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StartupWeekend名古屋2023


名古屋開催のはじまり

昨夜までの3日間、10/20-22の日程でStartupWeekend名古屋2023が実施され、ファシリテーターとして務めさせていただきました。

StartupWeekendとは?といったご説明は先だってのSWファシリテーター就任所信表明内で記載しておりますので、そちらをご覧いただければ幸いです。

また、当日の様子など、公式レポートはオーガナイザーにて作成されますので、こちらは私目線からのレポート、裏話的に書かせていただきます。

【11/17追記、公式レポートが公開されていますので、イベント内容はこちらをご覧ください】

オーガナイザーチームとの邂逅

8月に実施したSW熊本vol.14@人吉球磨では、SW宮崎で一緒にオーガナイザーを務めたメンバーもいたのですが、全く面識のないオーガナイザーの方々との運営チーム形成は初めてでした。リードオーガナイザーながもんこと初メッセージのやり取りは今読み返しても若干ぎこちなくて面白い(笑)

SW名古屋は定期的にミーティングを開くような運営スタイルでもないので、なかなかオーガナイザーメンバーとの顔合わせもままならずFBメッセンジャーのみのやり取りが続いたことも特徴でした。
(運営スタイルはリードオーガナイザーに一任されている)

メインで動いている人数こそ4人と少ないものの、スタートアップ支援施設のコミュニティマネージャーなど粒ぞろいのメンバーがそろっているので運営に関する不安はほとんど無し。何より現地メンバー同士の仲が良い様子が伝わってくるのがとても良かったです。

順調と思いきや…?

運営メンバー内はとても順調にコミュニケーションが取れていたので、特に問題もなく開催までこぎつけるかと思いきや、やはりそうは問屋が卸さず。
予定していた会場からまさかのNG。SWの特性上、会場の使用時間が長いことからスタッフの残業代等がネックになったようでした。
その後、オーガナイザーのこれまでのネットワークをフル探索し、無事、名古屋駅前徒歩3分というとても素晴らしい立地の会場をご提供いただくことが出来ました。

かつてないほどのハイペースで進む集客

無事、会場も決まり8月頭にはイベントも公開されました。その後、驚くべきスピードで集客が進み、イベント開催1か月以上前の9/11にはキャンセル待ちが発生。私がこれまで取り組んできたSWではありえない状況に、これが都会かぁ、としみじみ思った次第です。
本来、集客を目的として実施されるプレイベントの開催は9/15で、プレイベントに参加して本番に興味を持っても既に空きがないという逆転現象も発生していました。
(会場のスペースがワークショップ形式で進めるには少し手狭だったという事も起因していますが、振返ってみると「公開後にすぐに申し込まれる感度の高い人たちばかり」という状況が本番の熱中度につながったとも考えられます)

1週間前には、キャンセル待ちでお待ちいただいていた8名を泣く泣く解除させていただくオペレーションも発生しました。ご参加いただけなかった皆さま、すみません。

そして始まるSW名古屋

1日目

いよいよ10/20、SW名古屋2023が開幕しました。
続々と集まる参加者たち。そして始まるピザパーティ…どころか、絢爛なバルメニュー。

ピンチョスのほか、オマール海老のビスクコロッケなど地元で愛されるスペインバルが腕によりをかけて作っていただいた料理を前に自然とテンションも上がっていきます。

その後、アイスブレイクを経てチーム形成となるのですが、ここでも熱量の高さが現れ、全くチームがまとまらない(笑)
他地域では投票が選ばれず復活をもくろむ方が出たとしても1~2名程度なのですが、今回は数名いて、ファシリの手からマイクを強奪してPRに及ぶ方々。これぞ”No rule is the rule”。
中にはどうしても自分たちのテーマで貫き通したいと、会場外から助っ人を呼び込み強引にチーム登録する方々も。(※SWの参加費は基本食費なので、外部からメンバーを調達することは禁止されていません。ただし食事は出ませんが。また、チーム登録には最低3名必要なものの、途中で解雇/採用も自由。1人ではチームとは呼べないので、登録した後に自分以外いなくなる、という状況は避けねばなりませんが)

熱量に圧倒されつつ、会場の終了時間の都合もあったため、半ば強引にクロージング。最後までメンバーを集められず「明日の朝までに2人連れてきます」と言い残して去っていく方も。(結果的に、彼は2日目から現れませんでしたが…)

熱狂のうちにクロージングした裏では、運営チームに降りかかる災難が。ビルの管理人からガチで怒られる事態が発生。どうやら本来必要な書類の提出やビル内のルールがきちんと共有されていなかったようで、そんなことは知ったことではないビル管理人の立場としては「よく分からん奴らが勝手にルールを破りまくっている」と映り激怒。危うく出禁になるところだったという…。これぞまさにLearning by Doing…?
ちなみに翌日以降は、会場の方からきちんと話を通してくださるどころか、搬入搬出も担っていただけるという感謝してもしきれないほど良くしていただきました。改めてありがとうございます。

2日目

10/21朝のファシリテーションの後、早速、街へ出て自分たちのアイデアを検証し始めるチームも。
中には、アイデアに関連するイベントが静岡県沼津市で開催されていると知り、分担のうえヒアリングに向かうチームも。ちなみに名古屋から沼津までは新幹線で2時間かかります。しかも勝手にヒアリングしていたことで主催者からこれまた怒られたようです^^;

午後のコーチングでぼこぼこにされるのは恒例行事ですが、それをバネに給湯室でMVPとして調理を始めるチームも。会場内で試食を行い、どの組み合わせが最も受け入れられやすいかなどのヒアリングを進めていました。

会場そのものは20:30にクローズしたものの、その後も場所を変えて中には28時過ぎまで作業をしていたチームも居たそうな。参加者の皆さま、伴走したオーガナイザーお疲れさまでした。

3日目

10/22、残された時間はわずか。
朝からピリピリした空気で包まれているチームもあり、また、やはり当初のアイデアでは顧客が見えないという事でpivotするチームも。
当初予定していた朝のファシリ内でのワークショップは取りやめ、参加者に時間を最大限活用いただけるようアレンジしたり。
(SWに限らず長年ファシリをしていると感じるのが、大事なのは「如何に参加者の内からより良いものを引き出すか」であって、ファシリのやりたいことをやるのが正解ではないし、状況によっても正解は常に変化していくということだったりします)

そして迎えた最終発表。7チームのうち、3チームが審査員に試食を提供するという異例の事態に。(そのうち1チームは何のための試食か意味がよく分かりませんでしたが…結局手を付けられてなかったし)

審査の結果、審査員の満場一致で選ばれた優勝チームは「味噌煮込みうどんをパンに包む」というアイデア。
一件、ゲテモノあるいはプロダクトアウトのようにも感じるのですが、実態としてはきちんと課題にフォーカスしたうえで、地域の特性と掛け合わせることで実現性を高めている、とても興味深い取り組みでした。
また、チームが持つネットワークを駆使し、SW後の販売に向けた計画も既に取り付けており、SWで目指すべきプロセスも圧倒的な行動力で成し遂げられていたのが印象的でした。


勘違いされがちなのが、SWの審査はあくまでプロセスに対するものであり、そのアイデアが面白いかどうか、という点に対するものではありません。ペインを元に顧客の課題を分析し、MVPを定義し、課題とソリューションの合致性を検証し、そのソリューションが市場とも合致するか検証し、ビジネスモデルとして成立させること。N=1(一人目の顧客)が居ない限り、どの様な事業計画も絵空事であって、いかにその顧客を獲得するのかが肝だったりします。プレゼン資料を華美に装飾することは二の次で、きちんとプロセスを回していくこと。

また、ジャッジとのやり取りが可否を分けたなぁと思った側面も。講評でもありましたが、ジャッジからの質問は攻撃ではなく、アシストなんですよね。言い足りていないところがあったりとか、実現性に向けて必要な補足を促していたりとか。
それに気付かず、あるいは汲み取ることが出来ず、反論だったり自分の思い込み、言い訳を主張しているうちは成長が閉ざされてしまうのでは、と思ったりします。
優勝したみそパンチームはその点、ジャッジからの質問を発表時間の拡張に上手く使い、ゴールを決めており、さすがだなぁと。
(ジャッジのいうことに素直に答えたから気に入られて選ばれた、という事ではありませんからね)

ということで、最後の懇親会まで大いに盛り上がり、SW名古屋2023は熱狂のうちに閉幕しました。
都市の規模からすると参加者数は決して大きくないものの、やはりSWのバロメーターは参加者数ではないのだな、と感じた次第です。早期にキャンセル待ちになったことで、いわゆるアーリーアダプターしかあの場にはいなかったのでは、と。

懇親会の中では新たなオーガナイザー希望者も出ていましたし、他地域への広がりの可能性もお話しされていたので、ますます中部地域のアントレプレナーコミュニティ形成が進むことを祈念しつつ今回のレポートを終了します。

No Talk, All Action!!




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