クライストチャーチ2日目
ニュージーランド2日目。
朝ゆっくり起きて、これから約1ヵ月のニュージーランド生活を支える車を借りにレンタカー会社へ。
昨晩は暗くてわからなかったが、ホテルも空港もシンプルながらデザイン性にあふれ、空港の入口に広がる芝生エリアには無造作にビーズクッションお置かれ、人々は自由に寝転び本を読んだりしている。
もちろん、我が家の子どもたちも寝転んだり、飛び込んだり。。。なかなか離れたがらなかった。
レンタカー会社は事前に夫が調べて格安のGO rentalsという会社に。空港から送迎車に乗って、少し離れたオフィスまで。
こちらも空港同様、オフィスのデザインがオシャレ。ピンクを基調としたインパクトのあるロゴに内装などシンプルながら若い感性なのか、古さが感じられない。
今回借りるタウンユースを目的とした一般的な乗用車。30分ほどで事務手続きを終え、車で夫のおススメ絶景カフェを目指しクライストチャーチから約1時間ほど南東のバンクス半島へ向かう。
なだらかな丘のような山合いを抜け、斜面には牛や羊、馬が放牧されているのどかな風景。熊本阿蘇地域のドライブもこんな感じだったな。と思い出す。
到着したのはロードサイドにたたずむ一軒家レストラン”The HILL TOP”というピザ屋さん。
店内に一歩足を踏み入れると暗い店内のその先にある大きな窓から眼下に広がるアカロワの街並みが絵画のように広がっている。
アカロワはフランス人が多く移り住んだという港町。半島の入り組んだ入り江が連なり、海というより湖のような穏やかな景色。
店内の席もよかったが、子供がいるのでテラス席で。
ニュージーランド初ご飯は、この絶景を眺めながらピザとサラダとカフェオレ。
ニュージーランドは当然のようにメニューにグルテンフリーかどうかの選択肢があり、コーヒーは”フラットホワイト”と呼ばれるカフェオレが基本。
コーヒー好きの夫はこのフラットホワイトがお気に入りでお店に入ると必ずオーダーしていた。
さすが自給率300%のニュージーランド。きっと採れたての野菜を使用したサラダもシンプルながら絶品。
メニューを見て、自分でオーダーしてその場で費用を払う。水やお皿やフォークなどは基本セルフなので、効率的。
店側も最低限の人員で、客側も気を使わずのんびりできるのが良い。だからからか基本チップも必要なし。(もちろん、とても良いサービスを受けた場合は払うこともあるのだろが)
何もないけど豊かな自然がある。
決してお金をかけているように見えない。しかしセンスが良く居心地が良い。
ニュージーランドは個人経営のお店が多く、自分たちの気に入った場所で気に入ったものを提供している。
そんなことを聞いたことがあるけど、まさしくそんなお店だった。
その後、クライストチャーチ市内に戻り、市内観光の中心であるエイボン川沿いのカフェにて休憩。
クライストチャーチはガーデンシティーと呼ばれるだけあり、市内には美しく咲き誇るお花や緑に囲まれている。
川沿いのカフェからカヌーをしている姿をみて、家族で3台のカヌーに分かれ初カヌー体験。
川といっても浅瀬の川幅も狭いゆるーやかな流れの小川なので、30分ほど体験すれば十分。
川面から見える水鳥の様子。両岸をのんびり散歩する人。川岸に寝転びのんびり読書する人。平和で美しい時間だった。
高い建物がほとんどなく、人も多くない。街中の建物のデザインも統一されているように美しくどこを切り取っても絵になる風景。
その後、クライストチャーチといえば、2011年2月に発生した大地震。
日本人の被害者も多く、大きなニュースになったことを覚えている。(この翌月には東日本大震災という更なる地震が日本を襲うのだが)
被災した石の大聖堂の仮設教会”紙の教会”へ向かう。
紙の教会はその名の通り、段ボールを特殊加工して作られた教会。日本を代表する建築家である坂茂さんがデザインされている。
十字架まで段ボールで作られており、テーマは何度壊れても復旧可能な建築。自然にも地球にも優しく素晴らしいコンセプト。
この地震で185名の方が亡くなれられたそうだが、国別では23名の方が亡くなった日本がトップ。日本から贈られた折り鶴もあった。
教会の裏手には何もない広場に置かれた185個の白い椅子が。
犠牲者への追悼を捧げるモニュメントとのこと。大小さまざまな白い椅子。中にはベビーシートもあり、シンプルながら一人の命はすべて同じではないことを物語っていて犠牲者の皆さんへ思いを寄せる。
その後、たまたま見つけたプレイグラウンドへ。
このプレイグラウンドも広く新しく、デザイン・安全性に優れ大人も一緒に遊びたくなるステキな公園。こんな場所がニュージーランドにはいくつもあるのかと初日だけでもニュージーランドが大好きになる。(このレベルのプレイグラウンドはその後なかなかお目にかかれなかったが・・・)
この時期(2月)のニュージーランドはサマータイムだったため、夜8時になっても明るいまま。
夜になっても明るいので、夕ご飯の感覚や寝る時間などを調整するのが難しい。この日もなかなか帰りたがらない子供たちをなんとか車に乗せ、ホテルへ。
ホテルのレストランで夕食をとり、部屋に戻ってからアメリカ横断旅行の際に子供たちが撮影した写真をスライドに各自でまとめたプレゼン大会を実施。
アメリカ横断旅行を終えて、バタバタとニュージーランドに来てしまったが、これから始まるニュージーランドでの生活を前に、一旦アメリカ横断旅行を振り返り、その成果を報告し、新しいステージに向かいたいという夫のこだわりで。
明日にはクライストチャーチを離れるが、クライストチャーチは南島最大の都市ながら、こじんまりと人も少なくのんびりとした美しい街。
聞くところによると、ニュージーランドとお隣オーストラリアは同じイギリス連邦( Commonwealth of Nations)に所属し、この2ヵ国間の移動は自由だという。まるでEUのように自由に行き来が可能なようで、大学はオーストラリア、職場はニュージーランドなど地理的に近く、文化的背景も似ていることから交流が盛んなようだ。
オーストラリアの大都市でストレスフルに働き、疲れたらのんびり働くためにニュージーランドへ。なんて若者が多いということを思い出した。
南島最大の街でこののんびりした雰囲気であれば、我々が明日から滞在するダニーデンはどんなに田舎なのか・・・少し不安になりながらもニュージーランドへの好印象の初日を終える。