席へ。
この店に行きたかったわけは店のウェブページのトップ写真。これを見せられたら...初めて食べるゴマサバはこの店と決めていた。
メニューを見ると「ゴマサバはお二人様から」と書いてある。
決め事ならばしょうがない。ゴマサバ二人前、くじらユッケ、イカ明太の3品と生ビール

このページにまんまとやられた

サバを生で食べられる理由だけで福岡に住みたくなる。
初めて食べたゴマサバは漬けっぽい感じ。実際は漬けているんじゃなくて和えているだけだ。その汁がサバの生臭さを消すための汁ではなく、サバらしさ(良くも悪くも、新鮮ということは魚臭いということ)を引き立てよう、サバと共存しようという汁なので予想を大きく外した。漬け汁ってものは「より強力なもので覆ってマイナスな点を誤魔化そう」的な役目だと思っていた。目から鱗だった。二人前あるので食べごたえも十分。旨かったー。

ゴマサバ2人前

くじらユッケとイカ明太は安定の味。
ユッケ+卵黄の組み合わせはベストフレンド。ユッケがなかなか食べられなくなった昨今、メニューで提供されている時は牛だろうがクジラだろうが必ず頼むことにしている。
イカ+明太も相性抜群。2杯めのビールを待つ間の箸休めには最適だった。

くじらユッケ
イカ明太

程よく酔っ払って気分はいいのだが、なにせ胃袋の方が白旗状態。自分の内臓なのに意のままにならないジレンマに苦しんだ。
部屋に戻ってバスタブに湯を張る。ぬるめの湯に浸りながら今日の食べた物のことを反芻するのがまた楽しい。
博多最終日終了。

いいなと思ったら応援しよう!