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プロジェクト ザ・ガーデン-移住編①-

田舎に馴染むのって、そんなに簡単じゃない!

この土地に来て、もうはや2年。
しかしながら、全くと言っていいほど地元との繋がりがない。
隣で畑をやっている爺さんは、雑草を早く刈れとよく俺に言いに来るが、
普段会った時、俺から挨拶してもマル無視。

そもそも俺はよそ者だし、地域にもまだ根付いてないし、自分の畑も満足に管理できていない都会から来た厄介者扱いなのはしょうがない。

周囲に馴染めず疎外感を感じ、モヤモヤしながら農作業をしている時、俺は心の中で常にこう思っている。
「どうせあと10年後くらいには、近所の爺さん達は皆死んで、誰もいなくなるから別に気にしなくてもいいか。」 と。

こう思っていると、近所から無視されたり、地域では当然のしきたりを要求されてもあまり気にならなくなるのである。

見知らぬ地で生計たてなきゃ!

近所付き合い以上に深刻なのが、この土地でとりあえずどうやって生計を立てていけばよいのか?ということだ。現在G社とI社にてアルバイトしているが、しょせんフリーターのようなもので、賃金は田舎の底辺である。

これからは自分の土地開発のため色々と物入りなので、お金が必要だ。私は50代なので、国の補助金(サポート)はもらえない(49歳以下であれば新規就農者にはものすごく手厚い補助金が付く)

果樹栽培ビジネスの最大の弱点は、先行投資額が大きいのに、5年間は収入がゼロであることだ。(裏を返せば、参入障壁が高く、5年後に実がなり始めたら収入が安定する。)
今後どうやってやりくりすりゃいいのさ?と炎天下の中、自分の畑で草刈り機を振り回しながら、今後のことをよく考えていた。

地域おこし協力隊に応募する!

9月に入り、サクランボの師匠からお声がかかった。
「農業地域おこし協力隊員募集するから、応募してみない?」

地域おこし協力隊というのは、3年間の期間限定で、受け入れ先農家(今回はサクランボ師匠の会社)で働き、農業の技術習得と収入を得ることができる、国の制度である。応募者の年齢性別の制限もないが、受け入れ先農家と市役所の面接がある。

農家に直接雇ってもらえばいいのでは?と思われる方もいると思うが、それよりも、市の雇用条件がはるかによいのである。(週休2日で27万円/月程度。田舎では結構よい待遇である)

これに応募して受かれば、この地域で仕事をしながら生活基盤を作ることが可能となる。

速攻で応募したのだが、倍率は約4倍以上。5人の枠に20人以上の応募者が来ている状況だった。私的には、今までの人生で何十倍の倍率を潜り抜けてきた自信もあったし、田舎の役人を説得できないようではこの先はないなと思っていた。
だが、倍率を聞いてちょっと心配になったサクランボの師匠が、面接の作戦を立てようと言ってきた。

そこでまず役人が欲しい隊員像の仮説を作ることとなった。

仮説:
・3年間の地域おこし協力隊の任期を全うし、地元で農業をやり続けることができる人
具体的にどんな人物像かというと:
1.除隊後に確実に地元で農業を始める人
 →市の思惑:この補助金を国から貰い続けたいので、実際に農業を始めた元隊員の実績が必要であり、それが市の成績にもなる。
2.農業を始めて黒字化し、ふるさと納税を利用したビジネスをする人。
 →市の思惑:財源を増やしたい
3.企業化し、地元の雇用を増やす人
 →市の思惑:納税を増やし、市外からも移住者を増やしたい

と、この仮説をもとに面接では、実際に私がこういうことができる人物であることをリアリティをもって訴える必要があった。
そこで、面接では必要はなかったが、自分でプレゼンテーション資料を作って面接に臨んだのである。

実際に面接時に使用したプレゼン資料を下記に掲載する。


目次:全体像の説明
都会ではどんな仕事をしてきたのかを説明


今までの仕事を辞めて、農業を今後やり続けることをアピール


実際に土地を買ったが、今後の仕事に困っていることをアピール
売上高の高いビジネスをすることをアピール
市の財源が潤う具体的な計画を持っていることをアピール
具体的な数字を使って、実現性の高いことをアピール

応募結果は?

はい。無事合格しました。
作戦勝ちだと思います。
2024年の4月1日から隊員になりますが、個人的な懸念点は

「サーフィンに行く時間が少なくなる。。。。」

だけです。


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