プロジェクト ザ・ガーデン-プロローグ-
本プロジェクトの実行にあたりG社の社員全員と、I社社長に大変お世話になっております。この場をお借りして感謝申し上げます。
何故このプロジェクトを始めるのか?
1年以上農業を経験しても、やはり私は農業という言葉が嫌いだ。この言葉から想起されるイメージが相変わらず悪すぎるからだ。農業は田舎でしかできないし、そこは山に囲まれ閉鎖的で、周りを見渡せば高齢者と野生動物しかいない。農作業をすれば、汗だく&泥だらけになり、四六時中、虫と雑草との負けられない闘いがそこにはある。気分転換に気軽に飲みに行くことすらできない。(車移動の社会だから)都会生活が長いもやしっ子(ジジイ)にはかなりハードな環境だ。
と、都会のサラリーマンから見ればこんなイメージとなる。
そんなイメージを抱きながら実際に農業に従事していたが、意外にも私は農業というものに可能性を感じてしまったのだ。そもそも、閉鎖的で長時間労働・低所得というブラックな環境といのは、都会の人が抱いている、ただのステレオタイプな“偏見”なのではないかということに気が付いたからだ。
儲かっている農家は黙って静かにしている。自身の成功を発信をすることもない。(近隣の嫉妬のトラブルを避けるためか、皆高齢のため情報社会についていけないだけかもしれないが。)ただただ、自分の作品(農作物)作りに没頭し、お得意のお客さんに喜んでもらえるのを生きがいにしているように見える。こんな農家で実際に働いてみると、儲かってない農家が声を大きくし、従来の偏見(重労働、低賃金、長時間労働、収入の不安定等)を強化し続けているように思える。大抵の農家にとっては、この偏見が強い方が国からの補助金やサポートを得やすく、自身の生活や仕事で楽ができるのだ。
そんな経験(高原通信参照)から、下記の仮説が湧いてきた。
もしかしたら、農業の本質とはかけ離れたところにお金をかけて、さらに開放的にしたら、めちゃくちゃ快適でやりがいのある生活になるのでは?
もしかしたら、短期間である程度の収入を得ることができるのでは?
もしかしたら、農業を副業にして、趣味を本業にするような生活スタイルが成り立つのでは?
てなわけで、簡単に言うと
田舎でも、意外に楽しく働ける場所が作れるのでは?と思ったわけだ。
新しい生活スタイルを求める人たち(引退後の高齢者か、自分の生活スタイルを模索する若者)には、こういう場所が必要なのではないかなと。
現状の農業では職場環境があまりにも過酷でダサくブラックなので、農業が副業になるという発想は、一般のサラリーマンにとっては妄想に近いものだと思う。
というわけで、上記の仮説を検証すべく、年甲斐もなく無謀な挑戦をこれからすることになった。どんなことをしていくか、このプロジェクトの意義をまとめると、
・見た目が美しく、働いていて気持ちの良い農園の造成
・農業を副業にする新たな生活スタイルの構築
・この農園でしかできない体験を提供する
これらの意義が実現できたら、農業の一般的なイメージもどんどん変わっていくと思う。
では、当面どのような活動をしていくのか?
花を植えたいと思う。
な、何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何をしたいと思っているのかわかっていない。レンゲだとかヒマワリだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。(以下略)
実際の活動は、水田改造から始めるので、下記のようになる予定。
・農地を開拓し、果樹がよく成長できるように土を改良する
・施設を整備する(倉庫、休憩所、潅水施設やビニールハウスの建設等)
・農地をハイテクで花に囲まれ、綺麗な施設にしていく
・ブランディング化とデザインの統一を実施する
・一番美味しい果物は、その場で食べてもらえるような仕組みを作っていく
・農業する期間は基本的に半年とする
何を作り出していくのか?
顧客と働き手の両方に新しい価値を提供していきたい。下記のようなことに集約されると思う。
・顧客には、値段は高いがここだけでしかできない体験できない食べ方を提供する
・働き手には、大自然の中、快適な環境で働くことができる仕組みを提供する
つまり、農業に“Wow”をもたらし、利益が上がるようになり、農業とは、農家とは、農園とはこういうものだという田舎の偏見・固定概念をアップデートできたら、このプロジェクトは成功です。参加ご希望の方は、まずは今後の通信をご愛読ください。
では、実際のプロジェクト状況は次号の
「プロジェクト ザ・ガーデン -開拓編①-」
を読んでね。
新しい価値の実現の道のりが遠すぎて眩暈がすること請け合いです。
あとがき
そもそも、このプロジェクトを始めるにあたって、ものすごく個人的な理由の出発点は「退屈」だったからだ。30年にわたる都会での消費中心の生活とそれを支えるサラリーマン仕事には飽きが来て、退屈になっていた。ブルシットジョブをこなすばかりではなく、この歳でも何か生産的な仕事がもっとできるんじゃないかと心の片隅で思いながらも、日々刺激の多い都会で流されて生活してきた。
そしてその仕事を引退して趣味に没頭する生活を続けていたが、新しい「何か」を習得して社会と関わり、社会に「何か」を還元していきたいとの欲望が、心のどこからかムクムクと湧き上がってきた。今の生活は十分楽しいけれど、自分だけ楽しくても少し寂しいなという感じも残っていた。自分の周りも楽しいほうが、もっと楽しいと思うようになってきた。
果樹栽培と高原での生活は、一言でいうと「楽ではないが、楽しい生活」。
この経験を、是非皆様にも経験してもらいたいとの思いから、この通信を始めました。今後ともよろしくお付き合いお願いいたします。
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