#61 鈴鹿とF1
三重県鈴鹿市に住んで27年が経ちました。自分の人生の半分を、三重県人として過ごすとは、学生時代には思いもしませんでした。鈴鹿市と聞けば、何を連想するでしょうか?岐阜県生まれの自分が初めて鈴鹿に来たのは、小学生の遠足で鈴鹿サーキットの遊園地でした。そういえば、大学の研究室には、バイクレースの鈴鹿8耐の熱烈なファンとF1カーレースのこれまた大ファンがいて、年に何回かは、「今年の鈴鹿は、、、。」と熱い会話が研究室に響いていました。まさか、サーキットのエンジン音が聞こえる場所に住む自分の未来は想像できていませんでした。
鈴鹿に住んでからF1レースを実際に自分の目で見たのは、2回だけです。チケットの値段を考えたら、ちょっと高いなーと思ってたのですが、地元鈴鹿市がホンダがF1に復帰した年に応援席をS字コーナー出口に設けて募集したので、鈴鹿市民歴20年を超え地元愛に芽生えてきたので、みんなと一緒に旗を振ってささやかな応援をしました。当たり前ですが、生で見るレースの迫力は違いますね。テレビとは比べようがありません。それは、音楽ライブコンサートと歌番組ぐらいの違いです。会場のお祭り気分、始まるまで、終わってからの周りの人と時間を共有するあの感覚。”宴”のあとの侘しさ噛み締めるあの感覚。TVだと、番組が終われば、完全に次の作業に切り替わってしまいます。”陽の名残り”を感じられません。会場で見たF1レースは、最高でした。
ところで、最近のF1マシンは、環境に配慮して燃費も良く、エコで、電気で、とにかく静かです。鈴鹿に引っ越してきて最初のF1大会では、フェラーリが走ると遠く離れた職場でも窓が空いていると音の高さが他とは違うのがわかりました。最近は、どのマシンも同じような排気音になってしまいました。しかし、ここ数年の決勝レース直前に行われる往年のF1マシンがコースを数周走るレジェンド(伝説)マシン走行では、2台走るだけでも鈴鹿の空にフェラーリの爆音が鳴り響き感動します。自宅でまだを開けていると、そのエンジン音がわかります。たった二台でも!!
去年のF1は観戦には行かず、当日鈴鹿市立図書館で開催されていたアイルトンセナ追悼写真展を見に行きました。こういうイベントが市民主体で開催されるのが鈴鹿の素晴らしさだと思いました。ホンダOBの方を中心に、色々な写真やグッズが展示されていて、中でも驚いたのが、マン島バイクレースに参加したマシンのエンジンシリンダが展示してありました。「スゴイものが置いてありますね。」と展示スタッフに言うと顔が笑顔になり、わざわざねじ止めしていたケースを開けて中身を見せてもらったり、貴重なビデオを見せて頂き、とても嬉しかったです。宗一郎さんのプラスネジの話をしたら、「おぅーぅ、あんた知っとるんかい。」とこれまたニコニコ顔でした。
残念ながら今年のF1レースは、新型コロナ対応で開催されないことが決定しています。早く再開できることを祈ってます。また、S字コーナーで小旗を振り応援します。がんばれ、F1!がんばれ、鈴鹿!!
(写真 昨年開催された写真展のポスター)