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あじさいが、幸せスイッチになった日のこと。

思い出したかのように、好きな花の話をしよう。

あじさいが、好きだ。

これまでの人生において、花を好きになったことはない。
チューリップとひまわり、それとアサガオくらいしか判別できない。(母をはじめとするオトナがなぜガーデニングにハマるのかは未だに理解ができない。)

梅雨の季節がやってきた。

そもそも雨が降ったり、止んだり、ジメジメしたりのいやな6月。
ぼくは仕事のことでやけに気持ちが落ち込んでいた。
ただ、4月から平日の日課となった、娘の保育園送り業務は、たとえ会社を休んだとしてもなくなることはない。

そんなある日のこと。

保育園への送りをする中で、あじさいを見つけた娘は、指をさして「あじ〜」と言うのに気づいた。
どうやら妻が保育園からの帰り道、あじさいを見せては「ほら、あじさいだよ」とその都度、教えていたのだった。
その「あじ〜」は魔法の言葉で、その日を境に毎朝の送りが楽しくなり、時間とのたたかいだと言うのに、途中で寄り道してあじさいを見せては「あじ〜」を発動し、朝からほっこり気分を味わっていた。

すると不思議なことに、
娘と一緒であっても、なくても、
あじさいを見るだけで、なんだか温かいようなほっこりした気持ちになることに気がついた。

梅雨の季節、道端に咲くあじさいをゆっくり眺めると、条件反射的に娘の笑顔とか、あじ〜が浮かんできて、自分は気持ちがすーっとする。それ以来、あじさいは、ぼくにとっての「幸せスイッチ」になった。

来年もまた、6月が来るのが楽しみだ。


ぼくも誰かの応援をしようと思います!