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2022年真夏の大冒険㉗ 札幌2日目 マイナーな札幌市内観光

札幌2日目は、ホテルまで迎えに来てくれた札幌住みの友人の車で市内観光。
夜にはビール園を予約してあるらしい。「どこに行く?どこでも運転するよ。」と言われたが、そう言われたところで絶対に行きたいところもない。あえて探すならば、名前は知らないけれどJRタワーから遠くに見える赤茶けた塔かな。
「どこだろう?」だったら「見晴らしの良いところ」と大雑把にリクエスト。コースはすべて友人にお任せだ。

最初に行ったのは大倉山ジャンプ競技場。
確かに、ジャンプ台なら展望は抜群だろう。60歳を超えたじーさん二人がペアシートのリフトでスタート地点まで揺れて登っている様は奇妙に見えるだろうが、人の目を気にするのをとうに忘れた年齢だし、無邪気に喜びながらスタート地点に到着。
それにしてもいい眺め。札幌のビル街めがけて飛び出していく選手たちはさぞかし気持ちいいんだろうな。晴れててすごく気持ちがいい。でも、まったく人がおらん。コロナ禍+ド平日だし、こんなものなのかも。沙羅ちゃんの写真も撮れて大満足。

リフトに乗ってスタート地点へ
私は鳥だ な気分
高梨沙羅ちゃん

次のポイントは幌見峠ラベンダー園。
観光案内には「幌見峠はその名の通り、札幌を一望できる観光名所。満開のラベンダー越しに夜景を眺めることもできます。」とあって期待は十分。
入場料を払って園内に入るが肝心のラベンダーが、咲き終えてしまったのか、まるで伸びた草原。こんなんだったら「入場ゲートの前に開花状況の看板を設置しろよ。」と、ひとしきり悪態をついて早々に退散。
咲いてないラベンダー畑は見所がまるでない。葉桜のほうがまだマシかも。

ラベンダー畑のはず…
咲いていればこんな景色になるらしい

次は旭山記念公園。
大倉山同様、街が眼下に広がるビューポイントだ。大倉山よりもずっと街に近く住宅地も間近にあるし、近所に住む人は徒歩で行き来ができるので観光展望台と言うよりは見晴らしの良い近所の公園っぽい生活感もある。公園で遊ぶ子どもたちの姿も見える。

旭山記念公園

友人ガイドによれば、この旭山地区は財を成した札幌の成功者たちが好んで住む地区らしい。言われてみればモデルハウスのような立派な家ばかり建ち並んでいる。
成功者ともなれば、高いところ眺めの良いところに居を構えたくなるのは自然なことなんだろう。
沖縄の城(ぐすく)も皆、抜群の見晴らしを持つ場所建っている。城の攻守の都合だけでなく「見下ろす」「支配している」優越感は押さえきれないんだろうな。平坦な場所で同じ思いを遂げるならばタワマン最上階ということになる。
先祖代々盆地の底にへばりついている我が家は...考えるのはやめよう。

窓を開ければ毎日こんな景色
住めるもんなら住みたいよ

昼食タイムは、名店の法則通り「繁盛しているローカルなチェーン店」のさんぱち。友人ガイドが営業職だった当時よく通っていたラーメン屋らしい。
醤油ラーメンを注文。いつも食べ慣れている地元のチェーン店幸楽苑の中華そばと比べると、同じ醤油ラーメンとは思えないほど濃い。まるでソース。
でも思ったほどしょっぱくもなく、麺も程よい太麺で食べごたえあり。労働者向きのラーメンで個人的には好きな部類だが、女性やイマドキのお兄ちゃんはちょっと引くかも。レジでおまけのアイスキャンディーをもらって舐めながら車に戻った。
「すっごく値上げしててびっくりした。」と友人は驚いていたが、確かに強気すぎる値段設定だ。900円。華丸の「1000円超えたらラーメンじゃないばい。鍋ばい。」鍋一歩手前は厳しい。それにしても、ワンコインで食えるラーメン屋は無くなっちゃったんだろうか。

さんぱちラーメン
醤油ラーメン

ラーメンで腹を満たしたじーさん二人は、ついに観光地らしい観光地、おなじみ羊ケ丘展望台へやって来た。ここはさすがに人が多い。大型観光バスも数台停まっている。
街を見下ろす高台に建つクラークさんとツーショット写真を撮るための行列ができているのが面白かった。順番が来ると皆クラークさんポーズを取る。
コロナ禍平日なので行列は短かったが、ピークの時は果てしなく並ぶんだろうな。

お決まりのポーズ
順番待ち
個人的にはこの絵面が気に入った
浜口庫之助&石原裕次郎 witth クラーク

「きっとあそこかも知れない」友人が「赤茶けた塔」に心当たりがあるようだ。
しばらして公園に近づくと遠目からでも空に伸びてすっくと建つ「赤茶けた塔」が見えてきた。「そう、これこれ。間違いない。」
とてつもなくだだっ広い野幌森林公園に建つ「100年記念塔」が彼の名前だった。
北海道命名100年の年に建てられた高さ100Mの塔で総工費の半分は道民の寄付で賄われたという。塗装されてない生の鉄鋼板で建てられているために錆びて赤茶けたわけである。
ところが近づいていくと立入禁止のロープが張ってある。
腐食と老朽化が進み外壁が剥がれ落ちる事故も起きて「安全性や将来負担の観点から解体もやむを得ないと判断」し解体が決定したようである。
行った時には、まだ解体の準備段階だったのか、作業は行われていなかった。すっくとそびえる全容は見れたけど、当然展望台には登れない。いやー、登ってみたかったなー。
でも解体前の勇姿はしっかりと心のメモリーに刻んだし良しとしよう。
間に合ってよかった。


在りし日の100年記念塔

その後としては、「解体工事の進んでおりました、北海道百年記念塔ですが、2023年8月2日に塔体が完全に解体されました。 建設されてから52年間、北海道の発展を見守ってきた百年記念塔が無くなってしまったことが本当に残念で、無念でなりません。」とのことで、今は跡形もなくなっているらしい。

陽も傾いてきたので今日の最終目的地、サッポロビール園へ急ぐ。
ベタだけど札幌に来たらやっぱりビール園に行かなきゃ。じつは地元にもサッポロのビール工場があってビール園も併営されているのだが、飲み食いだけに建てられた施設で本家のような博物館もなければ歴史もない。それに本家に来る時はいつも友人知人の運転だから思う存分飲める。
ちょっと早めに着いたので博物館に行ってみる。
ちょうど歴代のポスター展が開催されていた。あーこんなのもあったな、この人もCMやってたっけ、色んな思いが沸いてきたが、〆はやっぱり「男は黙ってサッポロビール」の世界の三船。彼には誰もかなわない。

ビール園博物館
男は黙って

それからは飲んで食ってまた飲んで、旧交を温め懐かし話に花が咲く。俺だけが酔っ払ってホテルまで送ってもらって解散というわけだ。

自分でルートを組んで動くのもいいけど、地元に詳しい人に「眺めがいいとこ」のリクエストだけ出してお任せにするのもいいもんだ。
ありきたりな有名ポイントじゃなく地元ならではの場所を巡ってもらえたのはすごく嬉しかった。
無駄な時間が一切ない楽しい一日だった。
ぬるめの湯に浸かって鮭トバをしゃぶりながら一日を反芻して、札幌2日目無事終了。

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