東北・北海道旅行5日目
ニセコの道の駅で目覚めた朝。
この日は朝から陽射しが気持ち良い。
このニセコの道の駅”ニセコビュープラザ”も友人のおススメの場所。北海道の新鮮とれたて野菜がずらりと並ぶ直売所がおススメとのことだったけど、オープン時間を待てず出発。
この日はお天気が良かったけど、雲が厚く、羊蹄山はやはりしっかりと見えず。ニセコのもう一つの巨頭”アンヌプリ”がぼやけてその姿を確認できるといったところだった。
友人曰く、羊蹄山やアンヌプリを見てこそニセコの良さがわかる。とのことでもう1泊しようかと悩んだが、とにかく人がいなく、レストランもクローズ中が多い寂しいニセコを後にする。
といいながらも、私はあきらめきれず、少しでもオシャレなニセコを体験したく、新しくできたスキーリゾート”パークハイアットニセコHANAZONO”へ。車の中で美味しいパンでもテイクアウトして食べようと向かうも、こちらもコロナで営業短縮中。
ホテルのパン屋さんもクローズ中とのことで。。。残念無念。
気持ちを切り替えて日本海側へ、積丹半島を目指す。
日本海へ出ると雲行きが怪しくなり、パラパラ雨も降りだしていたが、積丹半島の先端、神威岬に到着するとなんと太陽が出てきて縁起が良い!と喜び勇んで車を飛び出し岬の先端まで向かうも、強風により先端までの遊歩道は封鎖されていた。
学生時代、私はこの神威岬を訪れたことがあり、岬の先端まで歩く狭い遊歩道から見る積丹ブルーの美しい情景を子どもたちにも見せたかったが、子どもたちはこの強風と整備された歩道を走り回るだけでも楽しかったようだ。
空と大地と海だけがどこまでも広がる北海道。天気は良いとはいえないが、たしかに、そこにいるだけで気持ちが良い。
その後、酒好きの夫が余市のニッカウヰスキーでウィスキーを購入しようと立ち寄るも、駐車場に入れてもらえず。事前予約が必要とのことで、お土産売り場さえも入れてもらえないとは驚いた。
NHKの朝の連続小説”マッサン”に夫婦ではまり、とても良い印象をもっていたニッカウィスキーだけに入口で追い返されるとは大変残念だった。ちなみに、駐車場はガラガラだった・・・
ランチは余市の隣、小樽へ。旧北海道銀行本店を利用した”イタリアンバル 小樽バイン”へ。
美味しいウニパスタにデザートまで。久しぶりにのんびりとまともな食事にありつけた。その後、道を挟んで向かいにある旧北海道拓殖銀行小樽支店を改修した似鳥美術館へ。
こちらの銀行、かつては小林多喜二が勤務していたという歴史的建造物。さすが北のウォール街と言われたエリア。ギリシャ様式の円柱が見事なこの美術館をはじめ、近隣にはなかなか重厚な建築物が残っている。
似鳥美術館はもちろんあの家具大手のニトリの美術館なのだが、以前、日経の私の履歴書で似鳥社長の波乱万丈な生い立ちを読んでいたこともあり、こうして故郷で美術館を運営されていることに興味を持っていた。
重厚な建物の1階は吹き抜けになっており、ティファニーのステンドグラスが展示されていた。テイファニーといえば、宝飾品というイメージしかなかったので、こうしたステンドグラスを作っていたのが不思議だったが、テイファニーの創業者の長男がガラス工芸作家でこうしたアールヌーヴォー調のステンドグラスを残したそうだ。
地上4階、地下1階の細長い館内には所狭しと世界、日本の美術界の巨匠の作品が展示されており、なかなか見応えがある美術館であった。
海外の作家は少ないが、ルノワールやシャガール、ガレのランプなどがあったことには驚いた。日本の作家はや横山大観、東山魁夷、岸田劉生、伊藤若冲、片岡珠子などの日本の巨匠から高村光雲や棟方志功などの彫刻作品も多かった。
地方には芸術がない。と言われているけれど、こうして立派な美術館を社会事業として運営されていることにただただ敬意を表したい。
ちなみに、このニトリ美術館一帯は小樽芸術村という名称で美術館が集積したエリアで、他の施設も見たかったが、時間がなかったため、車へ。(子どもも飽きていたし)
昔、小樽に来たときはレンガ倉庫とガラス工芸の街として多くの観光客で賑わっているイメージがあった。
しかし、この日の小樽はやはり観光客らしい人は少なく、寂しい雰囲気だった。コロナで北海道全体が暗く沈んでいる。
その後、ひたすら日本海を左手に眺めながら北上。天気が良ければきっと美しい夕日が見れただろう。
日が暮れる前に、今夜の宿泊地しょさんべつ温泉の道の駅に到着。
小さな小さな道の駅だったが、夕ご飯を軽くいただき、同じ敷地内にあるホテルの立ち寄り湯”岬の湯”でお風呂。
こちらのホテルにはコインランドリーが併設されており、気持ちよく使用させていただいた。
道の駅のおじいさん、ホテルのフロントの方など、思わぬところで人のやさしさに触れると長旅で疲れた体にとても温かくしみる。
何もないところこそ、人の温かみがある。これこそ日本の地方の宝だと感じた。