キティ・ホーク(25日目)
アメリカ横断旅行25日目。
宿泊しているモーテルを出て3時間ほど走り、本日の目的地:ノースカロライナ州のキティ・ホークへ。
大西洋に面した海辺の街。別荘風のカラフルな建物が並ぶ。きっと東海岸のお金持ちの夏のリゾート地なのだろう。
まずは腹ごしらえと、海辺のシーサイドレストランでランチ。
”MULLIGAN'S GLILL”というオーナーのこだわりを感じるレストランはショップのロゴ入りTシャツなどグッズも販売されている。会話好きの人懐っこいオーナー?オーナー婦人?に、日本から来て家族でアメリカ横断旅行をしていると伝えると、子供たちにロゴ入りのフリスビーをお土産にいただく。
地元で採れたのであろう新鮮野菜とシーフードのお料理もどれもこだわりを感じて美味しかった。
その後、1903年に人類史上初の動力飛行に成功したライト兄弟メモリアルビジターセンターへ。
”Impossible Possible”
オハイオ州で自転車屋さんを営んでいたライト兄弟。実際はこの2人以外にお兄さんが2人。妹が1人いたよう。
2人の兄弟は空を飛ぶことに憧れ、このキテイ・ホークが飛行機を飛ばすのに適した風が吹く場所だと移り住み、実験を繰り返した。
そんな2人の生い立ちと実際に初の動力飛行に成功した飛行機のレプリカの展示などを見ることができる。
ビジターセンターを出ると、ライト兄弟が確かにこの場所に存在し、この場所で何度も飛行を試みていたであろう軌跡が残っている。まるでそこに風に向かって走り出す2人の幻像が見えるかのようだった。
広い大地の先には”Big Kill Devil Hill"と記載のある丘が。
”Kill Devil Hill”とはラム酒が悪魔を殺すほどの強い酒。というところから由来しているらしく、ラム酒の輸送船舶が難破した際に、この砂丘の裏にラム酒を隠したとか。
恐ろしい名前の丘を走って登ると、小高い丘の上から、大西洋や小さな町がよく見えた。下で吹いている風より強く、親は寒く、子供たちはなんでか喜んでいた。
丘を下りながら、この施設の隣にある飛行場から小さな飛行機が飛び立つ様子を見た。
ライト兄弟が4年間もの長い間、この地で何度も挫折を繰り返しながらも飛行にチャレンジし、初の動力飛行を成功させ、今の飛行機の礎を築いたのかと思うと感慨深かった。
不可能を可能にする。夢を追いかけることの大切さ。
そんな言葉を航空宇宙学科出身の夫が子供たちに熱く語っていた。
*発明家として成功したライト兄弟だが、その一方で世界の航空機産業の発展、ひいては過去の大戦を引き起こすきっかけになったとも言われているよう。ライト兄弟はライト社という会社を立ち上げているが、お兄さんがチフスで早世したのちは、その会社を売却し、ロッキード事件で日本でも一躍有名になったなアメリカの大手軍需企業であるロッキード・マーチン社へとつながっている。
陽が沈みかけてきたので施設をあとにし、車で東海岸をさらに北上。
1時間半ほど走り、いつものようにハイウェイ沿いのモーテルへ宿泊。
娘の記録によると夜は宿泊したチェサピークのデニーズで夕ご飯を食べたらしい。
娘の書き記したアメリカ横断日記を今改めて読み直すと、とても細かく地名や走った距離、行った場所などがかかれている。食にこだわりがある彼女らしく、毎日の食事が美味しかったか、不味かったかまで記載があるのが面白い。