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ナチュラルインディゴとピュアインディゴ

こんにちは、藍屋テロワールの湯浅です。
世の中のインディゴには大きく分けて二つあります。
「ナチュラル」か「ピュア」か
本日はそんな一見違いの分かりにくい二つの言葉からインディゴについて考えていきます。

ナチュラルインディゴとは

まず先に、ナチュラルインディゴについて
【ナチュラルインディゴ】
日本語に訳すと【天然藍】といったところでしょうか
そうです。ナチュラルインディゴとは天然の藍なのです。
天然の藍とは何ぞや、
天然の藍とは、植物から抽出する藍のことです。
本藍などとも呼ばれます。
藍を持つ植物については先日、お話ししました。

このナチュラルインディゴの中でも、藍を建てるときに苛性ソーダや、ハイドロなど劇物といわれる薬品を使って建てる藍染もあります。
そんななかで、僕ら藍屋テロワールの藍はすべて天然のもので藍建てをしています。何が良くて何が悪いという話ではありません。その状況や環境においての藍の建て方があります。しかしその中でも僕らの藍は真のナチュラルインディゴと呼べるのではないでしょうか。

ピュアインディゴとは

では、ピュアインディゴとはなんなのか、
【ピュアインディゴ】
日本語に訳すと【純粋藍】といったところでしょうか
このピュアインディゴは、石油を原料とする科学的な藍です。
いうならば【合成藍】です。
ナチュラルインディゴが植物から抽出する藍だとすると
ピュアインディゴは石油由来の合成的に作られた藍。
天然ゴムと合成ゴムの関係性に近いでしょうか

この合成インディゴが開発されたのが、1880年です。
当時、石炭から石炭ガスをとり、ガス灯が普及した19世紀末、その残渣であるコールタールを利用して、ドイツの科学者A・ボン・バイヤーが開発しました。インディゴの生成は功績が認められ1905年にノーベル化学賞を受賞するほどの発明でした。
合成インディゴは、天然インディゴと全く同じ物質であり、純度の高く一定のものが安価に生産することが可能になり、これをきっかけにジーンズも普及し、いまではなくてはならない染料となりました。

二つのインディゴの違い

二つのインディゴ染料の大きな違いについて
まず一つ目は、生産量と管理の難しさにあります。
合成インディゴは安定的に大量に生産できる特徴がある中で、天然藍は、植物を栽培し、発酵をさせと、多くの過程を踏んでやっとインディゴの染料となります。
また、その出来上がった染料の管理についても、天然の藍染めでは、温度やpH、糖度、微生物たちの体調によって色の出方が左右されます。
そういったことから、合成インディゴは発展し、天然藍は衰退してきたのです。

しかし、天然藍にもよさがあります。
それは合成インディゴに比べて、色落ちや色移りが少ないところです。
これは、合成インディゴよりも天然藍のほうが粒子が細かいからといわれています。
なのでジーンズなどのデニム製品のような色落ちや色移りが気にならないのが天然藍の良さです。ぜひ、天然藍であなたの服を染めてみませんか?

宣伝を挟みましたが、ここまで
合成インディゴと天然藍を比べてきましたが、この二つに良し悪しはありません。
サステナビリティーなどで天然藍が注目されつつある中で、インド藍の生産背景などはまだまだ人海戦術でエシカルなものだとは言えないのかもしれません。だからといって僕らの藍が一番だともいうつもりはありません。
それぞれに適した用途で、それぞれの良さをだして、藍色を楽しんで行ければいいなと思っています。

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