紹介状を携えて…な話①
匿名無料のSTD検査においてHIV-1型において陽性だと判明した僕は、先日の記事にも書いた通り、検査結果を聞いた2日後に病院へ向かいました。
検査結果を知らせたそのときの担当医曰く、『この日なら自分が病院にいるから話も早いし、外来は初診だと予約できないけど、紹介状だけ持って来てくれたらいいからね』とのこと。
なるほど、じゃあとりあえず行ってみようか!くらいの感じで電車に乗り、3駅向こうの周辺地域でもかなり大きい総合病院へ、受付開始時間である朝イチに訪れました。
(※書き方がおかしい気がするけど決して旅行記ではありません)
紹介状の意味…
先述のドクターから聞いた通りにしたのに、病院に入って3分で僕は難関にぶち当たりました。
ことの経緯を説明すると初診受付の方から聞かれた一言で僕が少しイラッとしてしまったからなんですが、あの…と声をかけると『今日は予約を取られてから来ましたか?』と言われました。いや、そんなの聞いてないよー!(故上島竜兵さんすいません)って感じです。
「あの…ここのドクターに紹介状を書いてもらって、これだけ持ってきてくれたら大丈夫だからって聞いたんですが」
落ち着いて喋ってるつもりではありましたが、聞いてたのと違いすぎてイラっとしたんで…もしかすると鬼の形相だったかもしれません。
『どんな症状ですか?』
「いや…あの…(ここで言わなきゃいけないの?)えっと…HIVらしくて」
『(何かを察した受付の人)確認するので番号札を取ってからおかけになってお待ちください』
(また番号札か…)
そう言われた僕は、言われた通り番号札を発券機から取って待合所に座ると、なんとなく周りを歩く人達を眺めてました。
松葉杖を突いてる人、車椅子を押される人、点滴のスタンドを引きずりながら歩く人、泣き叫ぶ子供を無理矢理連れながら歩く親御さん…みんな大変そうだけど、でもなんだかとても複雑な思いでした。
きっとみんな今より良くなること、治すことを目標に病院で治療を受けているんだろうなって気がしたから。もちろんそうじゃない人も多少はいるんだろうけど。僕は…他の人から見れば悪いところなんかないように見える(実際に悪いところは今のところない)けど、治療で進行を抑えることができてもとりあえず今のところ治ることはないんだなって思うとなんだかな。
『〇〇番の方ー』
番号札を持って受付に行くと『担当の科の方に確認が取れました。診察室等については診察受付で聞いてください』と言われ、受診票が入ったファイルを受け取りました。
それから診察受付に行き、診察を受ける部屋の近くで待つように言われました。その時渡されたファイルの中身を見てみると…"緊急枠"の文字。きっと別に今すぐ死ぬわけじゃないんだろうけど、これからどんなことが起きるのか全く分からずなんだか少しずつ足取りが重くなっていく気がします。
指定された場所に着くと何やら診察を待つ人でごった返してて、少し離れた場所に座って設置されたポスターやパンフレットを読んで時間を潰すことにしました。
久しぶりの大きな病院
ところで、僕は大人になってから総合病院のお世話になったことがあります。
その当時は筋トレとランニングを各3日ずつ、週に計6日運動をしていた時期がありました。
別にいわゆるゲイ受けする体つくりをしていたわけでもなく、大の大人がただ学生さんたちにサッカーで弄ばれたのが納得できなかっただけなんですけど…(笑)
結果とにかく体が軽く、柔軟体操の甲斐もあって関節もそれなりに柔らかくなり、なんでもできる気がしていました…が。ある日突然、運動の最中に膝の前十字靭帯なるものが断裂、1ヶ月の入院と、一年の通院生活を送りました。
そんなこんなで病院特有の雰囲気自体については特に違和感なし。そういえばその時も患部以外はめちゃくちゃ元気だったし車椅子に乗ってたと言えど退屈な入・通院生活だった記憶があります(笑)
今その時と唯一違うことといえば…いくら調べても治る見込みがないということです。困った。
過去の経験のかいもあって(?)この手の病院で初診がすぐ呼ばれるわけがないのも分かっていたし、ちょっと疲れてしまった僕は気分転換のため一度外に出ました。
梅雨前の快晴の日の暑くて少し汗ばむくらいの陽気の中で、一生治らないっていう不安と、それでも快方に向かうっていう期待の間で頭が支配されて…そういえば僕はなんでまだ死にたくないんだろう?なんてことを考えました。
次回に続きます。
僕はお気持ちだけでも十分嬉しいのです。読んでくださってありがとうございます🥰