星屑コンピレーション後夜祭⑦りん
こんばんはこんにちはおはようございます!
創作処 愛染屋の総合演出、露木 凛です。
2022年10月15日16日に上演しました【星屑コンピレーション】は、愛染屋にとって実にまる3年ぶりの本公演でした。
ご来場くださった沢山のお客さま、応援してくださった沢山の皆さまには感謝が尽きません!Twitter始め、SNSでの感想も大変嬉しく受け止めております🌟🌟🌟
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さて、わたしによる後夜祭第4回です!
わたしは演出(劇の方向性を決める係)と原案(ストーリーの大まかなプラン出し)とチラシなどの広報媒体デザイン、などなど色々兼任しておりましたので、今回は2本目の短編【箒星】について、お話しますね☺️
【1.箒星と流星】
今作、ナビで『箒星と流星は別物』であることと、『箒星は星で流星は塵』であることをクイズ形式でお話した後に、【箒星】本編が始まります。
さて、ご覧になったお客様にとって、作中の登場人物(街の人ABC、ボク、旅人)のなかで、箒星と流星はどこに居たかわかりましたか?
感想を拝見すると、流星に触れている方はほとんど見かけられず、[旅人=箒星]としている方が多かったように感じます。
もちろん、観てくださった方が感じたものが、観た方にとって100%の答えです!それは間違いありません。
でも、原案のわたしとしては[ボク=箒星][旅人=流星]のイメージでした。
定期的にやってくる[旅人=彼]と、作中のボクは表現しています。が、よく考えてください。ボクにとって[どの彼にも]など、[彼]が1個人を指すワードじゃなくて、宿に来る全ての旅人をそれぞれの人格を無視して[憧れの外の世界の人物=彼]としているんですね。つまり、毎回訪れる旅人は全て別人。同一人物が再び訪れることはほとんどない『流星』なんです。
では、[ボク=箒星]はどういうこと?ってなりますよね。それについて、なかなか表出していなかったのかなぁ、と、演出担当として反省しています。箒を持ってて、箒星のメタファーアピールしてたのですが、そんなことじゃダメですよね💦ボクは旅人が訪れる度に、心の炎を燃やします。熱く熱く焦がれる外の世界への想いが、ボクを突き動かします。この、衝動はどんな旅人がやって来ようと湧き上がるので[定期的にやってくる彼]に同調してるとも言えますが、[ボク=個人]が定期的に熱い想いを燃やしているので、箒星。です。父親や、街の人たちに、小さなささくれをおこす、ボクという箒星。
【2.バッドエンド】
前回かな?この星屑コンピはわたしの中でハッピーエンドが1本しかない。と書きました。そして、それは【蠍の心臓】であることも書いたと思います。
つまり、この【箒星】も、わたしにとってはバッドエンドなんです。
外の世界に焦がれるボク。幼い頃から安宿からの脱出を試みては諦めているボク。旅人とは緊張して口も聞けないボク。
ボクは、きっとこのまま一生安宿で過ごすことでしょう。それはボクの父さんが産まれた時からこの地にいるのと同じように。舞台上では、性格の悪い旅人(笑)にけちょんけちょんに言われて同行を諦めますが、性格の良い旅人だったとしても、最後の一歩は踏み出せないボクだと思います。
今作で表現したかったのは、[少年ゆえに抱く、愚かでピュアな夢]です。学がなく、教養がなく、裏表がなく、悪気もなく、ただただ現状を受け入れられず知らない世界に夢想するボク。
身近な大人たちの言葉の意味を考えず、憧れが暴走するボク。
そんなイメージでした。
【3.コバの悪人への挑戦】
原案担当としてではなく、演出担当として、これは書いておかなくては!と思ったので(笑)
愛染屋の劇団員、俳優の小林大峰は、本当に本当に善良な人間です。誰にでも親切で、何をされても笑顔で対応する、悪意とは無縁の男です。自他ともに[激怒する姿は想像つかない]男でもあります。
普通に人間として生きていくには、これはもうとてつもなく美点であると言えます。が、俳優コバにこればかりを求めてはいられません。本人が色んなキャラクタを体験したいと言っている上、劇団員は人数が多くないのでコバには様々なキャラクタを演じてもらいたいのです。
今回、コバが愛染屋で演じてきたキャラクタの中で随一の性格悪男たる旅人。こちらを悪人として演じ切ることが、コバへの試練でした。
稽古をする度にわたしのみならず、共演者やみている他の俳優から「良い人が滲み出てる」「悪く見えない」「すごく親切」と、ダメだしとしてはなんとも柔らかなワードがどんどん出てきました(笑)
コバのキャラクタ読み解きのヒントとして、旅人に与えた属性が
・親兄弟、人類一族から縁を切られた元貴族
・自分を特別な人間だと思っている
・地位を奪われたことに納得しておらず、贅沢な生活をする為にシゴト(盗み)をしている
・金を使い果たしかけては、不本意ながら安宿に身を隠しシゴトをして金を得ている
・身分の低い人間はゴミだと思っている
です。
少しでもコバが悪いやつ、嫌な奴に見えていたらいいなぁ。
舞台を創ること以外にも創作がしたい、これまで舞台で表現してきた物語や世界をもっと知っていただきたい、楽しんでいただきたい……そんな思いから始めたnoteです。 細々と更新しておりますが、少しでも楽しいをお届けできていれば幸いです。 もしよろしければ、サポートよろしくお願いします!