ウェルビーイングハッカソン2024レポート
2018年から開催している「わたしたちのウェルビーイングのためのハッカソン」。
これまで沢山の方にご参加いただき、その度に内容をブラッシュアップしてきました。一貫しているのは「わたしたちのウェルビーイング」に資するプロトタイプをエンジニアと一緒に2泊3日で作り上げること。
新たなチャレンジ
今回は、朝日放送テレビ(株)が、(株)電通のビジネストランスフォーメーション局と取り組む新規事業創造プロジェクトの中で、「顧客理解」と「顧客の幸せに資する新規事業とは何か」というパートに、会津の暮らし研究室が協力する形で、いわば企業1社向けの開催となりました。
そのため今回は、会津開催の1ヶ月半前から、第一線でウェルビーイングの研究・活動をされている橋田朋子さん(早稲田大学)、ドミニク・チェンさん(早稲田大学)、南雲岳彦さん(スマートシティ・インスティテュート)をはじめ、太田直樹さん(New Stories)、藤井靖史さん(西会津町CDO)、そしてピーター・ユリウスさん(Public Intelligence)にインプットセッションをお願いしました。そして太田直樹さん、藤井靖史さん、ピーター・ユリウスさんには、ハッカソン現地でもアドホックメンタリング(通称:うろうろするメンター)をしていただきました。
今回は「リアルに収益を上げる新しい事業を作る」目的がはっきりしているチームばかりの編成。この先、この場でできたプロトタイプを持ち帰って、さらに練り上げていく人たちです。わざわざ東京・大阪から来ていただいたチームに、会津で提供できる価値とは何か。
・いつもと違う場所で混ざり合う
・普段話さない属性の人と対話する
・テーマである3つのゆ「ゆらぎ・ゆだね・ゆとり」に何度でも立ち返る
これを2泊3日で体感するために、チーム・メンター・運営みんなで走りきりました。
なぜ会津なのか?
会津の暮らし研究室では、さまざまな地域のプレイヤーと日々コミュニケーションしています。ここは日本の未来の縮図とも言える中山間地域。人口減の厳しい現実の中、地域で頑張っている人たちがすぐ近くにいます。つまり一歩外に出ればすぐフィールドワークできる、話したい人と「じゃあちょっと話してみよう」の場があります。
なぜエンジニアと作るのか?
「モノをつくる喜び」。これを知っている代表はエンジニアです。特に近くの会津大学には、すでに世界と切磋琢磨している学生が多くいます。エンジニアは納得できる要件定義がないと手は動かせない。彼らと「ウェルビーイング」なモノをつくることは、プロトタイプが光った時の、動いた時の「喜び」を分かち合う=チームの凝集性につながります。
実施した会場「AIOIΔ」
元は漆職人や家族が一緒に住んでいた古民家をリノベーションした施設。「暮らし」と近い場所なので、家にいる感覚で寝食共にできるのが特徴です。
そして本流のハッカソンとは違う地域の人たちも自由に、流動的にAIOIΔを使います。
台所から見える景色レポ
私たちのウェルビーイング
ハッカソンの間、日本語がわからないピーターさんにこの場をずっと観察していただきました。「今までで一番難しいミッションだった」というコメントとともに「ヒュッゲ(居心地がいい空間)でハッカソンとは、実にユニーク!」と全てのチームの軌跡を丁寧にレビューしていただきました。
「次につながる結果を出さなきゃいけない」というプレッシャーを背負っているチームの皆さんと、3日間走り続けて何が残っているか。一言でいうと「ウェルビーイング」という共通言語が増えた、というシンプルですが大切な「体感」です。また普段とは違うギアで走りぬいた先には、まさに「収穫祭」をやりきったチームの笑顔がありました。
もしかしてこれリビングラボ?
昔の暮らしが息づく施設がリビングラボになる。
地域、若者、外からも人が出入りしながら「リビング」を再定義して、ラボの活動は続きます。
参加した皆さんからは、あたたかいコメントが沢山届いています。私たちも会津でできる(もしくは飛び出してやってみる)持続的なプログラムとは?をこれからも考えていきたいと思います。
皆さん、東京・大阪・デンマークからありがとうございました!