
北海道・道東の旅2021 7日目
起きると、昨晩の雨はやんでいたが厚い雲に覆われたどんよりとした朝。
昨晩、焚火でマシュマロ焼きをするんだと張り切っていた子どもたちは雨で焚き火ができず、朝食後にコンロでマシュマロ焼いていた・・・
そこまでしてマシュマロ焼きたいのか・・・
キャンプ場を後にし、摩周湖を目指して北上。
途中、道東一の天然温泉と言われる温泉があるとのことで立ち寄る。
その名も”味幸園”。
まるで中華料理屋のような名前に、施設の入口は民家ですか?ってほど普通。
ただ営業中と張り紙があったので、恐る恐る人気のいない入口を入るとしっかり男女の暖簾があり、温泉施設であることがわかる。
個人営業の銭湯といった雰囲気で、暖簾をくぐるとシンプルな脱衣所に
2つの湯船があるだけ。
温泉はうすい茶褐色でヌルヌルした泉質。なんでもモール泉と呼ばれる北海道で発見された自然由来の有機物が多く含まれているアルカリ性の温泉なんだとか。
窓から見える景色もなく、けっしてきれいとは言えないお風呂であったが、昨年訪れたアトピー性皮膚炎に効く豊富温泉が思い出され、効果があるような気分になる。
別名美人の湯とも呼ばれ、お肌ツルツルになると口コミにあったので、顔にもヌリヌリしたらなんだか気分まで良くなった。
その後、摩周湖に到着するもあたりは霧で覆われていて何も見えない。
それもそのはず、摩周湖は年間100日以上霧に覆われ、別名”霧の摩周湖”と呼ばれている湖なのだ。
展望台のあるレストハウスで昼食を取りながら、霧が晴れるのを待っていたが、待てども晴れる気配はない。
残念ながら日本一の透明度といわれる摩周湖ブルーを見ることなく、霧に覆われた山を下りる。
摩周湖ブルーの代わりに”神の子池”と呼ばれるエメラルドグリーンの池を見に行った。
たしかに、池の底の倒木がはっきりと見えるほど透き通った美しい池だった。しかし、あまりにも小さなその池だけが山奥にポツンとあるだけで、これだけのためにかなり細い山道を車で下っていく価値があるかは判断が難しいところである。
そこから屈斜路湖畔のキャンプ場へ。
当初はRECAMP砂場というキャンプ場へ宿泊予定であったが、キャンプ場のわりには価格が高いうえ、車をキャンプサイトに横付けできないとのことで、10分ほど車で走った屈斜路湖にせり出た和琴半島に面した”和琴湖畔キャンプフィールド”へ。
こちらのキャンプ場も湖畔沿いにキャンプサイトが並んでいるため、車の乗り入れが禁止されていたが、受付隣に車を駐車させてもらい、湖畔のサイトを1区画借りて、そこで焚き火をして机を並べて夕ご飯を食べることにした。
車からサイトまでリヤカーを貸していただき、荷物を一気に運ぶことができて便利ではあったし、翌朝まで荷物をその湖畔のサイトにおいて置けたのも良かった。
この日は16時くらいにはキャンプ場に入っていたため、湖畔でのんびり火を焚きながらゆっくりできた。
この静かな屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で摩周湖よりかなり大きい。また、火山地帯でもあるため、湖底から温泉が湧き出ており、この和琴半島のキャンプ場の隣にも天然の露天風呂があった。
露天風呂は一見すると池と見まごうような野営温泉であったため、女性ならば水着を着用しないとなかなか入るのは勇気がいるかもしれない。
男性は気持ちよさそうに目の前の湖を眺めながら野趣あふれる温泉を楽しんでいた。
うっすらと夕闇に染まっていく屈斜路湖。空には厚い雲の合間にスカイブルーの空。ゆっくりと雲が動いて空の色が少しずつ少しづつ変化していく。砂利のグレーと湖の薄いグレー。山の深いグレーと空に浮かんだ雲のグレー。様々なグレーが折り重なり、絵画のようだった。
空がなんだかとても近く感じる。そして時の流れがとても静かにゆっくりと流れ、湖畔キャンプのすばらしさを体感した。
子どもたちは湖に石を投げて遊んでいる。その様子を見ながら夕ご飯の準備をする。なんてステキな景色なんだろう。
この旅一番のスキな場所となった。
明日の朝は早起きして、和琴半島を散策しようと決めた。