お題リレー③ ゆかによる後編
あの時中々見つからなかっただれかは、同窓会の会場ですぐに見つけられた。
彼は、見た目も雰囲気もすっかり大人の男になっていた。けれど、かくれんぼ名人でいたずらっ子の目は変わっていない。
私は彼を見つけるや否や、今朝の夢の話をした。
彼は昔と変わらない、いたずらっ子な目を輝かせながら、当時どんな風に隠れていたのか語ってくれた。
想い出話に花が咲き、同窓会の数日後には二人であの公園に行って、隠れ方を見せてもらった。昔は体が小さかったから、鉄棒の陰でも砂場の中でも、絶対にそんなところ隠れられないってところだって隠れていたと、大きくなったいたずらっ子はとても優しい目で笑う。
そして数年の時が経ち、今、大きないたずらっ子は、小さないたずらっ子とかくれんぼをしている。
『もーいーかい?』
小さないたずらっ子が愛らしい声で呼びかける。ああ、また絶対見つけられないところに隠れようとしてる。見つけられないと大泣きするくせに、ママは黙ってて! って言うんだもん、困っちゃうなぁ。
そんな私の心配はつゆ知らず、大きないたずらっ子は優しい声でこう言った。
『まーだだよ!』
《あとがき》
……というわけでお題縛り×リレー小説!? な企画note第3作目!
やっっっと私のテイストどどどんどんが書けました!!!
はじめはホラーな展開しか浮かばなかったのですが、同窓会に救われて一気にハッピーへ駆け上ることができました笑
次回も楽しみです!!!!!
2021.11.30
舞台を創ること以外にも創作がしたい、これまで舞台で表現してきた物語や世界をもっと知っていただきたい、楽しんでいただきたい……そんな思いから始めたnoteです。 細々と更新しておりますが、少しでも楽しいをお届けできていれば幸いです。 もしよろしければ、サポートよろしくお願いします!