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思い出ストーリーセピア

高校から社会人2年目まで約6年間お付き合いしていた彼氏がいた。
もう別れてから5年くらい経つけれど、今でも彼のことをたまに思い出しては元気なのかと気にして涙してしまうことがある。元気で幸せであってくれと強く願うが、決して未練があるとか好きという感情ではない。

彼はとてつもなくだらしないが、面白くて天才でリスペクトできる人だった。私の中では未だに彼が人生で1番面白い存在で、約束を守れない嫌なやつだが人間味のあるいい奴だった。そして出会った頃は細身だったのにいつの間にか100キロを超えていた。

今でも沸き上がるこの感情は一体何かと言われると良く分からないのだけれど、色々な思い出と複雑な感情で胸が苦しくなる。思い出に胸を掴まれているような気分。

まだ付き合う前の高校生の頃に「クラスで王子様を見つけた!」と友達に話していた日々。
朝早く待ち合わせして、井の頭公園を散歩しながら一緒に通学した日々。自転車に2人乗りして先生に怒られた日。
大学からは遠距離になり、彼のいる京都に行く時はいつもわくわくしていたあの感情。
京都から帰りたくなくて夜行バスの中でこっそり泣いた日。
映画デートに寝坊されて映画を2本も見終わってしまった日。
度を超えるだらしのなさにイライラした日々。
お互いに連絡をあまり取らなくなり疎遠になっていった日々。

好きな人ができた。と別れ話をした時に、「あなたが好きになった人はきっといいやつなんだろうなあ」と泣きながら言って、私の幸せを強く願ってくれたこと。

もっと沢山の甘酸っぱい思い出は心の中に一つ部屋をつくって置いておいて、たまに開いてこの感情を思い出したい。
記憶は薄れていき思い出せなくなると言うけれど、私はこの先もセピア色になった記憶を振り返り彼のことを思い出したい。
どうか元気で幸せでいて欲しい。

#あの恋 #セピア色

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