軸
いつ投稿しようかな〜と思っていたら完全にタイミングを逃してしまった。ので、なんでもない日に投稿します。考えが今と変わっているところもあるけど、敢えてあまり書き直さず、当時のままの文章をお届けするね。
TIFに出ても、何も変わらなかった。
気持ちが変わることもなかったし、人前で歌うことの恐怖も消えなかった。TIFに出る前に抱いていた考えも、何も変わらなかった。びっくりするくらい変わらなかった。
私の気持ちの上がり下がりでパフォーマンスを台無しにするわけにはいかないので、TIFに照準を合わせて気持ちを整えることに必死だった。Twitterで所信表明をしてみたり、もうステージの上で絶望したくないと宣言してみたり、好きな音楽の力を借りたりした。TIFに出る数日前から、特定の音楽しか聴けなくなっていた。
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「7月後半のあたまのなか」という記事に、この画像を貼り付けた。さユりさんの「ねじこ」という曲の歌詞。
私はいつでもマイナス思考で暗くて過去ばかり見ていて未来が怖くて、人間も怖くて、でも、TIFを限りなく白くの藍沢未羽としてやりきるために音楽の力を借りることにした。自分の手の中にあるものを大切にできるようになりたいし、無意識に避けていた喜びや愛しさを少しずつでもいいから受け取れるようになって、恐れを破壊していきたいと思った。器質的に弱いというのもあるけど、気持ちの上がり下がりで声が出なくなっている場面も確実にあると思ったから、それを破壊したいと思った。この歌詞を私のTIFのテーマにして北海道を出発した。
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爪をきらきらさせることすらできない日々が続いていたから、TIFに行く前にきらきらさせようと思えて良かった。こういう些細なものが自分を作っていく気がする。
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ドリンクは必ずスープをいただくざわ。
TIFのために無理矢理気持ちを作っていたから、行きの飛行機、ステージの上、楽屋、ホテル、帰りの飛行機、どこにいても泣きそうだった。
不安や緊張の涙もあったけど、嬉しさや感動の涙もあった。もちろん悔しかったり悲しかったりする涙もあった。ステージの上でその気持ちになってしまって、パフォーマンスに集中できていない瞬間があったのが最悪だと思ったし、声も100%出ていた訳ではなくて裏返ったりブレたりしてしまった部分があったから、最初は反省noteを書いていた。何度も何度も読み返して、公開するべきではないと判断して削除した。
ありえない頻度で喉を壊すので、この大事な時に声が出ているだけで奇跡だと思ったけど、私はそれだけじゃ納得できなかった。みんなが「最高!」「よかった!」と言ってくれているのだからそれでいいはずなのに、負の感情ばかりが渦巻いていて、ステージの邪魔をしてしまったことが心残り。
帰りの飛行機は気持ちがどうしても安定しなくて、うずくまりながらさユりさんの曲を聴いて過ごした。TIFの前後はさユりさんの曲しか聴けなかった。もっと言うと「ねじこ」と「DAWN DANCE」と「アノニマス」しか聴けなかった。
私はいつまでも過去に囚われていて、そのせいで失うものの方が多いと分かっていても抜け出せずにいる。さユりさんの音楽は過去を歌ってくれているから好き。あまりにも過去に囚われすぎているなとは思うけど、過去があっての私だし、過去がなかったら今の表現だってできていないと思っている。アイドルを目指そうとも思っていなかったと思う。そんな自分が、過去ではなく「明日」や「日々を越えること」を意識しようと思うことができたのが2024年の8月。
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「やさしい朝」もさユりさんの曲の歌詞。
やさしい朝を今すぐ手に入れるのは難しいと思うから、せめてその訪れを夢見ていられるような暮らしをしたいなと思った。
明日なんて要らないと思い続けてきたし、今でも思ってしまうけれど、それでも日々を越えていけるような人間になりたいと思った。せっかくアイドルをしているのだから、きらきらを追い求めてみたいと思った。明日を目指せる人になりたいと思った。これぞ、にゅーざわ。
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それでもやっぱり過去は手放せなくて、これを描いた。都道府県が描かれていることに気づいてくれた方がいて嬉しくなった。3つ描いたよ。
過去があっての私で、でも許せるわけではなくて、どの私も私で、私は未だに歌うのが怖くて、ステージの上で絶望したくないって強く思ったはずなのにまだしてる。グループは大きくなる一方だけど、私個人はどんどんダメになっていく。
今月でお披露目から1年が経った。
人生が変わったらいいなと思ってオーディションを受けた。それまで書類審査にすら受かったことがなかったから、今回もどうせ無理だと思っていた。でも合格した。
北海道で人生をやり直そうと思った。
執着のような気持ちがあった。
得意ではないことを頑張りすぎて自滅した。
明るい人間になろうとして失敗した。
ここが自分のしたい表現が受け入れられる場所ではないということも分かってきた。
アイドルとして生きる上で、声帯の脆さが致命的だった。昔から声を出すのが苦手で、たったひとこと喋るだけでも声が震えたり裏返ったりしていた。あまりにも喋れなさすぎて教室にいられなかった時もあった。でも、人間として生きる上で声から逃れることはできない。プレゼンとか電話対応とか接客とか、そういったことはできるわけがないので、なるべく声を使わなさそうな会社に就職した。その会社を辞めて引きこもっていた時期に、今の事務所のオーディションを受けた。
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2023年8月13日、アイドルとしてお披露目された。ずっと喋るのが苦手だったから、本番が終わって楽屋に戻ったあと、恐怖や緊張やよく分からない感情で涙が止まらなくなった。冨樫優花さんが頭をポンポンしてくださった記憶が残っている。
アイドルとしての初ツイートには「表現をすることだけが居場所だった」と書いた。私が文章を書くのは、喋れないかわりに文字を書いていたから。私がギターを弾くのは、喋れないかわりに音楽で気持ちを表現していたから。でも今は表現することすら居場所にならない日もある。なにもかも下から数えた方が早いし、人並みにできることもいちばんにはなれないし、欠落を味方になんてできないし。声が不自由だからこそ、アイドルという形で音楽を表現したいという気持ちがどんどん強くなっていったけれど、今は義務感ばかりが募っている。
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(ところで 所信表明と決意表明の違いってなんだろう)
誰かに傷つけられることもあるけど、私だってきっと他の誰かをたくさん傷つけている。
何人に愛され何人を傷付けてきたんだろう。
これもさユりさんの曲の歌詞。
傷つけられたり、勝手に傷ついたり、言葉にならない思いに嘆いたりしても、私の周りにはたくさんの大切な人がいるという事実をきちんと自覚したいと思った。そしてその全てを真っ直ぐ愛したいと思った。無駄な気持ちの使い方はしたくないし、簡単に壊れたくないと思った。
いつでも誠実でいたい。
うまくやれなくてもいいから、誠実に、やりたい。
ここまで長々と書いてきて、コイツはものすごくマイナスなことを言っているなと思った方もいらっしゃるかもしれませんが、本人からしたら割と革命的ポジティブ文章なので安心してください。明日に目を向けたいと思ったり、日々を越えたいと思ったり、大切なものをきちんと大切にしていけそうだと思ったり。まるで別人のようです。
たぶん今までだったら殻に閉じこもって終わりだったから、本当に、革命。
(全然いまでも閉じこもりたいですが)
もしかしたら無理矢理自分を奮い立たせているだけで、すぐに折れてしまうのかもしれないけれど、その時はまた大切な人たちのことを思い出せていたらいいな。