2週間の自主隔離 -東京観察-
訪れてくださり、ありがとうございます。本記事は、米国オレゴン州・ワシントン州を中心に毎月発行されている日系紙「ゆうやけ新聞」に連載中のコラム『第8スタジオ』からの転載(加筆含む)です。本記事は250円の入場料をいただきます(場合によって変動しますのでご了承ください)。定期購読のマガジンは1000円です。
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お元気でお過ごしですか? 私はコロナ禍のなかさまざま考えましたが、この夏もいつもと同じように日本に帰ろうと決心し、子供を連れて飛行機に乗り(入国のための大量の書類とともに)、現在東京で自主隔離中です。
この記事は6月25日に書きました。
我慢の10日間が過ぎ、あと数日でやっと国内線に乗り、故郷福岡に帰れるはずです(海外からの入国は、到着日翌日を1日目として2週間すべての公共交通機関を使ってはいけないため)。
いつもは子供の一時就学のことが念頭にあり、また両親のもとに一刻も早くたどり着きたい気持ちがあり、東京はさらーっと通り過ぎる点でしかなかったのですが、今回は違います。東京に2週間!
かつて東京の大学に通い、東京の会社で12年働き、ワーママをしていたので、この場所は私にとって知らない街ではありません。が、目的もなく観察する場所として存在していたことはなく、今回はまったく違った時間が流れているのです。
梅雨。
私は滞在先からしとしとと降り止むことのない雨を眺めています。
雨音に耳を澄ませています。
ロサンゼルスではこんなことはありません。雨などめったに降らないのですから。
洗濯物が乾かず、傘をささない人を探す方が難しく、濡れることが嫌な気持ちなんて、ここ数年まるっきり忘れて暮らしていたのに、もうその気持ちに絡めとられている。たった数日で、私の体は、脳は、ロサンゼルス基準から東京基準にシフトしている。
いつの間に?
食材の買い出しと散歩は許されているため、時たま外に出かけますが、傘を持たないまま行き、そこで雨に降られるとため息をついている自分がいる。
あれ、ロサンゼルスではそんなことなどなかったのに。
そうだ、私は東京の感覚に覆われ始めているんだと思いました。かつて住んでいたことのある場所というのは馴染みが早いものですしね。。。
2週間の滞在は、2箇所に分けました(途中の移動はレンタカーで)。
前半は渋谷に住んでいる兄宅に居候。後半は浅草のコロナ隔離OKのAirbnbを借りて。
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