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アンリマユ・フロム・ノーティス

 わたしに、連絡を、するでない。

 "人間が幸せになるときはわりと定型的で、人間が無理になったときにどう無理になるかは個性ゆたかである、ゆえに興味ぶかいので人間はしなずに無理になり続けろ、俺のために"

 ──というのが人間性を持たずに生まれ人間性を後付けで獲得し、本来なら親しい友人間でないと働かないような働きが袖振り合っただけの他人にできてしまうことで人間離れして結局、妖怪じみた人間になっている者の言である。あなおそろしや。

 わたしが無理になったときは連絡が何より無理になる。Don't touch me!! という名言の主の属性を思えばそれはわたしにありうべからざる悲劇である。ただでさえ死中に活を見出さないとシチューのカツになるというのに(おなかすいた)、男子劣化社会だのメス堕ち男子だの草うめぇだの散々な言われようなわたしたち(最後は自らゆってた)。しかしそれらの比喩表現は事実が含まれており否定しがたい。

 無理になる前にメンタルへ!(暗黒微笑)(邪悪風刺)(専門家漫画)とは言うが、しかしメンタルにかかると言ったら心の風邪を主として想起するものだ。「えっと……わたし……実は夜な夜な復讐をしてしまうんです……!!」とかいうひと、メンタルが弱っているとは言いがたい。

 弱っているのではなくてバグっている。しかしてクリニックへ行くのではなくてガチの方にお世話にならなければならない。すると、わたしはガチ寄りのナシということになる。無理なときに連絡をしたら「……すぞ」と思う方なので。したくないから連絡するなっていうか連絡を絶つので。

 エネルギー切れになると、もうわたし終わってもいっか~みたいな無害な終わり方に歩み寄るのはある。しかしメンタルへ行く方のひとは攻撃されたら終わってもいっか~となるとされる。攻撃されたら「……すぞ」とはならない。それはヤバいほう。ヤバくなってないだけで。潜在ヤバみ勢。

 人生の敗因は容量メモリのムダ使い❤ ではなくてたんなる容量メモリ不足♤ とも思わなくもない。しかしそれは最大容量不足なのか、普段からムダ使いしているから足りなくなるだけなのか。

 ステータス・オープン!!

 は、しないので分からない。ともあれ世間的にもっともだいじなのは連絡なのであるが、その連絡がもっとも先に無理になる。それでさえ「……すぞ」をするよりしないために、遅まきながら練達のすえにトロッコのポイントを切り替えてのことなのだ。無常である。

 肉体的頭脳労働の限界を知って、いま精神的頭脳労働の限界を知った。動かしているのが頭であれ体であれ、動かなくなったら動かなくなる。それが限界である。ゆえにこれまであった「無理になって寝落ちする」パターンは意外と「身体」を使えていたのだろう。今はただただ頭を「仕事そっち」に動かせない、という感じの無理になる。その限界はちょっと早い。

 頭と体でやっていたことを、頭だけでやったら大変だ。

 もともと頭も体も動かすのはすきだ。ただ頭だけ動かすのは苦手であった可能性が高い。じっとしているのは苦手だ。とりあえず一手指してから二手目を考える。そういうタイプ。座り続けるためには体を動かし続けていればいい。考え続けるためには「身体」を動かせばいい。そういう無意識的ハックで座学を成り立たせていたという見方ができる。

 思い返せば会話も文章も計算も得意だ。
 論文は苦手で小論文が得意だ。
 検算は苦手で概算が得意だ。
 物語を詰めるのは苦手で紡ぐのが得意だ。

 言うなれば動的思考と静的思考のちがい。
 あまりに遅かった気づきか勘違いか。

 得手不得手を説明する既存概念の枠組みよ。
 おまえらの言語表現可能範囲はカス過ぎる。

 長考適性が思いのほかない──というか普通は長考で解決することを長考という手段を象らずに長考してなんとかしちゃっていた。だから長考適性がないことをわかってなかった。だから君の敗因はやはり容量メモリのムダ使い❤ なのだ。普通にやるをやれてなかったらコスパは悪い。

 やはり戦い方を変えねばならないのだろう。客観的な普通にやるをやれないなら主観的な普通にやるをやるしかない。第一に無理にならないこと。思った以上に労働形態が変わると無理のラインが変わる。シンプルに戦え。できれば連絡を絶たずに連絡をしておきたいが……。

 しかし優れた管理者は即レスが最適行動であると最適化されていく。そして高速ラリーを続けた場合、必ず実行タスクを抱えている方が負ける。「言わなければ分からない」とまあ、どれだけきれいごとを言おうとも、そしてその本人がそう思っていればこそ始末に負えないが「言っても分からない」ポイントが見えていれば言っても無駄である。

 だから究極的には連絡する意味が消え失せる。
 以心伝心。分かってないのはおまえだけ。

 そうではないがそうするしかない。
 そうしないようにするしかない。

 実行やるしかない。

 人間をやってはいけないので仕事をやるべきであるし、だから連絡のコストカットをやるしかないわけであったが、さりとてフィールドがよくないから容量メモリのムダ使い❤ になっているので。このジレンマをなんとかせねば明日はない。いや、いつも来週くらいまでの明日はある。

 やはりこう、自分のスキルを逆解析して言語化して用法容量を理解わかり直した方がいいのかもしれない。どれだけ遅くても、いまがいちばん早い。「……すぞ」をしないためにするぞ。

 ハンターハンター連載再開の祝賀ムードの中、全巻買いして読み直してみて、なるほどこれは「こだわり系」のひとがすきになるのも天高くわかりみ肥ゆる秋深し、となった今日この頃。

 己の中にひそむ、この世全ての悪と対峙したく襟をただす次第である。わたしのなかの安理魔由。最大最凶のまゆゆちゃん。受けて勃とう♢ なかよく脳汁過剰分泌オーバードーズしようじゃないか♧

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aizuk
われわれが深淵を覗くとき、深淵もまたわれわれを覗いているのだ……