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「語りえぬもの」は、かく語りき。
数年ぶりに、「演劇」ってやつを観てきたよ。
10/9(祝)の夕刻、クマ財団の学生クリエイター、黒木洋平氏の作品を観るべく、我が古巣早稲田へ。
その日は、個人的な八戸遠征からの帰り道。朝イチの新幹線はやぶさに乗り、一路東京の我が家へ。週末金曜に八戸市内でのイベント出演があったため、それに合わせた「お腹いっぱい胸いっぱいツアー@八戸」をしてきたのだった。
それについてはまた詳述する。
興味を持たせてもらえなかった、学生時代。
公演の場所は、早稲田小劇場どらま館。
アレ?
こんなにおしゃれな劇場あったっけ?
が、最初の印象。
どうやら数年前に全面的に改修したとのこと。
どうりで、早稲田の学生街に不釣り合いな洗練さ。まずは、そこでびっくり。
さて、肝心の中身なんだが、
そもそも演劇ってやつは、僕はほとんど観たことがない。
理由はある。
単に、観に行く理由がなかったからだ。
ご縁が全くなかったわけだ。
大学時代は、自身が男声合唱グリークラブに打ち込んでいたこともあって、どちらかというと“向こう側”の立場だった。
演奏会を組み立て、集客をし、プログラムが当日滞りなく進むように事前の準備を整える。
ステージマネージャーや、六大学連盟の理事もやっていたからそれなりに頑張っていたんだと思う。
だから、学生時代に他のサークルや団体の活動を観に行く物理的な時間を作ることはなかったし、興味がなかった。正確に言えば、“興味をもたせてくれるきっかけ”がなかったのだった。
黒木洋平の挑戦「演劇2.0」
どこからどこまでが「1.0」だったのかはわからないのだけれど、今回観た、「語りえぬもの」で、久しぶりに体感した時間は、僕の中ではとてつもなく新鮮だった。
冒頭の数分で、観客は違和感を覚える。
会話してないからだ。
全員が“心の声”を演じている。
体の表現がそれを言い表している。
旦那の浮気があるとかないとか、実際によくありそうな夫婦の見えない会話。
そこに交わってくる、第3者。
小気味の良いリリックが、キックザカンクルー好きな僕には心地よい。
そして突然、巻き戻されたように2度目が始まる。
若干ではあるが、語りえないものが全部表出していた1回目と比べると、多少“心側”に寄っている気がする。動きが少しなめらか。
このあたりで、この演劇の意図するところに気づく。
そして、3回目。
回を重ねるごとに役者の大げさな“心側”の動きが少なく、語ることばには、抑揚がなくなっていく。
“語りえぬもの”が、身体の表現で表出される。という、おもしろみ。
(演劇には、多少なりにもソレはあるのだろうが、なにぶん初心者なもので。。)
そして劇中に度々でてくる、夫の帰りを待つ妻が、料理は苦手といいつつも焼いている「鳥もも肉」。
終演後はきっと、10人に2人くらいの割合で、「鳥もも肉」食べたくなる。
それにはうってつけな安めの居酒屋が我が早稲田にはたくさんある。
ちなみにぼくもご多分にもれず、たくさんの魅惑的なラーメン屋を見送り、高田馬場まで歩いた結果、クミンの効いた、もも肉の煮込みを食べました。
お腹いっぱい、胸いっぱいの趣味の連休、これにておしまい!
また、一つ趣味が増えたような気がするなあ。。。
<鳥もも肉を食べたお店:地球を旅するCAFE>
東京都新宿区高田馬場2-12-5
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