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昨晩のライブ配信中のトレード

(いつも読んでくれているかたへ「0から学ぶトレード術」シリーズとは雰囲気を変えて書くことにしました。)

昨日結構な大勝負に出た。理由は、その日のチャートが誰にとってもわかりやすいものだっとというのと、米CPI(消費者物価指数)の発表があったからだ。インフレの行方が政策金利の方向性に多大な影響を与えている今、これに全金融関係者が注目している。インフレが抑えられていると思われる結果になればドル安方向に、インフレが抑制されていないようならドル高方向に、方向性が出るのではと多くの投資家が見ていたに違いない。

ただ、結果通りには動かないこともある。なぜなら、相場はデータでは動かないからだ。相場を動かしているのは人間だ。データを見て、上がると思う人が多いなら上がるし、下がると思う人が多いなら下がる。

どうして、結果通りに動かないのか、それは、プロスペクト理論とアダム・スミスの経済論との違いから説明できる。アダム・スミスは、神の見えざる手を提唱し、ものの価値というのは最終的には合理化されると考えていたが、ケインズ以降の経済学者ダニエルカーネマン等によって、マーケットにはリスクをとって経済活動を行う人間もいるわけだから、判断が常に合理的であるなんてことはありえない。考えてみれば笑いが出るほど当たり前の話だ。

チャートに向かう全世界の人が、アダム・スミスのように深刻かつ冷静な顔をでチャートを見ていたら、それこそギャグでしかない。カイジという漫画に出てくるギャンブラーたちのように、興奮、欲望、恐怖、絶望、狂喜のどれかを心に抱いて誰もがチャートを見ている。掛け金が少なければ、これらの感情は小さくなるが、それでも抱かずにはいられない。つまり、参加者の誰もが完全に冷静と言える状態にはない。そうであるなら、ダニエルカーネマンのいう経済活動を行う人間が合理的であるわけがないというのが正しい考察だといえるし、彼の場合は実際に実験をして成果を収め、ノーベル経済学賞を受賞している。

マーケットを動かしているのが、データでなく人間だということがお分かりいただけたと思うし、だから、チャートを通してその人たちが何を考えているのか、それを考えるのが肝要になる。

引いて見ているので少しわかりにくいが、一番最後の調整の上昇は、この下降トレンドで一番大きなものになっている。つまり、今までの調整の上昇とは違うかもしれないと感じるべきところだ。モメンタムは、水平線から現れるのがわかりやすくていいのだが、モメンタムだけを見て、大きな意識が傾き始めていると感じられることもある。水平線については、この記事に書いているので読んでほしい。

これがCPI直前のチャートだが、最後の上昇波(青矢印)を基準にロングエントリーしようとしている参加者たちが、日足の下降トレンドの続きを狙っている参加者を崩してもおかしくないと考えていた。なぜなら、青色の上昇波に対して、まだ一度も買われた形跡がないからだ。これを見ている人が指をくわえてまったく動かないとは考えにくい。そして、わかりやすいレンジができたことで、このレンジはユーロドルを観察する全員に見られていただろう。だから、どちらかに抜ければ、どちらかがポジションを投げるので、抜けた方についていけばよいというシナリオと、力が拮抗しているなら、抜けがだましになる可能性があるというシナリオと、2つのシナリオが持てる場面だった。こういう場面では、逆だった場合でも損が取り戻しやすい傾向にあるので、はじめっから大ロットで戦うつもり満々だった。

レンジを拡大すると、ダブルボトムになりかけている、右の谷になりそうな部分の上限では、売りが売りつくしているように感じられるので、それを使って、レンジの高値抜けを狙えるかもしれない、そんなことを考えていた。だから、指標発表の前に打診のポジションを一つ取っていた。

指標直後に急落。CPIの結果から、インフレが抑えられていないとマーケットが判断したからだ。そして、私は予定通りショートした。一時間足が髭になっているのを見ればわかると思うが、含み損となった。ただ、これは想定内だ。レンジ下限を背中に戦っていたブル派が、損切りになるのを狙って戦うことは、僕の中では合理的だった。しかもここは、抜けがだましになってもおかしくないと考えられる値段なので、初めからドテンロングを考えられるポイントでもあった。

5分足でチャートを見ながら、損切りとドテンロングを決意した。決断した理由は、まず5分足の上昇の起点(白〇)、ここは、大きな陰線の戻り50%とも重なっているのだが、そこを上に抜き返したのを見て、買いが強いかもしれないと感じられたのが1つと、レンジ(白□)を上に抜けた後、ネックラインでの反応が弱かったのがもう一つだった。

この時の様子を1時間で見たのがこれだ。ファンダメンタルズを根拠に下落を確信している人たちが、ポジションを投げられずに窮地に追い込まれているのが感じられないだろうか。1時間以上も待った理由だが、

波や節には、必ずそれを基準に(そこに期待して)行動を起こす人がいるからだ。ましてやこの陰線はファンダメンタルズが作ったものなので、この陰線を意識する参加者は多くいたはずだ。その人たちが何か行動を起こした後の方が有利に決まっている。

その後無事に利確できた。損失を上回る利益になったのはラッキーだった。7月の終わりに初めて、約2カ月半、200万で始めた口座も気づけば900万。

動画を見れば単なるリベンジトレードに思われるかもしれないが、負けトレードは合計9ロットで、平均の損失は、約34pips。それに対して、勝ちトレードは、12ロットで、平均の利益は、役73pipsだった。人によっては僕が単なるリベンジトレードをしているのではないとわかると思う。単なるリベンジトレードであれば、利幅を損切り幅の倍以上にまで引っ張ることをメンタルが許さない。必ず、プロスペクト理論が言うように、利確したいという欲望に負けてしまう。それに負けないだけの根拠があるからこそこういうことができる。

口座の情報を教えてほしいと思う人がいるかもしれないが、ライブ放送を行うトレーダーがそれをやるのにはリスクがある。本当はそうしたかったのだが、あるトレード業者に確認してみたところ、視聴者が反対トレードを行った場合、規則に違反していると見なされる可能性があると注意を受けた。要するに、どちらかに強く動くと考えられる場面で僕が誰かと共謀して、両建てを行い、利益を折半していると疑われるかもしれないということだ。これに疑われると口座が凍結され、そのトレードの利益の分については没収ということになる。僕は、雇用統計などのイベントでエントリーをするのを好むトレーダーなので、そんなことになったらたまったもんじゃない。しかも、情報を公開しても、画像なんていくらでも簡単に偽造できてしまう。だから、ポジションを取るところと、ポジションを切るところを見せていく以外に、利益を上げられるトレーダーだというのを証明するのは難しいと思う。

Thank you for reading!!

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