ダニーデン21日目
昨日とうって変わり、朝から深い霧に包まれたダニーデン。
雨は降っていないが、とにかく寒い。できる限り防寒して家を出る。
学校へ向かう車から見える景色も真っ白。景色どころか前の車さえも見えず、朝からヘッドライトをつけてノロノロ運転で学校まで。
copper@マオリヒル
子どもたちを学校へ送り届けてから、毎朝、車で家から学校に行く途中に気になっていた道路沿いのカフェ”copper"へ。
外観は古いが、ドアを開けると、ガラスケースに並ぶ焼きたてのパンやスイーツの甘い香りが店内いっぱいに広がる。
通りに沿って横に長い店内には窓側にテーブルが並び、道行く車や歩行者を眺めながら近所の方々だろう、品のよさそうな白髪の女性たちがにこやかにお茶をしている。
木枠で作られたアンティーク調の窓枠。さりげなく飾られた写真サイズの額に入ったイラスト。吊り下げられたカフェランプ。センスの良い花が生けられた花瓶。
なんてステキなカフェなのだろう。
大好きなスコーンは焼きたてらしく、とても美味しかった。
ジョージストリート
ダニーデンのメインストリートは”ジョージストリート”であることを後から知った。
そう、子供たちの学校の名前がついている通りだ。つまり学校はこの街一番の繁華街(ショッピングストリート)の一番奥にある学校だったのだ。
この日はせっかくダニーデンに来たのだからと、この繁華街を一人で散策。
2階建ての建物の1階にカフェに限らず洋服屋さんや大手チェーン店らしき飲食店も並ぶ。(スターバックスやマクドナルドがあった)
ちょっとしたデパートのようなモールが2つほどあった。一つは日本のデパートのようで装飾品から靴や洋服が上品に並ぶ。人は少ないように感じた。もう一つのMERIDIANという賑わうモールに入ってみると、入口付近には日本でいうお弁当屋さんがずらりと並んでいる。
近くで働く人向けなのだろう。韓国、中国など各国のデリバリーボックスが並ぶ中、寿司のデリバリーボックスがとても人気があるようだった。
どれも1パック10ドル程度。寿司と言っても食材(ネタ)がサーモンくらいしかないからか、ほとんどが海苔巻きだった。
ここで、子供たちに現地の子どもたちはプールでラッシュガードを着ているので自分たちも欲しいと言われていたことを思い出す。
地下1階のフードコートエリア付近のセンスのよさそうなお店に入る。H&M、ZARAのナチュラル版?のような若い女性向けのアパレル商品に並んで子供向け商品もあった。
大人顔負けの可愛いデザインの長袖ラッシュガードにパンツがセットになった水着を2着購入。とても安かったが、そこでもビニールのショッパーがないが、ブランドメッセージの入ったシンブルな布バッグが2ドルくらいであるよと言われ、それを一緒にいただく。
日本では、ユニクロが売る布製のショッパーを展開しているが、ニュージーランドのエコバッグの安さに驚いた。これなら買ってしまうし、その後の活用もしたくなるシンプルでキュートなデザインだった。
繁華街といっても2レーンの車道の両側にアーケードが連なる。ショップはどこも個人商店らしく小さなお店が多いが、きっと魅力的な商品を置いているのだろう。200メートルほどそんなお店が続く。
道を歩いていると日本食レストランが多いことに気づく。
SUSHI=日本食というくらいSUSHIの標識が多い。実際のメニューは居酒屋のようなものだが。鉄板焼きも日本食なのか、TOKYOという鉄板焼き屋さんがあった。もちろん、こちらも鉄板焼きといいながら居酒屋料理のメニューが並んでいた。
また、ニュージーランドといえば、アウトドア。ニュージーランド発のアウトドアブランド”Kathmandu””macpac"の直営店もあった。
そんなこんなでウィンドウショッピングを一人でしながら学校まで歩いていき、車で到着した夫と合流する。
放課後クラスと保護者の働き方
終業時間の15時を過ぎていたが、子どもたちは現地の子どもたちと一緒にバスケットボールを楽しんでいた。
放課後、迎えに来た親と一緒に帰ることが多い中、数名親が迎えに来ずに残っている生徒がいる。不思議に思っていると、ニュージーランドにも放課後クラスのようなものがあり、親が15時に迎えに来れない子どもたちを預かるシステムがあるようだった。
そこで、子供たちを見守るのは大学生のボランテイアとのことで、その放課後クラスの生徒と、大学生ボランテイア数名が一緒にバスケットをしてくれていた。
アメリカでもサマーキャンプなど子どもたちのイベントに大学生が主体となってボランテイアで参加していることは知っていた。
日本では働く母親が増えたことで急に保育園や学童保育の施設を増やしているが、本来放課後保育は学校の先生である必要はなく、地域の若者、高校生や大学生がアルバイトで行うのが良いのではないかと思う。
学童保育の先生の給与が低いために就業者が少ないと聞いていたが、当然だと思う。小さな子供とそれなりに駆け回って遊ぶのは体力がいるし、正社員ですべての職員が必要なのかと聞かれればNOだと思う。
お迎え時、子どもたちを待っている間や、水泳の引率時に一緒になった保護者に話を聞くと、正社員ではなく、アルバイトやフリーランスで自宅で作業している人が多いイメージを受けた。
アルバイトやフリーランスでも社会保障がしっかりしているのか、お金に困っている様子も正社員にこだわっている様子もなかった。
静かな生活を求めて
この日の夕食はオークランドに住む友人の紹介でダニーデンに住むという彼の友人カップルの自宅へお邪魔した。
家は、モアナプールの近く、閑静な住宅街にあった。
結婚したばかりという二人は、奥様が日本人とバングラデッシュのハーフ。6歳まで日本で育ったが、その後は海外を転々としていたらしく、日本語よりも英語が得意だということだった。
旦那さんはイギリス人。
2人で住むには広すぎるのではと日本人の私は思ってしまう、2階建ての戸建てに、やはり裏庭にそれと同じくらい広い芝生のお庭が広がっていた。
夕ご飯を用意して待っていてくれた2人とニュージーランドの生活について話を聞きながら楽しい時間を過ごすことができた。
2人はダニーデン市内の企業で働いているが、この家はイギリス人の旦那さんの親族のものらしく、ダニーデンから20分ほどいった海辺の田舎町に家を建てたいと考えているようだった。
こんな素晴らしい家があるのに、どうして?と思ったが、彼らに言わせるともう少し自然豊かな場所で静かに暮らしたいそうだ。
私にはダニーデンは十分自然豊かで静かな暮らせる素晴らしい街だと思ったが。
今回、子供たちをしばらく海外の学校に通わせたいと思い立ち、ニュージーランドが候補に挙がった時に、私の学生時代からの友人がオークランドに住んでいることを思い出して、何かと連絡を取り合っていた。
最終的にダニーデンに決定した後、その話を友人に伝えると、それなら友人がいるからぜひ連絡を取ってと紹介してくれたのが彼女だった。
持つべきものは友だなあ。