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Blueming:京郷新聞インタビュー【日本語訳・意訳誤訳有り】


「BLのベテラン」ファン・ダスル監督が語る<Blueming>とBLの世界

31日に公開されたウェブドラマ<Blueming>のワンシーン。このドラマは大学映画科1年生の男子新入生であるダウン(左:チョ・ヒョクジュン)とシウォン(右:カン・ウンビン)が少しずつ親しくなる過程を描く。©︎NEW

30代女性Aさんは好きなアイドルグループのペンピク(팬픽:ファンフィクションの略語)を見てBL(Boys Love、男性同性愛を扱ったジャンル)の世界にはまった。A氏は「BLは啓示のように近付いた。なぜ好きなのかも分からないまま読んだ。」とし、「女性主人公が出ると感情移入しすぎて恥ずかしいが、男性主人公同士の恋愛は拒否感なく読むことができた。」と話した。友人の中には理想的な愛に満ちたBLで胎教をする人もいるという。

少数の女性ファンの専有物のように思われていたBLが、大衆的人気を謳歌している。ワッチャオリジナルシリーズ<セマンティックエラー>は2月の公開直後からずっと「ワッチャトップ10」最上位にとどまっている。パク・ソハム、パク・ジェチャン両主演が出演したYouTubeコンテンツの再生数が爆発し、両俳優が表紙モデルになった週刊誌「CINE21」は品切れとなった。メジャー映画投資配給会社のNEWは31日に公開した<Blueming>を皮切りに、計4本のBLドラマを披露する。NEWが制作する初のウェブドラマだ。名フィルムのような伝統の映画制作会社が同プロジェクトに参加する。

ファン・ダスル監督(28)は<君の視線が止まる先に(2020)><To My Star(2021)>に続き<Blueming>が3作目のBL演出作品だ。すでに<To My Starシーズン2>の撮影を終え後半作業中のため、BLシリーズを4本連続制作したわけだ。「BLのベテラン」ファン・ダスルと同日、ソウル江南(カンナム)のNEW社屋で会い<Blueming>とBLの世界について聞いた。

■BLとクィアは異なるか

クィアとは、性的少数者の人生を扱うコンテンツをいう。BLも男性同性愛を扱う。ファン・ダスルは「クィアは現実に足を踏み入れている反面、BLはもう少し純粋なファンタジーに近い。BLにはアイデンティティの葛藤がない」と説明した。

例えば、イ=ソン・ヒイル、キム・ジョグァンスなどが演出したクィア映画で、主人公の性アイデンティティは彼らが経験する逆境の原因になる。主人公はクィアのアイデンティティを隠そうとしたが明らかになって困難に陥り、家族や友人さえ彼を遠ざけたりする。同性愛に対する社会の偏見が映画の主要素材だ。

反面、BLで主人公の性アイデンティティは問題にならない。<Blueming>は大学映画科1年生の新入生たちの話だ。徹底した自己管理と率先垂範で羨望の対象となるシウォン(カン・ウンビン)と生まれながらの人気男ダウン(チョ・ヒョクジュン)が少しずつ親しくなる過程を描く。シウォンをひそかに好きだった女性同期は、彼がダウンに近づいた事を知りすぐに諦める。短編公募展で受賞したシウォンに嫉妬し、彼の過去の写真をからかう先輩が<Blueming>で悪役に近いが、彼でさえシウォンとダウンの関係をめぐって悪口を言ったりはしない。BLで同性愛は異性愛と同等に扱われる。ファン・ダスルは「男性が男性をあるいは女性を愛しているという事実が重要なのではなく、『愛する人がこの人』という点が重要だ」と話した。

■BLはみんな青春メロドラマか

BLでも性アイデンティティ以外の要素は十分現実的である可能性がある。<Blueming>はBLであると同時に成長物でもある。序盤、和気あいあいとして甘かった<Bludning>は中盤以降、家族関係の葛藤、確信できない進路に対する悩みなどが明らかになり徐々に暗くなる。

<Blueming>と<セマンティックエラー>はいずれも12歳観覧可だ。<Blueming>の場合、台詞に深刻な悪口や性的暗示がほとんどない。 男性キスシーンが登場するが、ベッドシーンはシルエットのみで処理された。両作品ともBLとしては「入門用」に分類される。ちょうどBLが大衆化し始めた韓国の雰囲気にふさわしい作品だ。ファン・ダスルは「ダウンが積極的に近づき、シウォンが彼を押し出す過程はBLの特性というよりは一般的なメロディの要素だ」と話した。

いち早くBLが人気を博した日本には、さまざまな世代の関係を描いた作品が多い。<おっさんずラブ>は男性主人公が上司の男性部長と男性後輩から同時に告白されながら繰り広げられる物語を描いた。<Life線上の私たち>は10代から30代まで変わらない心と変わる現実の間に置かれた2人の男の人生を描いた。<陳情令><山河令>など中国ドラマは武侠物の外皮をまとったBLだ。韓国でもBL制作が活性化し、殺人、監禁などが登場するBLウェブコミック<キリング・ストーキング>のドラマ化が予告された。

ドラマ<セマンティックエラー>のワンシーン。ジェヨン(左:パク・ソハム)とサンウ(右:パク・ジェチャン)は組別課題を通じて顔を合わせる。
©︎ワッチャ
ドラマ<セマンティックエラー>のワンシーン。
©︎ワッチャ

■最近BLがなぜ人気なのか

性アイデンティティを差別禁止事由と明示した差別禁止法の制定が依然難航している韓国社会で、BLドラマの人気は予期せぬ現象だ。ファン・ダスルは「ファンの爆発的な関心」を一つの理由として挙げた。他のジャンルに比べてBLは小さいが強力なファンダムを持っている。人気作に対するファンの「エネルギー」は想像以上だ。多くのBLファンがアイドルファンダムに由来するという事実で、その程度を推測できる。<Blueming>は31日午前0時、ネイバーシリーズオンを通じて公開されたが、ツイッターには「夜通しすべての回を見て出勤する」という書き込みが掲載された。<Blueming>は中国のグローバルオンライン動画サービス(OTT)のiQIYIを通じて同日午後1時から公開されたが、韓国と同時公開だと思っていた海外ファンが夜通し公開を催促する場面もあった。ファン・ダスルの前作BLをすべて見て感情の流れ、音楽の適合性などに対して積極的に反応するファンも多いという。主要シーンをまとめて演出の意図を詳細に解釈したレビューブックを作ってくれたファンもいる。ファン・ダスルは「ファンの反応を通じて私も少しずつ成長し、私の演出特性を把握するようになった」とし、「ファンの反応が普通の封切り映画より強いと感じる」と話した。

BLの主人公たちは観客の没入を誘導するのも良い。ファン・ダスルは「BLはアイデンティティの葛藤を扱うことはないが、観客は社会で学習された葛藤を認知している状態で観覧する」とし、「当たり前に見えて応援する必要もない異性愛よりは、『うまくいってほしい』と応援したいBLの中の人物と俳優に観客が力を乗せる場合が多い」と伝えた。


©︎ 京郷新聞

※機械翻訳含め素人翻訳につき、あくまで参考程度にご覧ください。また、意訳誤訳気になる点等ございましたらご指摘頂けますと幸いです。

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