星屑コンピレーション後夜祭④ゆか
こんばんは!
創作処 愛染屋、脚本担当の愛楽ゆかです。
創作処 愛染屋
第12回公演
『星屑コンピレーション』
終演! からの後夜祭!
本日は脚本担当の愛楽がお届けしてまいります。
星屑コンピご観劇くださったみなさま、関わってくださったみなさま、応援してくださったみなさま、誠にありがとうございました!
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さて、本日は3つの短編のうちひとつ、『夜空』についてお話しします。
かわいらしく無邪気な、産まれたばっかりの星の赤ちゃんたち。
遊びがいっぱいの作品にしたいなと思ったので、入りハケのト書きは「○○の(ような)遊びをしながら」と、常に何かで遊んでいるようにしました。愛染屋らしい、自由なターンモリモリです。
舞台では、誰しもが一度は遊んだことのある、けれども星の子であることももちろん加味しながらのシーンとなっていましたが、いかがだったでしょうか?
最後に、『夜空』執筆中の印象深い思い出かつウラ話としては、2つ思い浮かびましたのでご紹介を。
1.星の子たちが「何の星」なのかは、執筆途中で決まっていった
星団は恒星となる星で構成(そうですダジャレです)されているとのことです。
私は全く星や星座、宇宙に詳しくないので知らなかったのですが。
星の子たちが好きなおもちゃで遊んでいるけども、おっきい星に「ヘン」と言われてしまうのは何故か? を考えていったときに露木から出たアイディアが、恒星、衛星、そして惑星となることが決まっている星たちだから、でした。
星の子たちがそれぞれ好きなことをみつけて楽しく遊んでいる、けれども周りからはヘンと言われてしまう理由と、星屑というテーマが合体した瞬間でした。
このお話、露木曰く3つのお話の中で一番「バッドエンド」だそうです。
みんな可愛らしく軽やかに、みんなで仲良くおもちゃで遊んで、ケンカもしたし悲しい気持ちにもなったけれど最後は仲直り……な、あったかハートフルストーリーなのですが。
脚本としてはよかったね、のエンドなのですが、星の子たちの、これから先のストーリーを考えると……
何になるのか間違いなく決まっているのに、それを望まれているのに、そうではないものを選択して突き進んだ星の子たちは、いつか、きっと、このお話のときよりもより強く「ヘン」であることを突きつけられてしまうでしょう。
なぜ「ヘン」なのかサッパリわからなかった星の子たちも、おっきくなるにつれて、自分が何者になることを望まれていて、それに否が応でも近づいていくことを実感して、「ヘン」であると周りに言われるだけでなく、自らも強く、自覚してしまうでしょう。
そうなったときを考えると、「バッドエンド」というのも頷けるな……と、むむむとなりました。
星の子たちのその後のストーリーを、脚本としておこしたり、舞台で上演したりすることはないでしょうが、
星の子たちの、産まれたばかりのやさしい、あったかな物語を綴った私は、この強烈な「ヘン」にだって、星の子たちは負けないと願っています。
一緒に遊んでくれる仲間がいるから楽しい。
終盤の、ある星の子の台詞のひとつです。
惑星になることが決まっている星の子の言葉であり、惑星は周りに影響を受けながら存在しているという示しでもある台詞ですが、星の子であっても、私たち人間であっても、同じだろうなと感じます。
これから先、「ヘン」だと悩むこともあるだろうし、絶望することもあるかもしれない。
そんなとき、たった一人で思い悩むのではなく、誰か話を聞いてくれるひとや、受け止めて一緒に立ち向かってくれるひとがそばにいたら安心できるでしょうし、ただ反対したり中傷したりするのではなく、為を思って懸命に真剣に話し合いをしてくれるひとがいたら勇気をもらえるでしょう。
星の子たちなら、きっと大丈夫だと思いたいです。
2.「それはもっとヘン」
星の子たちがケンカするシーンで、星の子に対してヘンと言って、続けて別の星の子にヘンというシーンで、最初に私が書いた台詞です。
直していく中で、露木より「それはもっと」だと、片方を落としていることになる、という話になり、
「それもヘン」
に変更になりました。
『夜空』執筆中には、自分自身の差別意識や、凝り固まった価値観、偏見をとっても意識させられました。
星の子たちのように、まっさらにまっすぐに、ありたいなぁと思う私です。