ピルを飲むということ
「私、ピル飲んでます」
これを聞いてみなさんはどう思いますか?
「え?避妊?」
「どんだけヤりたいの?」
「ゴムちゃんとつけろよwww」
私は現在23歳の女子大生だけど、こんな言葉を面と向かって言われたことは少なくない。
それも同じ女子大生に言われたりするから逆にびっくりしてしまう。
そもそも「避妊のためにピルを飲むこと=ビッチ」みたいな風潮がありすぎることは理解してるつもりだから、飲んでいること自体は公言していない。
ただ、言った方が都合がいいときなどは全然言うし、隠してるわけでも全くない。
でもこんな返しをされてしまうと、それも、女の子達にされてしまうと、とても反応に困ってしまう。
そして、同じぐらいあるのが
「そんなに生理きついんだ…」
と言う声。
大学の同期には高校生の頃生理が来るたびに貧血で教室でぶっ倒れたりだとか、経血の量が多すぎて、ナプキンでは耐えられず授業中に制服のスカートを真っ赤にしてしまったりだとか、そういった子もいて、例外なくピルを飲んでいた。
逆にいえば、「そのレベル」に達していない子たちは、ピルは飲んでいなくて、 むしろ「飲むほど私は生理がキツくない」「私は我慢できる」と思っている子の割合が物凄く多かった。
実際に、生理痛がほとんどない子もいたし、そういう子にとっては「ピルを飲むということ」は「私にとっては大袈裟」と思うのかもしれない。
ただ、
「生理痛が酷くて初日は寝込んじゃう」
「生理中のバイトは休めないから働くけど決まって帰り道貧血でフラフラしてホームから落ちそうになったことがある」
こう言う人たちはもちろんだし、
「市販薬飲めばなんとかなる」
「PMSのせいでずっと泣いてる、死にたくなる」
「イライラが止まらない」
「(生理前+生理中を足して大体)月の半分も生理に左右されているのしんどい」
こう言う、割と一般的な女性の皆さんだって、
「自分がしんどい」と思っていれば、
あなたが「ピルを飲むという理由」に十分当てはまる、と言うことに気づいてない人がとっても多いな、と私は感じている。
私が言いたいことは、
「ピルを飲むと言うこと」
=「その女性の生活をより良くするためのもの」
というだけであり、
現状で満足している人や興味のない人に強制したり、そもそも誰に対してもピルを飲むことをお勧めしたいわけではない。
きっとピルが必要不可欠であるような人は飲んでいるし、必要ない人は飲まないだけである。
それなのに、QOLを上げる1つの手段、選択肢として存在しているピルに対し、
「ピル=ビッチ」「ピル=大袈裟」
という、否定的で、ピルという選択肢を選んだ人ごとマイナスだと決めつけるような風潮のせいで、その選択肢を取ることを妨げられている人が多すぎると思う。
風邪をひいてちょっとしんどいなって思うレベルは人によるけど、早い段階で病院にいっても大袈裟だとかビッチだとかいう人は少ないと思う。
むしろこんなご時世だからこそ、早く治すことはとても良いみたいなこと言われたりもする。
現状、ピルを飲む必要がないとされる男性は最もピルに付随させて女性のことを悪くいう必要は全くないはずなのに、少ししかない知識だけでビッチ野郎とか決めつけるのは本当にどうかと思う。
薬学的な知識や経験に基づき、体質等を考慮した上で飲むことや、血栓ができるリスクなどからピルを飲むことを反対する人は男女問わずいると思うし、それは思想の自由であると思うので私もそこに反対したり、意見を述べることはない。
ただ、人が持つ選択肢に対して、当事者でない周りの偏見のせいで、今日も生理で苦しむ女性が持てる選択肢の幅が狭まらなければいいな、とおもっている。